Polaris®低歪みキネマティックミラーマウント、Ø101.6 mm(Ø4インチ)光学素子用
- Full Cage Retention of the Optic
- Three Point Contact Base Provides Ultra-Stable Mounting
- Patent Pending Polished Sapphire and Stainless Steel Movement
POLARIS-K4F4
Low-Distortion
Ruggedized Optic Mount
2 Hex Adjusters
Application Idea
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Ø101.6 mm(Ø4インチ)光学素子用マウントPOLARIS-K4F4の透視図。光学素子を保持するピストン(光学素子の後ろ側)と、側面で接触し保持するピストン(マウント上部)にはバネ(上図の赤色)と、低応力の接触部(青色)が付いています。
特長
- 熱膨張係数(CTE)を整合し、応力を除去したステンレススチールを機械加工
- 超高安定のビームポインティング安定性を得るためのバイメタル設計(US Patent 11,150,439)
- バネ除振と、インデックス機構付きの3点接触(アキシアル-ラジアルコンタクト)型光学セル
- 低歪みのレンズセル(US Patent 9,599,786)
- 高い耐久性と滑らかな動きを実現するために、硬化処理ステンレススチール製ボールとの接点にはサファイアシートを使用
- 整合したアクチュエータ/本体のペアにより滑らかなキネマティック調整を実現
- 温度サイクル試験後のズレは5 µrad以下(詳細は「熱試験データ」のタブをご覧ください)
- 不動化処理済みステンレススチール製の表面と、特殊なピュアメタル(ダイフリーおよびプラスチックフリー)の高温アルマイト加工により、真空および高出力のレーザ共振器の用途に適した製品
- マウントと光学素子の重量比を低減
- レンズセルの軽量化により、ビームポインティング安定性が向上
- カスタム仕様のマウントについては当社までお問い合わせください。
Polaris® Ø101.6 mm(Ø4インチ)光学素子用低歪みキネマティックミラーマウントは、マウントによる光学素子表面の歪みを低く抑えながら、長期的にビームポインティングの安定性が保たれる製品です。
光学素子の保持
各マウントでは、光学素子を取り付けるために、3点にパッドが付いた接触プレートと、側面から接触する2本のピストンが特長で、一般的な止めネジ(セットスクリュ)や固定リングを使用する標準的な光学マウントよりも光学素子の歪みを低減する設計です。3本のパッドとバネ付きのピストンは、後ろ側から光学素子を固定することで、著しい熱衝撃から光学素子を保護します。詳細については「低歪み」および「光学素子の取付方法」のタブをご覧ください。
Polarisの光学素子取付部は、温度変化や移動時の衝撃や振動など、様々な環境条件の変化に対して最良のビームポインティング安定性が得られるように精密加工されています。尚、こちらのマウントは、直径公差が+0.0 mm / -0.25 mmの光学素子用に設計されています。この範囲外の光学素子を使用すると性能が低下します。 ほかの光学素子サイズ用のマウントについては、当社までお問い合わせください。
設計
背面プレートは、熱処理済みのステンレススチール製で、前面プレートは安定性を向上させるためにエイジング処理を行った超合金アルミニウムで作られています。2つの材料を組み合わせた設計が光学素子を確実に取り付け、かつ極度の熱衝撃による光学素子内の応力形成を防ぎます。「熱試験データ」タブでご覧いただけるように、これらのマウントは様々な試験により、その高い性能が実証されています。Polarisの超安定設計は、極端な温度変動のあるシステム内のビームのミスアライメントの原因に対処します。詳細については、「設計の特長」タブをご参照ください。
ポストの取り付け
Polaris Ø101.6 mm(Ø4インチ)用ミラーマウントには、ポスト取付用のM6ザグリ穴が3つ付いています。 推奨する取付方法等については「使用情報」タブをご参照ください
クリーンルームならびに真空対応について
POLARIS-K4F4は、クリーンルームおよび真空チャンバの用途に対応する設計となっています。詳細については「仕様」ならびに「設計の特長」タブをご覧ください。
Item # | POLARIS-K4F4 |
---|---|
Optic Size | Ø4" +0"/-0.010" (Ø101.6 mm +0 mm/-0.25 mm) |
Optic Thickness | 0.750" ± 0.010" (19.05 mm ± 0.25 mm) |
Transmissive Clear Aperturea | Ø3.35" (Ø85.0 mm) |
Number of Adjusters | Two |
Adjuster Drive | 5 mm Hex Ø0.096" (Ø2.4 mm) Adjuster Side Holes |
Adjuster Thread | 9/16"-100 (100 TPI Matched Actuator/Body Pairs) |
