マウント無しアクロマティック複レンズ、ARコーティング:400~1100 nm
- Achromatic Performance with AR Coating for 400 - 1100 nm
- Multi-Element Design Minimizes Spot Size
- Available in Ø1/2", Ø1", and Ø2" Sizes
AC254-030-AB
f = 30.0 mm, Ø1"
AC127-019-AB
f = 19.0 mm, Ø1/2"
AC127-075-AB
f = 75.0 mm, Ø1/2"
AC508-300-AB
f = 300.0 mm, Ø2"
Please Wait
General Specifications | |
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Design Wavelengths | 488 nm, 707 nm, and 1064 nm |
AR Coating Range | 400 - 1100 nm |
Reflectance Over AR Coating Range (0° AOI) | Ravg < 1.0% |
Diameters Available | 1/2", 1", or 2" |
Diameter Tolerance | +0.0 mm / -0.1 mm |
Focal Length Tolerance | ±1% |
Surface Quality | 40-20 Scratch-Dig |
Spherical Surface Powera | 3λ/2 |
Spherical Surface Irregularity (Peak to Valley) | λ/4 |
Centration | < 3 arcmin |
Clear Aperture | > 90% of Diameter |
Pulsed Damage Thresholdsb | 1 J/cm2 (532 nm, 10 ns Pulse, 10 Hz, Ø0.408 mm) |
1.5 J/cm2 (1064 nm, 10 ns Pulse, 10 Hz, Ø0.448 mm) | |
CW Damage Thresholdc | 589 W/cm at 532 nm, Ø1.0 mm |
Operating Temperature | -40 °C to 85 °C |
Achromatic Doublet Selection Guide | |
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Unmounted Lenses | Mounted Lenses |
Visible (400 - 700 nm) | Visible (400 - 700 nm) |
Extended Visible (400 - 1100 nm) | Extended Visible (400 - 1100 nm) |
Near IR (650 - 1050 nm) | Near IR (650 - 1050 nm) |
IR (1050 - 1700 nm) | IR (1050 - 1700 nm) |
Achromatic Doublet Kits |
Zemaxファイル |
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下の型番横の赤いアイコンをクリックするとZemaxファイルをダウンロードできます。また、こちらからは当社の全てのZemaxファイルを一括してダウンロードできます。 |
特長
- ARコーティング:400 mm~1100 nm
- レンズのサイズ: Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)、Ø50.8 mm(Ø2インチ)
- 焦点距離:19~600 mm
- 蛍光顕微鏡用に適した製品
当社の接着固定タイプのアクロマティック複レンズは、広帯域な反射防止(AR)コーティングにより可視域および近赤外域で優れた性能を有し、蛍光顕微鏡用に適しています。下のグラフはこのレンズに施されている-ABコーティングの帯域幅を示しており、当社の他のアクロマティック複レンズに使用されている2種類の標準的なARコーティングと比較することができます。
単レンズとアクロマティック複レンズの性能の比較については、「用途」タブをご参照ください。また「性能」タブでは、Zemax®ファイルを用いてアクロマティック複レンズの性能を解析した例をご紹介しています。なお、Zemaxファイルは型番横の赤いアイコンをクリックするとダウンロードできます。
レンズの性能を十分に発揮させるには、曲率半径の大きなレンズ面(平面に近い面側)をコリメート光の反対側に置く必要があります。 各複レンズのエッジに刻印されている型番の表記が正しく見えるように置くと、平面に近い面が下側にきます。 詳細については下のReference Drawingのリンクをクリックしてご覧ください。
これらのレンズのマウントとしては、当社の固定式レンズマウント、自動芯出しレンズマウント、調整式レンズマウントからお選びいただけます。なおレンズマウントをお選びになるときは、マウントがそのレンズの直径やエッジの厚さについての仕様に適合することを確認して下さい。こちらのページのアクロマティック複レンズはマウント付きでもご用意しております。410 nmより短波長側の用途向けに、当社では240 nmまで優れた性能を発揮するUV域用エアスペース型複レンズをご用意しております。
下の仕様値の表における曲率半径は、レンズをReference Drawingに図示するように置いたときに、曲面が右に開いている場合は正の数、左に開いている場合は負の数で表されています。
各アクロマティック複レンズの詳細については各製品の補足資料に含まれるZemax®ファイルでご覧いただけます。以下では、Zemax®ファイルを用いてこれらのレンズの性能を調べる方法をいくつかご紹介しております。
焦点シフト vs. 波長
当社のアクロマティック複レンズは、広帯域にわたってほぼ一定の焦点距離が出るように最適化されています。これはレンズの色収差を最小限に抑える、複数の素子を用いた設計により実現しています。複レンズの1枚目のポジティブ素子の分散は、2枚目のネガティブ素子により補正されるため、球面単レンズや非球面レンズよりも幅広い帯域で性能を発揮します。下のグラフは、焦点距離150 mm、Ø25.4 mmのアクロマティック複レンズAC254-150-ABの近軸焦点シフトの波長特性を示しています。
波面エラーとスポットサイズ
球面複レンズは、いろいろな収差を補正します。この補正の理論的レベルを数値化する方法の1つに、波面誤差のプロットと光線追跡法を用いたスポットダイヤグラムの作成があります。図2では、AC254-125-Cの像面における波面のプロットで収差補正に関する情報を示しています。波面誤差は理論的に波長の3/100のオーダになっています。これはレンズの中心を通過する光線と開口部の最外部を通る光線の光路差(OPD)が非常に小さいことを意味します。
図3では、AC254-250-Cの像面におけるスポットサイズの光線追跡結果が示されています。この近赤外域用アクロマティック複レンズでは、設計波長(706.5 nm、855 nm、1015 nm)がレンズを通して追跡され、それぞれ違う色で示されています。光線の切片の分布を取り囲む円は、エアリーディスクの直径を表しています。スポットがエアリーディスク内にある場合は、レンズの性能は、通常回折限界であると見なされます。スポットサイズは、幾何学的光線追跡法を用いて描画されるので、エアリーディスクよりもずっと小さなスポットは、回折により制限されます。
変調伝達関数(MTF)について
