ポリマーゼロオーダー1/2波長板
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- True Zero-Order Half-Wave Plates
- Offered at Discrete Wavelengths Between 405 nm and 2700 nm
- Lower AOI Dependence than Quartz Wave Plates
- Available in 1/2", 1", and 2" Diameters
WPH10E-532
Ø1" Half-Wave Plate
for 532 nm
Edge
Marking
Indicates
Fast Axis
WPH10ME-2700
Mounted Ø1" Half-Wave Plate for 2700 nm
WPH05ME-405
Mounted Ø1/2" Half-Wave Plate for 405 nm
WPH20ME-1064
Mounted Ø2" Half-Wave Plate for 1064 nm
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マウント付きのØ12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)およびØ50.8 mm(2インチ)波長板のマウント側面にはファスト軸が刻印されています。SM内ネジとSM外ネジが付いているため、当社のSMネジ付きコンポーネントと簡単に接続できます。
特長
- 真のゼロオーダ1/2波長板、波長範囲405 nm~2700 nmの波長ごとに個別に設計
- Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)波長板:マウント付き
- Ø25.4 mm(Ø1インチ)波長板:マウント無し、マウント付き
- Ø50.8 mm(Ø2インチ)波長板:マウント付き*
- 入射角20°まで優れたリターダンス特性を維持(下のグラフ参照)
- リターダンスの正確さ: < λ/100
- リターダンスの均一性
- 設計波長405~1650 nm: 5 nm (RMS)以下
- 設計波長1940~2700 nm: 8.5 nm (RMS)以下
- 透過率≥89%の広帯域ARコーティング: 350~700 nm、650~1050 nm、1050~1700 nm、1940~2700 nm
- ポリマーゼロオーダ1/4波長板もご用意
- カスタム仕様の波長板もご提供可能(「カスタム製造」タブ参照)
*ご用意している設計波長範囲405 nm~1650 nm
当社のポリマー1/2波長板は、2枚のN-BK7またはSuprasil-300のガラスウィンドウと、その間にラミネートされた液晶ポリマー(LCP)で構成されています。マウント無しのØ25.4 mm(Ø1インチ)波長板には、アライメントを容易にするために、エッジ部分にファスト軸を示すマークが付いています。当社ではØ12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)、Ø50.8 mm(Ø2インチ)のマウント付き波長板もご用意しています。それぞれのマウントにはSM05ネジ、SM1ネジ、SM2ネジが付いており、また型番とファスト軸の方向が刻印されています。マウント付き波長板では、波長板がマウントに接着されているため、取り外そうとすると波長板を損傷する場合があります。 ガラス-空気の界面には広帯域ARコーティングが施されており、その対応する波長域は350~700 nm、650~1050 nm、1050~1700 nm、または1650~3000 nmです。
液晶ポリマー(LCP)波長板は真のゼロオーダ波長板となるよう設計されており、広い入射角(AOI)範囲で安定したリターダンスが得られます。この波長板は、入射角が変化してもその影響を受けにくいことを求められる用途に適しています。ポリマー波長板では、入射角が20°まで変化しても、リターダンスの減少は5%にとどまります。それに比べて標準的な結晶石英製の波長板では、同じ5%以下にとどまる入射角は2°以下です(下のグラフをご覧ください)。また、十分に確立されたスピンコート法を用いた製造工程により、低損失かつ低波面歪(< λ/4 @633 nm)の大きな有効径の全面にわたり、均一なリターダンスが得られます。
ポリマー波長板は、上図のように当社の回転マウントに取り付けることができます。また、組み込み用途(OEM用途)やカスタム仕様のポリマー波長板もご要望に応じてご提供可能です。波長、リターダンス、コーティング、可変式筐体、直径など、多様な光学設計にも対応し、カスタマイズできます。詳細は「カスタム製造」タブをご覧になるか当社までお問い合わせください。
ポリマー1/4波長板は、真のゼロオーダのリターダンス特性を有し、直線偏光と円偏光の間の変換をします。また、より高い表面品質やより正確なリターダンス、あるいはより小さなビーム偏差やより高い損傷閾値を必要とする用途用として、当社ではマウントに取り付けられた結晶石英製のゼロオーダ1/4波長板やゼロオーダ1/2波長板もご用意しております。
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上のグラフでは、結晶石英1/2波長板WPH10M-633と液晶ポリマー1/2波長板WPH10E-633の、入射角に対するリターダンスの変化を比較しています。真のゼロオーダ波長板である液晶ポリマー1/2波長板WPH10E-633は、複合ゼロオーダ石英1/2波長板WPH10M-633に比べて、より広い入射角範囲でより安定したリターダンスが得られます。
Wave Plate Selection Guide | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Achromatic | Superachromatic | Quartz Zero-Order Half-Wave | Quartz Zero-Order Quarter-Wave | Polymer Zero-Order Half-Wave | Polymer Zero-Order Quarter-Wave | Low-Order | Multi-Order | Dual Wavelength | Telecom | Polarization Optics |
Common Specificationsa | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
Wave Plate Diameter | 0.50" (12.7 mm) | 1.00" (25.4 mm) | 2.00" (50.8 mm) | |||
Clear Aperture | Ø0.38" (Ø9.8 mm) | Ø0.90" (Ø22.8 mm)b | Ø1.90" (Ø48.3 mm) | |||