Measured Point-to-Point Mechanical Resolution per Adjuster | 5 µrad (Typical); 2 µrad (Achievable) |
Measured Adjuster Lock Mechanical Resolution per Adjuster | 5 µrad (Typical); 2 µrad (Achievable) |
Resolution | 2.1 mrad/rev |
Mechanical Angular Range (Nominal) | ±2° |
Beam Deviation After Thermal Cyclingb | 5 μrad |
Mounting | Three 1/4" (M6) Counterbores |
Alignment Pin Holesc | Two Ø5 mm Alignment Pin Holes: One at the Left and Right Counterbores |
Vacuum Compatibilityd | 10-9 Torr at 25 °C with Proper Bake Out 10-5 Torr at 25 °C without Bake Out Grease Vapor Pressure: 10-13 Torr at 20 °C,10-5 Torr at 200 °C Epoxy Meets Low Outgassing Standards NASA ASTM E595 and Telcordia GR-1221 |
Operating Temperature Range | -30 to 200 °C |
低歪みミラーマウントPOLARIS-K4F4内の光学素子を交換する方法
下の写真ではØ152.4 mm(Ø6インチ)ミラーマウントPOLARIS-K6F4を使用しておりますが、手順はPOLARIS-K4F4に対応した記載となっています。よって説明に書かれているボールドライバや六角レンチのサイズもPOLARIS-K4F4用です。写真の光学素子やボールドライバはマウントに付属しておりません。
光学素子を取り外すには、5 mmボールドライバまたは六角レンチを使用して、まず上部のアジャスターネジ(図1参照)を緩め、側面で接触するピストン保持用ネジを露出させます(図2)。次に1.5 mmボールドライバまたは六角レンチを使用して、側面のピストン保持用ネジを1回転分後ろに移動させます(2カ所)。
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図1:上部のアジャスターネジを緩めます。
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図2:上部にある側面のピストン保持用ネジが露出しています。
5 mmボールドライバまたは六角レンチを2回転回して光学素子を保持するバネネジ(3カ所、図3参照)を緩め、ピストンを保持するアレイネジ(6カ所)を2.5 mmボールドライバまたは六角レンチで外します(図4参照)。これにより光学素子を保持するピストン(3カ所)をマウントから取り外すことができ、後ろの光学素子用の穴が開きます。
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図3:光学素子を保持するバネネジ(3カ所)を緩めます。
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図4:ピストンを保持するアレイネジ(6カ所)を緩めます。
両方の手を使って、光学素子を後ろから押しながら、光学素子を取り外します(図5と6参照)。
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図 5:光学素子を取り外すときは両側から支えます。
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図6:光学素子をゆっくり傾けてマウントから外します。
新たに光学素子を取り付けるときには、予め取付用の穴や光学素子本体に、グリース、汚れやホコリが付着していないことを確認してください。異物が付着している場合は、清浄な圧縮空気で取り除き、必要に応じてエタノールでクリーニングしてください。そして、図6のように取り付ける光学素子をマウントの後ろ側からゆっくり傾けて入れてください。図5のように光学素子の前面を片手で支えながら、光学素子を配置すると、光学素子取付穴の中心に配置しやすくなるかもしれません。側面のピストン保持用ネジを0.17 N-mのトルクで締め付け、ピストンアレイネジと保持用ネジは0.32 N-mのトルク、バネネジは3.4 N-mのトルクで締め付けます。
注:バネ付きのネジを取り付けるまでの間、光学素子は、側面のピストンの保持力により、立っている状態のマウント内に保持されます。より安全に取り付けるには、側面のピストン保持用ネジを締め付けたあとに、テーブル面に寝かせる状態までマウントを傾けてください。その状態で、光学素子を保持するバネを取り付けます。このときマウントの前面にはクッション性があり、また光学素子前面の空間により、光学素子は作業面に接触しませんのでご安心ください。
光学素子の取り付けには、六角ドライバービットキットBDSH-KIT/MおよびトルクドライバTD75のご使用をお勧めいたします(下記参照)。
Zygo位相シフト干渉計を用いた光学歪み測定