MTF画像品質はレンズの重要な特性です。画質の測定は、コントラストを用いる方法が一般的に使われており、MTFをプロットすることで、画質を理論的かつ実験的な数値として表します。レンズのMTFは、様々な解像度で物体を像に変換するコントラスト能力を示します。一般には、様々な間隔の黒線と白線からなる解像度ターゲットを結像し、コントラストを測定します。100%のコントラストでは、明確な黒線と白線が見られます。コントラストが低下するにつれ、線の区切りがぼやけてきます。MTFのプロットは、このようなラインのコントラスト比で示されます。線の間隔は、通常、本/mmで表記されます。
Zemax®で計算されるMTF曲線は、通常は複数の波長ごとに得られる値の加重平均値を示しており、多色MTF曲線(Polychromatic MTF Curve)として知られています。短い波長と長い波長とでは解像限界が異なります。したがってそれぞれのMTF曲線も異なるため、計算に含まれる波長により異なる多色MTF曲線が生成される場合があります。
上図は当社のØ25.4 mm、f=200 mm近赤外域用アクロマティック複レンズのMTFの理論値を示しています。約20本/mmの場合の空間周波数で、コントラストが83%となっていることがわかります。このことは、線間隔0.05 mmではコントラストが83%であることを示します。MTFの理論値は、光学素子が完全に設計通りに作られた場合の性能を示すものです。現実では、ほとんどの光学素子が製造過程における誤差のために理論値通りにはなりません。
左右のスクリーンキャプチャ像は分解能ターゲットUSAF 1951を用いて測定した結果です。
この場合、コントラストは82.3 %となりました。
アクロマティック複レンズは、 単レンズよりも格段に優れた光学性能を持っています。また、広帯域および軸外では非球面レンズよりも高い性能を示します。要求が厳しいイメージング用途、もしくはレーザ光の操作が必要な用途には、こちらの複レンズをご検討ください。
集光性能
下図は、平凸単レンズで633 nmのレーザービームを集光した場合とアクロマティック複レンズで同じレーザービームを集光した場合を示しています。複レンズのスポット(最小錯乱円)は単レンズのスポットサイズよりも4.2倍も小さくなっています。
軸外位置の性能
アクロマティック複レンズは球面単レンズや非球面レンズに比べてビーム軸との中心合せに対する感度が大幅に小さくなります。
下図は、焦点距離50.0 mmの平凸レンズとアクロマティック複レンズを比較した図です。どちらのレンズも光軸と8.0 mm離れた位置でØ25.4 mmレンズにØ3 mmのビームを入射しています。アクロマティック複レンズでは縦方向および横方向の収差が大幅に少なくなっています。
広い波長域でほぼ焦点距離が不変
単レンズに白色光源を使う場合、焦点および最小錯乱円は、色収差によりぼやけます。色収差は、波長によって屈折率が異なることから生じます。アクロマティック複レンズでは、これらの収差を打ち消し合う屈折率の異なるレンズ2枚を使うことによって、収差補正しています。
下図は、アクロマティック複レンズと平凸単レンズを透過する異なる波長光が焦点距離に与える影響を示しています。この図から、白色光の最小錯乱円がアクロマティック複レンズを使うことによって小さくなっていることがわかります。
Damage Threshold Specifications | |
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Item # Suffix | Damage Threshold |
-AB (Pulse) | 1 J/cm2 (532 nm, 10 ns Pulse, 10 Hz, Ø0.408 mm) |
1.5 J/cm2 (1064 nm, 10 ns Pulse, 10 Hz, Ø0.448 mm) | |
-AB (CW)a | 589 W/cm at 532 nm, Ø1.0 mm |
当社のABコーティング付きアクロマティック複レンズの損傷閾値データ
右の仕様は当社のABコーティング付きアクロマティック複レンズの測定値です。接着されたアクロマティック複レンズの損傷閾値は接着剤によって制限されます。より高い損傷閾値が必要な場合には、当社のエアスペース型複レンズのご使用をご検討ください。損傷閾値の仕様は、レンズのサイズや焦点距離にかかわらずすべてのABコーティング付きアクロマティック複レンズで同じです。
レーザによる損傷閾値について
このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。
テスト方法
当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。
初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。
上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
Example Test Data | |||
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Fluence | # of Tested Locations | Locations with Damage | Locations Without Damage |
1.50 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
1.75 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.00 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.25 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
3.00 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
5.00 J/cm2 | 10 | 9 | 1 |
試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。
CWレーザと長パルスレーザ
光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。
パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。
繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。
ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。
- レーザの波長
- ビーム径(1/e2)
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
- レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。
ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。
次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。
この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。
パルスレーザ
先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。
パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。
Pulse Duration | t < 10-9 s | 10-9 < t < 10-7 s | 10-7 < t < 10-4 s | t > 10-4 s |
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Damage Mechanism | Avalanche Ionization | Dielectric Breakdown | Dielectric Breakdown or Thermal | Thermal |