Wave Plate Thicknessc | 2.0 mm (0.08") | 3.2 mm (0.13") | 6.4 mm (0.25") | |||
Design Wavelength | 405 - 1640 nm | 1940 - 2700 nm | 405 - 1640 nm | 1940 - 2700 nm | 405 - 1640 nm | |
Average Reflectanced (Per Coated Surface) | < 0.5% | < 1.0% | < 0.5% | < 1.0% | < 0.5% | |
Retardance | λ/2 @ Design Wavelength | |||||
Retardance Accuracye | < λ/100 @ Design Wavelength | |||||
Retardance Uniformity (RMS)e | < 5 nm | < 8.5 nm | < 5 nm | < 8.5 nm | < 5 nm | |
Material | Liquid Crystal Polymer Between N-BK7 Glass Plates | Liquid Crystal Polymer Between Suprasil-300 Glass Plates | Liquid Crystal Polymer Between N-BK7 Glass Plates | Liquid Crystal Polymer Between Suprasil-300 Glass Plates | Liquid Crystal Polymer Between N-BK7 Glass Plates | |
Transmitted Wavefront Error | < λ/4 @ 633 nm | |||||
Surface Quality | 60-40 Scratch-Dig | |||||
Temperature Stabilityf | < (λ/5000)/°C @ Design Wavelength | |||||
Operating Temperature Range | -20 to 60 °C | |||||
Beam Deviation (Unmounted) | < 5 arcmin | |||||
Beam Deviation (Mounted) | < 20 arcmin |
ポリマー製ゼロオーダー波長板の性能例
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Ø25.4 mm(Ø1インチ)1/2波長板の有効径内におけるリターダンスの均一性(典型例)。このデータは波長板WPH10E-532を使用して取得しました。この図の示すリターダンスの均一性は1.38 nm (RMS)です。
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液晶ポリマー(LCP)ゼロオーダ1/2波長板 WPH10E-633のリターダンスの温度依存性を、仕様に定められた動作温度範囲の一部について測定しました。
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LCPゼロオーダ1/2波長板の波長分散特性の1例。緑色の線は波長板WPH10E-633の設計波長です。理論曲線は、633 nm用の分散のないゼロオーダ1/2波長板についての計算値です。
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350~700 nmで平均反射率< 0.5%となるように設計された、当社の標準的なAコーティングの反射率曲線の例
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650~1050 nmで平均反射率< 0.5%となるように設計された、当社の標準的なBコーティングの反射率曲線の例
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1050~1700 nmで平均反射率< 0.5%となるように設計された、当社の標準的なCコーティングの反射率曲線の例
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1650~3000 nmで平均反射率< 1.0%となるように設計された、当社の標準的なDコーティングの反射率曲線の例
透過率のグラフの例
下のグラフは、5種類のLCP波長板の透過率(測定値)です。透過率の差は、AR コーティングの違いのほか、波長板の LCP 遅延材料内でポリマーを整列させるために使用される材料の違いによっても生じます。グラフの青い網掛け領域はコーティングの仕様範囲を示しています。
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波長板WPH10E-405の透過率。青い網掛け領域は、ARコーティングによる平均反射率<0.5%の波長範囲を表しています。データはこちらからダウンロードいただけます。
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波長板WPH10E-514の透過率。この曲線は、当社の1/2波長板 -488、-514、-532、-546、-633、-670の典型的な特性です。青い網掛け領域は、ARコーティングによる平均反射率<0.5%の波長範囲を表しています。データはこちらからダウンロードいただけます。
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波長板WPH10E-1053の透過率。この曲線は、当社の1/2波長板-780、-808、-830、-980、-1053の典型的な特性です。青い網掛け領域は、ARコーティングによる平均反射率<0.5%の波長範囲を表しています。データはこちらからダウンロードいただけます。
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波長板 WPH20ME-1064の透過率。この曲線は、当社の1/2波長板 -1064、-1310、-1550、-1625、-1650の典型的な特性です。青い網掛け領域は、ARコーティングによる平均反射率<0.5%の波長範囲を表しています。データは こちらからダウンロードいただけます。
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波長板WPH20ME-2700 の透過率。この曲線は、当社の1/2波長板 -1940、-2000、-2500、-2700の典型的な特性です。青い網掛け領域は、ARコーティングによる平均反射率<1.0%の波長範囲を表しています。データはこちらからダウンロードいただけます。
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図1:ポリマ波長板の製造ならびにテスト。