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マウントPOLARIS-K4F4に取り付けられたØ4インチ光学素子の波面歪み測定のスクリーンショット
手順
Ø4インチ(Ø101.6 mm)光学素子を「光学素子の取付方法」のタブに記載されている手順に従って低歪みキネマティックミラーマウントPOLARIS-K4F4に取り付けました。そして、マウントを1/4"-20キャップスクリュで3本のØ1インチステンレススチール製ポストに固定しています。これらの測定において、Zygo干渉計の開口部外径は有効径Ø85.0 mmの90%に設定され、テスト波長は634 nmでした。
結果
この試験においては、取付けた光学素子の波面歪みは0.08λと測定され(右のスクリーンショットをご覧ください)、マウントに取付けていない光学素子の結果と比較して、目立った違いはありませんでした。
熱衝撃後の位置再現性
Ø101.6 mm(Ø4インチ)光学素子用低歪みミラーマウントPOLARIS-K4F4は、2種類の金属使用と、低歪みの設計(特許取得済み)で構築されています。超合金アルミニウム製の前面プレートが安全に光学素子を固定して、大きな温度変動による応力を抑え、熱処理済みステンレススチール製の背面プレートが長期安定性をもたらします。3点接触の低歪みの設計が、力を均一に光学素子に配分しながら光学素子を固定するため、応力はさらに低減されます。詳しい情報については「低歪み」のタブをご参照ください。
この試験は、光学系のアライメントが熱衝撃を受けた後に、どの程度原点に戻すかを確認するものです。試験時、Polarisキネマティックミラーマウントは、温度制御された環境で3本のØ1インチステンレススチール製ポストPLS-P1に取り付けられ、クランプアームPOLARIS-CA1によってステンレススチール製光学ブレッドボードに固定されています。取付穴は1/4"-20キャップスクリュでポストに固定されています。ミラーは「光学素子の取付方法」タブに記載されている方法で(接着剤で接着せずに)ミラーマウントに取り付けられています。独立して温度制御された半導体レーザからのビームは、ミラー表面で反射され位置センシングディテクタで検出されます。
手順:
ミラーマウントを加熱し、その温度はマウントが一定温度になるように維持しました。その後、ミラーマウントの温度を試験開始時の温度に戻しました。試験結果は以下の通りです。
結果:
Ø101.6 mm(Ø4インチ)光学素子用低歪みミラーマウントPOLARIS-K4F4は、1個のベースではなく、3本のポストの上に取り付けたにも関わらず、優れた性能を示しました。下のグラフでご覧いただけるように、Polaris低歪みマウントが初期の温度に戻ると、マウントのミラーの角度(ピッチとヨー)の角度位置は、初期位置の5 µrad以内に戻ります。このPolarisマウントの性能は、さらに温度変化サイクルを繰り返す試験で実証されています。各サイクルの後に、ミラーの位置は確実に初期位置の5 µrad以内に戻っていました。
比較のための参考情報:
Ø1インチミラーマウントPOLARIS-K1Fの100 TPIアジャスタをわずか0.05°(1回転の1/7200)回転させただけで、マウントの角度は1 μrad変わります。高度な技術を有する作業者でも、調整可能な最小角度は0.3°(1回転の1/1200)程度であり、これは6 μradに相当します。
熱試験データ
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2アジャスタ型低歪みマウント
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上のグラフでは、15回の連続熱衝撃試験後のPOLARIS-K4F4の最終的な角度の位置を示しています。温度変化量は、開始時の温度と試験終了時の温度の差であり、室温の変動などの要素を含んでいます。
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低歪みミラーマウントPOLARIS-K4F4の設計の特長
光学系のミスアライメントは、共通の要因がいくつかあります。温度が誘因となるミラー位置のヒステリシスや、クロストーク、ドリフト、バックラッシュなどです。Polarisミラーマウントは特にこれらのミスアライメントの要因が最小となるよう設計されており、その結果として極めて高い安定性が実現しました。長期にわたる広範囲な研究、有限要素解析ソフトなど先進の設計ツールを用いた数多くの設計検証や何ヶ月間にも渡る安定性確認テストの結果、極めて高い安定度が求められる実験で使用するキネマティックミラーマウントに適した構成部品を選択することができたのです。
熱ヒステリシス
多くの実験室内の温度は、空調や室内にいる人数、設備の動作状況などの影響を受けて不安定です。そのため、アライメントに敏感な光学セットアップで使用されるマウントには、温度によるアライメントへの影響が最小限となる設計が求められます。温度の影響は、ステンレススチールのように熱膨張係数(CTE)が小さい材質を選ぶことによって抑えられます。しかしCTEが小さい材質で作られたマウントであっても、元の温度に戻った時、一般にミラーは元の位置に戻りません。ミラーマウントPOLARIS-K4F4の背面プレートの部品は全て組立前に熱処理が施され、温度ヒステリシスを生じさせる可能性のある内部応力が除去されています。その結果、ミラーマウントの温度をアライメントの時点での温度に戻すと、光学系のアライメントも元に戻ります。