Relevant Damage Specification | No Comparison (See Above) | Pulsed | Pulsed and CW | CW |
お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。
- レーザの波長
- ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
- レーザのパルス幅
- パルスの繰返周波数(prf)
- 実際に使用するビーム径(1/e2 )
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。
次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。
波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。
ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。
次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。
お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。
[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1998).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).
レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。
ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。
CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。
しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(右のグラフ参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。
アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。
LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。
ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。
上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。
このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:
この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。
ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。
スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。
マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。
この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。
Posted Comments: | |
Frankie Fung
 (posted 2023-06-12 14:18:27.46) Does Thorlabs offer a 2-in diameter lens with f = 150 mm? jpolaris
 (posted 2023-06-13 01:45:04.0) Thank you for reaching out to Thorlabs. We do not offer a Ø2" cemented achromatic doublet with a focal length of 150 mm as a stock option. However, custom requests can be made by contacting techsupport@thorlabs.com. I have reached out to you directly to discuss this further. Cihangir Kale
 (posted 2021-12-07 06:48:14.877) Hi,
Can ı learn the reflection or tranmission data after 1200 nm wavelength for extended visible coating jgreschler
 (posted 2021-12-14 08:39:49.0) Thank you for reaching out to Thorlabs. I have contacted you directly with the data requested. Mitch Wool
 (posted 2021-06-15 12:57:03.723) I'm looking at:
AC254-150-AB - f = 150.0 mm, Ø1" Achromatic Doublet, ARC: 400 - 1100 nm
AC254-100-AB - f = 100.0 mm, Ø1" Achromatic Doublet, ARC: 400 - 1100 nm
AC254-200-AB - f = 200.0 mm, Ø1" Achromatic Doublet, ARC: 400 - 1100 nm
I cannot find the BFL dimension to the focal point. Where is it located on the website catalog? YLohia
 (posted 2021-06-15 01:29:22.0) The back focal lengths of these lenses are listed as the f_b spec on the spec tables on this page. The back focal length is also called out in the drawings of the lenses. Srinivas Varma Pericherla
 (posted 2021-02-25 15:06:30.353) Hi,
I wanted to ask if you guys have AC508-180-AB with flattened focal length shift at 970 nm. This is for a 4f grating compressor system. YLohia
 (posted 2021-03-05 10:00:06.0) Hello, custom items can be requested by using the "Request Quote" above or by emailing your local Thorlabs team (in your case, techsupport@thorlabs.com). We will discuss the possibility of offering this directly. Peiyun Shi
 (posted 2021-02-06 21:29:51.66) Is it possible for me to get one achromatic lens of 50mm or 50.8 mm diameter and focal length 750 mm? I need to be -AB coated. And is it possible for it to be air spaced since I will use it under pulse YAG, ~1J/cm^2.