当社では、動作波長範囲405 nm~2700 nm、直径12.7 mm(1/2インチ)、25.4 mm(1インチ)または50.8 mm(2インチ)、マウント付きまたはマウント無しの豊富な種類のポリマ波長板を標準品としてご用意しております。 また、OEM製品やカスタム仕様のポリマ波長板もご要望に応じてご提供可能です。 波長、リターダンス、コーティング、可変式筐体、直径など、多様な光学設計にも対応し、カスタマイズできます。
カスタム製品の場合、お客様から詳細を伺い、仕様や特性を設計します。 当社では、設計と実現性の両方を解析することで、カスタム製品を高い水準の品質を保ちながらタイムリーに製造できるようにしております。 カスタムのポリマ波長板のご注文方法の詳細は当社までお問い合わせください。
フォトアライメント材料のスピンコーティングとアライメント
ポリマーゼロオーダ波長板には、ネマティック液晶と類似した液晶ポリマが使用されていますが、このポリマ分子は規則的に配列している必要があります。 それを実現するため、基板にフォトアライメント材料を塗布して配向膜を形成し、偏光したレーザ光を照射します。 スピンコートにより20~30nm程度の厚さでフォトアライメント材料をガラス基板に塗布(図2参照)し、直線偏光を照射すると、膜内の分子は偏光方向に整列します。 分子の方向は、カスタマイズのご希望に応じてどのような方向にすることもできます。 また、カスタム仕様のパターン波長板やリターダのご提供も可能です(詳細は「パターンリターダ」タブ内をご覧ください)。
リターダンスのカスタマイズ
ポリマ波長板のリターダンスは、液晶ポリマの層の厚さによって決まります。 この層はスピンコート技術を用いてアライメント材料の表面に塗布され、層の厚さは精密に制御されます。 当社の標準品のポリマ波長板は、ほとんどの一般的な波長に対応していますが、400~2700 nmのカスタム仕様の波長も特注で承っております。
カスタムサイズおよび取付けオプション
当社では、SM05マウント付きのØ12.7 mm(Ø1/2インチ)波長板、マウント無しのØ25.4 mm(1インチ)波長板、SM1マウント付きのØ25.4 mm(1インチ)波長板、およびSM2マウント付きのØ50.8 mm(2インチ)波長板を標準品としてご用意しております。波長板のカスタムサイズとしては、Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)~Ø50.8 mm(Ø2インチ)の範囲からお選びいただくことができ、またマウント付き・マウント無しの選択も可能です。
特性試験
ポリマ波長板は、複屈折性、均一性ならびにファスト軸の角度について試験されます。 イメージング偏光計を用いて波長板表面の2次元の複屈折分布を測定します。 図3および図4は、ポリマ波長板の試験装置です。
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図2:スピンコート装置に取り付けられ、フォトアライメント材料が塗布される準備のできたガラス基板。
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図3:ポリマ波長板のリターダンスを測定するための試験装置
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図4:ポリマ波長板のリターダンスとアライメントの均一性をチェックするための試験装置
Custom Capability | Custom Specification |
---|---|
Patterned Retarder Size | Ø100 µm to Ø2" |
Patterned Retarder Shape | Any |
Microretarder Size | ≥ Ø30 µm |
Microretarder Shape | Round or Square |
Retardance Range @ 632.8 nm | 50 to 550 nm |
Substrate | N-BK7, UV Fused Silica, or Other Glass |
Substrate Size | Ø5 mm to Ø2" |
AR Coating | -A: 350 - 700 nm -B: 650 - 1050 nm -C: 1050 - 1700 nm |
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図1: ランダム分布のパターンリターダ
特長
- カスタム仕様のマイクロリターダを構築
- サイズ、形状、ならびに基板材料のカスタマイズが可能
- リターダンス範囲: 50~550 nm
- ファスト軸分解能: <1°
- リターダンス変動:30 nm未満
用途
- 3次元ディスプレイ
- 偏光イメージング
- 回折用途:偏光回折格子、偏光分析法、ビームステアリング
当社ではパターンサイズØ100 µm~Ø50.8 mm(Ø2インチ)、基板サイズØ5 mm~ Ø50.8 mm(Ø2インチ)でカスタム仕様のパターンリターダをご提供可能です。 カスタム仕様のリターダは、隣り合うファスト軸がそれぞれ異なる角度を持つマイクロリターダのアレイによって構成されます。 マイクロリターダのサイズ(最小は30 µm)や形状(円、正方形、多角形など)もカスタマイズ可能です。 当社では、1つ1つのマイクロリターダのサイズや形状をコントロールできるため、ほとんどの実験・デバイスニーズに合った様々なパターンリターダを構築することができます。
パターンリターダは、液晶ならびに液晶ポリマから作られます。 フォトアライメントの技術を用い、各マイクロリターダのファスト軸を<1°の分解能でどの角度にも設定可能です。 図1~3では当社のパターンリターダの例をご紹介しています。 図はイメージング偏光計で得られたパターンリターダの測定結果を表しており、個々のマイクロリターダのファスト軸方向が隣り合っていても別々に制御可能であることを示しています。
当社のパターンリターダの製造工程はすべて社内で行われています。 工程は、基板を準備することから始まります。典型的な基板はN-BK7またはUV溶融石英(UVFS)です(ほかのガラス基板でも対応可能なものがあります)。 基板をフォトアライメント材料の層でコーティングし、当社のパターンリターダーシステムに設置後、ファスト軸を設定するために直線偏光で露光します。 露光箇所は、ご希望のマイクロリターダのサイズによって決まります。ファスト軸は<1°分解能で0°~180°の角度に設定可能です。 設定後、液晶ポリマでデバイスをコーティングすることによって液晶セルを構築し、UV光で硬化します。