Polarisのもう1つの重要な設計要素は、ミラーのマウントへの固定方法です。POLARIS-K4F4は、接着剤を使用せずに優れた性能を実現します。代わりに3点で接触する前面プレート、側面で接触する2本のピストン、そして光学素子を保持する3個のバネが付いています。この設計により、ビームポインティング安定性が保たれながら、光学素子表面の歪みが最小限に抑えられています。さらにこちらの低歪みキマティックミラーマウントPOLARIS-K4F4の前面プレートは超合金アルミニウム製で、光学素子に応力を加えることなく、著しい温度変動にも耐えられます。
クロストーク
クロストークは、マウントの前面と背面のプレートの寸法公差を注意深く管理して、ピッチとヨーのアクチュエータを直交の位置関係にすることで最小化できます。このことに加えて3つの接触点には、全てサファイアシートが使用されています。標準の金属-金属タイプの接触点は時間が経過するにつれて摩耗します。Polarisマウントでは研磨されたサファイアシートが使われており、硬化処理されたステンレススチール製のアクチュエーターチップとの組み合わせにより、接触面では時間が経過しても形状が保たれます。
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低歪みマウントPOLARIS-K4F4は、様々な入射角度において大きなビーム径に対して有効です。
ドリフトならびにバックラッシュ
ミラーマウントの位置ドリフトとバックラッシュを最小限に抑えるためには、アジャスタ内のあそびと潤滑剤の量を制限することが必要です。アクチュエータが調整されると、余分な潤滑剤は絞り出されて他の部位に移動し、そこで蓄積します。この非平衡状態にある潤滑剤はゆっくりと平衡状態に戻っていきます。その過程でマウントの前面プレートが移動する場合があります。Polarisマウントでは、工業規格よりも厳しい基準で本体と整合しているアジャスタを使っているので、アジャスタの潤滑剤はほんのわずかしか必要ありません。また、アジャスタは非常に滑らかに動かすことができるので、繰り返し細かい調整を行なうことができます。
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低歪みキネマティックマウントPOLARIS-K4F4は、ヒートシンクおよびカスタム品を取りけるためのネジ付き取付穴が付いています。
ハイパワーレーザーシステムにおける使用
高出力レーザを使用するセットアップでは、高熱エネルギーとレーザの大きなビーム径により、想定している光学素子が使えない場合があります。低歪みキネマティックミラーマウントPOLARIS-K4F4は、前面プレートの設計により、このどちらの問題にも対応します。前面プレートの超合金アルミニウムは、ヒートシンクとして優れた役割を果たし、光学素子に対する熱応力を抑えます。例えば超高出力レーザを使用する場合など、このアルミニウム製の前面プレートでは放熱が不十分な場合には、左図に示すようにヒートシンクやヒートパイプをさらに取り付け、光学素子を保護することが可能です。光学素子取付部は、様々な入射角度において大きなビーム径に対応できるよう設計されています(「仕様」タブならびに右の写真をご覧ください)。
光学素子用マウントの設計が歪みを低減
前面プレートは、歪みを抑えてØ101.6 mm(Ø4インチ)光学素子を取り付ける設計となっております。Ø101.6 mm(Ø4インチ)ミラーで実施した試験では(詳細は「低歪み」タブ参照)、取り付けた光学素子の波面歪みは0.08λ以下で、マウントが取り付けられていない光学素子の波面歪みと比較して目立った違いはありませんでした。低歪みの性能は、光学素子とマウントの相互作用による像の歪みが低く抑えられるため、イメージングの用途に適しています。
クリーンルームおよび真空への対応
POLARIS-K4F4は、クリーンルームや真空でも使用できるように設計されています。マウントは、Carpenter AAA不動態化処理による化学洗浄を行い、表面から硫黄、鉄、汚染物質などを除去しています。不動態化処理の後は、クリーンな(汚染されていない)環境下で組み立て、2重の真空バッグに入れてクリーンルームに搬入するまでの間に汚染されないようにしています。
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Polarisマウントは、2重の真空バッグに封入して発送しています。
サファイアシートは、NASAで認証されたアウトガスの少ない手法を用いて、所定の位置に接着されています。また、アジャスタには、DuPont社製LVP高真空対応グリースKrytox(超高真空対応のアウトガスの少ないPTFEグリース)を使用しています。このような技術により、高真空への対応とアウトガスの低減を実現しています。10-5 Torrより高い真空度で使用するときは、アウトガスによる汚染を最小限に止めるために、マウントの設置前に適切なベークアウト処理を施すことを強くお勧めします。
クリーンルーム対応の梱包