Thanks,
Peiyun YLohia
 (posted 2021-02-08 10:12:33.0) Hello Peiyun, custom optics can be requested by clicking on the "Request Quote" above or by emailing techsupport@thorlabs.com. We will discuss the possibility of offering this directly. Jean-Christophe Blancon
 (posted 2019-08-06 10:38:07.89) Are we able to order AC508-200-AB? There is only AC508-180-AB available. YLohia
 (posted 2019-08-06 03:30:34.0) Hello, thank you for contacting Thorlabs. For custom items, please email techsupport@thorlabs.com. We will reach out to you directly to discuss the possibility of producing this. |
Item # | Diameter (mm) | f a (mm) | fba (mm) | Graphsb | R1a (mm) | R2a (mm) | R3a (mm) | tc1 (mm) | tc2 (mm) | tec (mm) | Materialsd | Compatible Fixed Lens Mounts | Reference Drawing |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AC127-019-AB | 12.7 | 19.0 | 16.29 | 14.3 | -13.8 | -68.5 | 4.0 | 1.0 | 3.2 | N-LAK10 / N-SF57 | MLH05(/M) LMR05(/M) LMR05V(/M) LMR05S(/M) SMR05(/M) | ||
AC127-025-AB | 12.7 | 25.0 | 21.89 | 19.1 | -17.8 | -82.3 | 4.0 | 2.0 | 4.6 | N-LAK10 / N-SF57 | MLH05(/M) LMR05(/M) LMR05V(/M) LMR05S(/M) | ||
AC127-030-AB | 12.7 | 30.0 | 27.16 | 16.7 | -13.8 | -52.1 | 4.0 | 1.0 | 3.3 | N-BK7 / N-SF2 | MLH05(/M) LMR05(/M) LMR05V(/M) LMR05S(/M) SMR05(/M) | ||
AC127-050-AB | 12.7 | 50.0 | 46.56 | 26.3 | -22.6 | -102.4 | 4.0 | 2.0 | 5.0 | N-BK7 / N-SF2 | MLH05(/M) LMR05(/M) LMR05V(/M) LMR05S(/M) | ||
AC127-075-AB | 12.7 | 75.0 | 72.67 | 38.4 | -35.0 | -177.3 | 2.5 | 1.5 | 3.3 | N-BK7 / N-SF2 | MLH05(/M) LMR05(/M) LMR05V(/M) LMR05S(/M) SMR05(/M) |
Item # | Diameter (mm) | f a (mm) | fba (mm) | Graphsb | R1a (mm) | R2a (mm) | R3a (mm) | tc1 (mm) | tc2 (mm) | tec (mm) | Materialsd | Compatible Fixed Lens Mounts | Reference Drawing |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AC508-080-AB | 50.8 | 80.0 | 72.73 | 63.6 | -80.6 | -181.7 | 12.0 | 3.0 | 7.8 | N-LAK22 / N-SF6 | LMR2(/M) LMR2V(/M) LMR2S(/M) | ||
AC508-180-AB | 50.8 | 180.0 | 173.52 | 144.4 | -115.4 | -328.2 | 9.5 | 4.0 | 10.2 | N-LAK22 / N-SF6 | See Footnote e | ||
AC508-300-AB | 50.8 | 300.0 | 289.81 | 167.7 | -285.8 | Plano | 9.0 | 4.0 | 11.0 | N-LAK22 / N-SF6 | |||
AC508-400-AB | 50.8 | 400.0 | 388.56 | 184.3 | -274.0 | Plano | 9.0 | 4.0 | 11.2 | N-BAK4 / N-SF10 | |||
AC508-500-AB | 50.8 | 500.0 | 488.04 | 230.3 | -343.9 | Plano | 9.0 | 4.0 | 11.5 | N-BAK4 / N-SF10 | |||
AC508-600-AB | 50.8 | 600.0 | 590.52 | 276.4 | -413.9 | Plano | 9.0 | 4.0 | 11.8 | N-BAK4 / N-SF10 |