当社の LCPデポラライザ はこのパターンリターダの1例です。原則的に真にランダム化されたパターンは入射偏光を空間的にスクランブルするのでデポラライザとして使用可能です。しかし、このようなパターン素子は回折が大きくなります。当社のデポラライザは、ファスト軸の角度が線形的に増加しており、回折を大きくすることなく、0.5 mm径以上のサイズの広帯域ならびに単色ビームの両方をデポラライズする設計がなされています。詳細については当社の LCPデポラライザの製品ページをご覧ください。
ご希望のパターンリターダの図、またはファスト軸分布のエクセルファイルをご提供いただければ、ほとんどのパターンリターダが構築可能です。パターンリターダの作製については当社までお問い合わせください。
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図2: スパイラル分布のパターンリターダ
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図3: 複雑な分布のパターンリターダ
Damage Threshold Specifications | ||
---|---|---|
Item # Suffix | Laser Type | Damage Threshold |
-405 | CW | 5 W/cm (532 nm, CW, Ø0.0107 mm)a |
Pulsed (ns) | 0.15 J/cm2 (532 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.597 mm) | |
Pulsed (fs) | 0.023 J/cm2 (532 nm, 100 Hz, 76 fs, Ø162 µm) | |
-670 | CW | 5 W/cm (810 nm, CW, Ø0.004 mm)a |
Pulsed (ns) | 1.8 J/cm2 (532 nm, 8 ns, 10 Hz, Ø0.200 mm) | |
Pulsed (fs) | 0.041 J/cm2 (532 nm, 100 Hz, 76 fs, Ø162 µm) | |
-780 to 1030 | CW | 5 W/cm (810 nm, CW, Ø0.004 mm)a |
Pulsed (ns) | 8 J/cm2 (810 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.08 mm) | |
Pulsed (fs) | 0.041 J/cm2 (800 nm, 100 Hz, 36.4 fs, Ø189 µm) | |
-1053 to 1650 | CW | 5 W/cm (810 nm, CW, Ø0.004 mm)a |
Pulsed (ns) | 10 J/cm2 (1550 nm, 7.8 ns, 10 Hz, Ø0.191 mm) | |
Pulsed (fs) | 0.11 J/cm2 (1550 nm, 100 Hz, 70 fs, Ø145 µm) |
当社の液晶ポリマ(LCP)波長板の損傷閾値データ
右の仕様は当社のLCP波長板の測定値です。損傷閾値の仕様は、光学素子のサイズにかかわらず設計波長が同じすべての波長板で同じです。
レーザによる損傷閾値について
このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。
テスト方法
当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。
初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。

上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。

Example Test Data | |||
---|---|---|---|
Fluence | # of Tested Locations | Locations with Damage | Locations Without Damage |
1.50 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
1.75 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.00 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.25 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
3.00 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
5.00 J/cm2 | 10 | 9 | 1 |
試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。
CWレーザと長パルスレーザ
光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。
パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。
線形パワー密度におけるLIDTに対するパルス長とスポットサイズ。長パルス~CWでは線形パワー密度はスポットサイズにかかわらず一定です。 このグラフの出典は[1]です。

繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。
ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。
- レーザの波長
- ビーム径(1/e2)
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
- レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。
ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。
次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。
この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。
パルスレーザ
先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。
パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。
Pulse Duration | t < 10-9 s | 10-9 < t < 10-7 s | 10-7 < t < 10-4 s | t > 10-4 s |
---|---|---|---|---|
Damage Mechanism | Avalanche Ionization | Dielectric Breakdown | Dielectric Breakdown or Thermal | Thermal |