真空対応のPolarisマウントは、クリーンな(汚染されていない)環境下で組み立てられた後、右の写真のように2重の真空バッグに封入されます。真空気密により袋が密着するためマウントが安定し、輸送時の衝撃等による前面プレートの移動も制限されます。また、密着することで袋とマウントの摩擦も最小限に抑えられるため、袋の材料が削られてクリーンなマウントを汚染することも防げます。
真空封止の工程では、水分が含まれた空気がパッケージから排出されます。そのため、乾燥剤を使用することなく、不要な表面反応を防止できます。真空バッグは、輸送および保管中の空気や埃による汚染からマウントを保護し、さらに2重であることでクリーンルームへの入室手順をシンプルで有効性の高いものにすることができます。クリーンルームの外で外側の袋を外し、汚染されていない内側の袋に入ったマウントをクリーンなコンテナに入れてクリーンルーム内に搬入できます。この間、真空バッグの利点は保持されています。クリーンルーム内では、マウントを内側の袋から取り出して、すぐにご使用いただくことができます。
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Ø101.6 mm(Ø4インチ)光学素子用低歪みマウント
左のようなPolaris®低歪みキネマティックミラーマウントは、特に温度変化や振動の影響を受けにくく、優れた性能を発揮する設計になっています。 ここではØ101.6 mm(Ø4インチ)光学素子用低歪みマウントPOLARIS-K4F4の最適性能を引き出す使用方法について説明しています。
整合材料の使用
低歪みマウントPOLARIS-K4F4の背面プレートの材料には、熱膨張係数が比較的小さなステンレススチールが用いられています。前面プレートに使用されている、エイジング処理を行った超合金アルミニウムは、ヒートシンクとして機能することで、光学素子への極端な温度変動による応力を低く抑えています。取り付けのときには、当社のØ25 mmステンレススチール製ポストなど、背面プレートと同じステンレススチール材から加工された部品の使用をお勧めします。
取付について
温度変化や振動による影響を最小限にするため、当社ではPolaris低歪みマウントをできる限るテーブルの表面に近づけて取り付けることと、マウントと設置表面の間には整合された材料から加工された部品を選ぶことをお勧めいたします。マウント本体と同じ材料から加工された部品を選ぶことで、膨張率や収縮率を整合できます。
最良のビームポインティング安定性を得るために、カスタム仕様のステンレススチール製ブレッドボード面に直接マウントを取り付けることができます。または、当社のØ25 mmステンレススチール製ポストとクランプアームPOLARIS-CA1/MやPOLARIS-SCA1/Mを使用して、標準的な穴パターンの光学テーブルまたはブレッドボードにマウントを固定することも可能です。スペースに制約がある場合には、POLARIS-SCA1/Mの方がPOLARIS-CA1/Mより短いため、接地面積が小さくなります。マウントを光学ポストに固定する際には、8.5 N-mのトルクで締め付けることを推奨します。当社のトルクドライバTD75(下記参照)がご使用いただけます。取付面の平坦度が高く、研磨されていて、異物や傷がないことをご確認ください。
マウントのアライメント
このマウントでは±2°までの調整が可能ですが、最良の性能を維持するには、前面プレートを可能な限り背面プレートに対して平行な位置に保つことをお勧めします。これにより、すべてのアジャスターネジの熱膨張が均等となり、最大限の安定性が得られるため、温度変化によりミラーは回転せずに、Z軸方向に移動します。
温度制御
こちらの低歪みマウントは、温度変動がしばしばあり、変動幅が大きいシステム用に設計されています。超合金アルミニウム製の前面プレートは、ヒートシンクとして機能し、光学素子への応力を低減します。当社の低歪みマウントは、急激な温度変化による問題に対応するよう作られましたが、超高出力レーザが含まれるシステムでのマウントの性能を最適化するために、追加でヒートパイプやヒートシールド、ヒートシンクを取り付けることをお勧めいたします。取り付けには、ステンレススチール製の背面プレートの前面にあるM4 x 0.7ネジ穴と、超合金アルミニウム製前面プレートの背面にあるM2.5 x 0.45ネジ穴(21カ所)をご使用いただけます。詳細については「設計の特長」タブをご覧ください。
接触部の研磨とクリーニング
マウントとポストの接触部、およびポストとテーブルの接触部はクリーンで、傷や欠陥が生じないように注意してください。最も効果がある方法として、テーブル面のクリーニングに研磨石を使用し、ポストの上下とマウントの底のクリーニングに研磨パッドを使用する方法をお勧めします。マウントのクリーニングには、エタノールあるいは圧縮空気を推奨します。
接触パッドの点検とお手入れ
当社の低歪みマウントPOLARIS-K4F4では、光学素子固定にKapton®†プラスチック製パッドを使用しています。パッドが焦げてないか、そしてしっかりと光学素子のクッションとなっているかどうか点検することが重要です。Kapton®†プラスチックは焼けていると、ゆがんで変色します。パッドの交換が必要な場合には、当社までご連絡ください。
推奨しない使い方
