LN変調器(ファイバー結合型電気光学変調器)に関する実験データ


LN変調器(ファイバー結合型電気光学変調器)に関する実験データ


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ファンクションジェネレータの出力を増幅してLN位相変調器を駆動

Vpi
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図1: この実験セットアップを用いて、ファンクションジェネレータを中心に据えて構築した簡単なRF源でLN位相変調器を十分に駆動できるかどうかを評価しました。

当社ではLN変調器のラインナップを取り揃えており、これらはファイバ出力型レーザ光源からの光の変調用に適しています。LN変調器はしばしば1 GHz以上で駆動することが求められますが、その場合はRF電圧源の特性が重要になります。当社では、ファンクションジェネレータを中心にして構築した簡単なセットアップで、LN位相変調器を駆動できるかどうかを調査しました。このための実験セットアップには変調された光信号のスペクトルを記録する機器も含まれています。変調された光のスペクトルを解析することで、この簡単なRF源でLN位相変調器が駆動可能であることを確かめました。こちらのページでは当社の実験アプローチと結果をまとめております。

実験の設計とセットアップ

LN変調器を駆動するためのRF電圧源の設計では、まずこのLN位相変調器の駆動に必要なRF源の供給電力を求める必要があります。電力に対する要求は、この用途で要求される変調度を得るのに必要な駆動電圧を見積もることから行います。変調度を選択するプロセス、変調度と駆動電圧の関係、そしてRF源に要求される電力を見積もるのに用いた計算式などの詳細についてはLab Facts(右のボタン)の資料をご覧ください。これらの検討により、ファンクションジェネレータのみではこの用途に必要な信号パワーが得られないことが分かりました。解決策として、低ノイズの増幅器をファンクションジェネレータとLN変調器の間に挿入しました。さらに変調器の手前にローパスフィルタを設置し、ファンクションジェネレータに起因すると思われる信号歪みを取り除きました。LM位相変調器を正弦波のRF電圧で駆動し、1550 nmのCWレーザ光に正弦波位相変調をかけました。

LN位相変調器の後に走査型ファブリペロー干渉計を設置し、その出力をオシロスコープに接続して、変調光のスペクトルの測定とモニタリングを行いました。この目的にファブリペロー干渉計を使用したのは、位相変調された光の微細なスペクトルを測定するには高い分解能が必要なためです。1550 nmの波長では、1 GHzの周波数の差は0.8 pmの波長の差に相当します。測定されたスペクトルは走査時間の関数として記録されます。Lab Factsの資料では、ファブリペローの走査時間を相対的な周波数の単位に変換する簡単な方法をご紹介しています。この実験ではΔf = (1.17 GHz/ms)Δtと見積もっています。

実験結果

Lab Factsの資料に示すように、位相変調された光のスペクトルには、周波数foのレーザーキャリアのピークを中心にして、対称にサイドバンドが現れることが理論的に予測されます。各サイドバンドはレーザーキャリアのピーク周波数から変調周波数fmの整数倍の位置にあります(fo ± Nfm with N = 1, 2, ...)。サイドバンドの相対的な高さは変調度の関数になります。同様に変調度はRF駆動電圧のピーク-ピーク値の関数です。変調度が与えられると、レーザーキャリアピークとサイドバンドの相対振幅が計算できます。これにより、用途のニーズに応じてそれぞれのピークに対するパワー分布を調整できます。当社では、RF源が適切にLN変調器を駆動したことを確かめるのに、このモデルで予測されたパワーを用いました。

図2と4に示すスペクトルは、当社が測定した変調スペクトルの代表的なものです。図3はキャリアとサイドバンドのパワーの相対値を変調度の関数として表した理論曲線です(レーザーキャリアピーク:赤実線、1次サイドバンド:青点線、2次サイドバンド:緑点線、3次サイドバンド:紫点線)。黒の矢印は図2のスペクトルに相当する変調度を示し、グレーの矢印は図4のスペクトルに相当する変調度を示しています。これらの結果により、当社が測定した周波数と適用した変調周波数は一致し、またスペクトルのパワー分布はRF源のピーク-ピーク駆動電圧と整合していることを確かめました。以上のように予測と測定結果が良く一致していることから、ファンクションジェネレータを中心に構築した簡単なRF源は、LN位相変調器のドライバとして使用可能であると結論しています。

EO Phase Modulator Spectrum for Vpp 3.63
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図4:Vpp = 3.63 Vの時のLN位相変調器によるスペクトル。
キャリア周波数はfo、変調周波数はfm = 1 GHzです。X軸はファブリペロー干渉計の走査時間で、信号の相対的な周波数スペクトルに直接関連付けることができます。
EO Phase Modulator Sideband Relative Power for 0.44 Modulation Depth
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図3:これらの曲線は、キャリアとサイドバンドの各ピークの相対的なパワーを変調度の関数として表しています。
黒の矢印で示した変調度0.44は図2のスペクトルに対応し、グレーの矢印で示した変調度0.56は図4に対応します。
EO Phase Modulator Spectrum for Vpp 2.85
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図2:Vpp = 2.85 Vの時のLN位相変調器の出力スペクトル。
キャリア周波数はfo、変調周波数はfm = 1 GHzです。X軸はファブリペロー干渉計の走査時間で、信号の相対的な周波数スペクトルに直接関連付けることができます。

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