本体からアジャスタ(アジャスターノブではありません)を取り外すことは推奨していません。これによりネジ切加工部に汚れが入って、精密な調整ができなくなる可能性があります。また前面プレートを引き離すような操作は避けてください。バネが作動範囲以上に伸びてしまったり、サファイアシートにヒビが入る可能性があります。マウントのクリーニングにアセトンを使用すると、高真空グリースの性質が変わる場合がありますので、使用しないでください。
アジャスタの止めナット
2アジャスタ型マウントPOLARIS-K4F4については止めナットが取り付け済みです。ビームのターゲット位置はアジャスターネジで保持しますが、マウントの位置は止めナットを締め付けることで固定します。多くのセットアップでは、この止めナットは手で締め付けられます。長期安定のためには、2.3 N-mのトルクで締め付けることをお勧めいたします。止めナットには、ほかのPolarisマウント同様、あらかじめ高真空対応のアウトガスの少ないPTFEグリースが塗布されており、アジャスタとの適合性が試験されています。
†Kapton®はDuPont™ Electronics社の登録商標です。
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当社では、側面固定型、SMネジ付き、低歪み、 ピエゾアジャスタ付き、上部アジャスタ付き、接着固定式などのキネマティック光学マウントのほかに、固定式モノリシックミラーマウント、固定式光学マウント、XY移動マウント、5軸キネマティックマウント、キネマティックプラットフォームマウントなど、様々なPolarisマウントをご用意しております。下の表では、当社のすべてのPolarisマウントのラインナップを、マウントのタイプ、光学素子取付け穴のサイズ、光学素子の保持方法、アジャスタの種類(固定式マウントの場合は用途)などで分類して表記しています。また、右下の表に示すように、Polarisマウント用に設計されたアクセサリもご用意しています。下の表では、簡潔に表記するために冒頭の「POLARIS」を省略し、型番末尾のみを掲載しています。下の写真をクリックすると拡大できます。
Polaris Mount Adjuster Types | |||||
---|---|---|---|---|---|
Side Hole | Hex | Adjuster Knobs | Adjuster Lock Nuts | Piezo Adjusters | Vertical-Drive Adjusters |
Polaris Kinematic Mounts for Round Optics | ||||
---|---|---|---|---|
Optic Retention Method | Side Lock | SM Threaded | Low Distortion | Glue-In |
Ø1/2" Optics | ||||
2 Side Hole Adjusters | - | - | - | -K05C4 -K05G4 |
2 Hex Adjusters | -K05S1 | -K05T1 | -K05F1 | - |
2 Adjusters with Lock Nuts | -K05S2 | -K05T2 | -K05F2 | - |
2 Piezoelectric Adjusters | -K05P2 | - | - | - |
2 Vertical Adjusters | -K05VS2 -K05VS2L | - | - | - |
3 Hex Adjusters | -K05 | - | - | - |
3 Adjusters with Lock Nuts | - | -K05T6 | -K05F6 | - |
3 Adjuster Knobs (Tip/Tilt/Z) & 2 Hex Adjusters (X/Y) | - | -K05XY | - | - |
Ø19 mm (3/4") Optics | ||||
2 Side Hole Adjusters | -K19S4 | - | -K19F4/M | -K19G4 |
Ø25 mm Optics | ||||
2 Side Hole Adjusters | -K25S4/M | - | -K25F4/M | - |
Ø1" Optics | ||||
2 Side Hole Adjusters | -K1S4 | - | - | -K1C4 -K1G4 |
2 Hex Adjusters | -K1E2 -K1-2AH | -K1T2 | -K1F2 | - |
2 Adjuster Knobs | - | -K1T1 | -K1F1 | - |
2 Piezoelectric Adjusters | -K1S2P | - | - | - |
2 Vertical Adjusters | -K1VS2 -K1VS2L | - | - | - |
3 Side Hole Adjuster | -K1S5 | - | - | - |
3 Hex Adjusters | -K1E3 -K1-H | -K1T3 | - | - |
3 Adjuster Knobs | -K1E -K1 | -K1T | -K1F | - |
3 Piezoelectric Adjusters | -K1S3P | - | - | - |
3 Adjuster Knobs (Tip/Tilt/Z) & 2 Hex Adjusters (X/Y) | - | -K1XY | - | - |
Optic Retention Method | Side Lock | SM Threaded | Low Distortion | Glue-In |
Ø1.5" Optics | ||||
2 Side Hole Adjusters | -K15S4 | - | -K15F4 | - |
2 Vertical Adjusters | -K15VS2 -K15VS2L | - | - | - |
3 Adjuster Knobs (Tip/Tilt/Z) & 2 Hex Adjusters (X/Y) | - | -K15XY | - | - |
Ø50 mm Optics | ||||
2 Side Hole Adjusters | -K50S4/M | - | -K50F4/M | - |
Ø2" Optics | ||||
2 Hex Adjusters | -K2S2 | -K2T2 | -K2F2 | - |
2 Adjuster Knobs | -K2S1 | -K2T1 | -K2F1 | - |
2 Piezoelectric Adjusters | -K2S2P | - | - | - |
2 Vertical Adjusters | -K2VS2 -K2VS2L | - | - | - |
3 Hex Adjusters | -K2S3 | -K2T3 | -K2F3 | - |
3 Adjuster Knobs | -K2 | -K2T | -K2F | - |
Ø3" Optics | ||||
2 Side Hole Adjusters | -K3S4 | - | - | - |
3 Side Hole Adjusters | -K3S5 | - | - | - |
Ø4" Optics | ||||
2 Side Hole Adjusters | - | - | -K4F4 | - |
Ø6" Optics | ||||
2 Side Hole Adjusters | - | - | -K6F4 | - |
Polaris XY Translation Mounts for Round Optics | ||
---|---|---|
Optic Retention Method | SM Threaded | Representative Photos |
Ø1/2" Optics | ||
2 Hex Adjusters (X/Y) | -05XY | |
3 Adjuster Knobs (Tip/Tilt/Z) & 2 Hex Adjusters (X/Y) | -K05XY | |
Ø1" Optics | ||
2 Hex Adjusters (X/Y) | -1XY | |
3 Adjuster Knobs (Tip/Tilt/Z) & 2 Hex Adjusters (X/Y) | -K1XY | |
Ø1.5" Optics | ||
2 Hex Adjusters (X/Y) & 3 Adjuster Knobs (Tip/Tilt/Z) | -K15XY |
Polaris Fixed Mounts for Round Optics | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
Optic Retention Method | Side Lock | Low Distortion | Glue-In | Representative Photos | ||
Ø1/2" Optics | | |||||
Optimized for Mirrors | - | -B05F | -C05G | |||
Optimized for Beamsplitters | -B05S | - | -B05G | |||
Optimized for Lenses | - | - | -L05G | |||
Ø19 mm (Ø3/4") Optics | ||||||
Optimized for Mirrors | -19S50/M | - | - | |||
Ø1" Optics | ||||||
Optimized for Mirrors | - | -B1F | -C1G | |||
Optimized for Beamsplitters | -B1S | - | -B1G | |||
Optimized for Lenses | - | - | -L1G | |||
Ø2" Optics | ||||||
Optimized for Mirrors | - | -B2F | -C2G | |||
Optimized for Beamsplitters | -B2S | - | - |
Polaris Kinematic 1.8" x 1.8" Platform Mount | ||
---|---|---|
Optomech Retention Method | Tapped Holes & Counterbores | |
2 Adjuster Knobs | -K1M4(/M) |
Accessories for Polaris Mounts | |
---|---|
Description | Representative Photos |
Ø1/2" Posts for Polaris Mounts | |
Ø1" Posts for Polaris Mounts | |
Non-Bridging Clamping Arms | |
45° Mounting Adapter |
- 2アジャスタ型低歪みキネマティックミラーマウント
- 超合金アルミニウム製の前面プレートが、バネ上質量を減少
- ステンレススチール製の背面プレートが長期の安定性と高い剛性を実現
- ヒートパイプやその他のカスタム品用の取付け具も付属(「設計の特長」タブをご覧ください)。
- バネ付きの光学セルが、-30~200 °Cの温度下における光学歪みを最小限に抑制
こちらのØ101.6 mm(Ø4インチ)光学素子用Polaris低歪みミラーマウントは、光学素子の歪みを最小限に抑え、長期安定性を保つ設計となっています。このマウントでは光学素子を取り付けるために3点接触プレートが採用されています。光学素子は3つの光学素子保持用バネと2つの側面で接触するピストンによって固定されています。詳細については「光学素子の取付方法」および「低歪み」のタブをご覧ください。
マウントの前面プレートは超合金アルミニウム製で、バネ上質量を減少するほか、超高出力レーザを使用するときに光学素子のヒートシンクとして機能します。バネ上質量の減少により、ビームポインティング安定性が向上し、動作環境による衝撃や振動を最小に抑えます。また、背面プレートは熱処理済みのステンレススチール製で、整合されたアクチュエータと本体のペアを使用していることにより長期に安定します。
低歪みマウントPOLARIS-K4F4では、光学素子の配置に2つの六角アジャスタを使用します。5 mm六角アジャスターネジは、当社の六角レンチHKM50NMのほか、あらゆる5 mm六角レンチまたはボールドライバに対応します。最大角度範囲は±2°です。各アジャスタには、Ø2.4 mmの穴も付いていて、側面からの操作も可能です。アジャスタはすべて研磨済みのサファイアシートに取り付けられていますが、金属シートに比べて接触面の強度が長期的に維持されます。
マウントをセットアップに固定するときは、背面プレートと取付面の間には熱整合された材料を使用することをお勧めいたします。例えば、POLARIS-K4F4をブレッドボードに固定するときには、3本のØ25 mmポストPLS-P246/MとクランプアームPOLARIS-CA1/Mをご使用いただけます。マウント底部の中央と両端にある3つのM6ザグリ穴を利用すると、M6キャップスクリュを用いて光学ポストに直接取り付けることができます。カスタム構成をされる場合には、各ザグリ穴の外側にあるアライメントピン用のØ5 mmの穴を利用して、取り付けの位置と角度を精密に設定できます。標準的な5mm-M6(ISO 2338)アライメントピンのご使用をお勧めいたします。詳細については下の赤いアイコン()をクリックしてPDFファイルの図面をご覧ください。
光学素子をマウントに取り付けるときや、Polarisミラーマウントをブレッドボードやポストに取り付けるときに正確なトルク量で締め付けることで、最適な性能を得ることができます(詳細は「使用情報」タブをご覧ください。これにはトルクドライバTD75と対応する六角ドライバービットキット(どちらも下記参照)がお使いいただえけます。
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トルクドライバTD24の目盛盤。黒い指針は現在のトルク値を示し、銀色の記録指針は必要なトルク値を示すのにご使用いただけます。TD75の目盛盤も同様です。
トルクドライバTD75には、精密金属目盛盤が付いており、ハンドルの端に6.35 mm角のドライブソケットがあります。トルク値は0~8.5 N•m (0~75 lb-in)です。20%からフルスケールまでの読み取り精度は2%となっています。このトルクレンチは、ハンドルの握り位置に関わらず、正確なトルクで回すことが可能な設計となっています。
ドライバの目盛盤には、2つの目盛(oz-inおよびlb-in)があります。外側リングの白い数字が主目盛で、内側リングの黒い数字が副目盛です。詳細は、右図をご参照ください。また、目盛盤には2つの指針があります。 黒い指針は取付具にかかっているトルクを示します。 銀色の記録指針はハンドルから圧力が下がっても、そのまま動かずに到達したトルクのピーク値を示します。
トルクドライバTD75には下の2つの六角ドライバーキットがご使用いただけます。BDSH-KIT/Mには、超安定型低歪みØ101.6 mm(Ø4インチ)ミラーマウントPOLARIS-K4F4に光学素子を取り付けるのに必要なビットがすべて含まれています。取り付けについては上の「光学素子の取付方法」と「使用情報」のタブをご覧ください。各ドライバービットには六角サイズが刻印されています。下の表では各キットに含まれる六角ビットのリストがご覧いただけます。トルクドライバやドライバのアクセサリについては、トルクドライバの製品ページで詳細がご覧いただけます。
Hex Driver Bit Kit Item # | Included Hex Sizes |
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BDSH-KIT | 0.050", 1/16", 5/64", 3/32", 7/64", 1/8", 9/64", 5/32", and 3/16" |
BDSH-KIT/M | 1.5 mm, 2.0 mm, 2.5 mm, 3.0 mm, 4.0 mm, and 5.0 mm |