Relevant Damage Specification | No Comparison (See Above) | Pulsed | Pulsed and CW | CW |
お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。
エネルギ密度におけるLIDTに対するパルス長&スポットサイズ。短パルスでは、エネルギ密度はスポットサイズにかかわらず一定です。このグラフの出典は[1]です。
- レーザの波長
- ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
- レーザのパルス幅
- パルスの繰返周波数(prf)
- 実際に使用するビーム径(1/e2 )
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。
次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。
波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。
ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。
次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。
お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。
[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1998).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).
レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。

ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。
CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。
しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(右のグラフ参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。
アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。
LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。
ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。
上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。
このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:
この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。
ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。
スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。
マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。
この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。
Posted Comments: | |
ILKYU PARK
 (posted 2024-07-31 16:45:16.947) Dear Sir/Madam,
I have confirmed that the retardance corresponding to the 560 nm wavelength in the retardance raw data of the WPH10E-780 is 0.6997 waves. I would like to use this product for a laser with a 560 nm wavelength. How reliable is the retardance of 0.6997 waves at 560 nm? We have experimentally checked the WPH10E-780 we have, and found that the retardance at 560 nm was 0.7340 waves. cdolbashian
 (posted 2024-08-14 12:50:23.0) Thanks for contacting Thorlabs! The retardance raw data for polymer waveplates is theoretical, slight variations in performance data will occur from lot to lot. The design wavelength of WPH10E-780 is 780nm. We only guarantee the retardance of the waveplate at the design wavelength. If you are interested in customizing retardance at a specific wavelength, please contact techsupport@thorlabs.com. Yongqi Shi
 (posted 2021-01-26 06:36:24.97) Dear Sir/Madam, I'm interested in the retardance accuracy of WPH10ME-780 at 780.24nm. From the raw data xls file, it is exact 0.5000. Is it so good like this value? Why in the general spec it's specified as just lambda/100? YLohia
 (posted 2021-02-08 10:13:10.0) Thank you for contacting Thorlabs. The retardance plot for the WPH10E-780 is theoretical with liquid crystal polymer dispersion taken into account. So we can expect the retardance of WPH10ME-780 at 780nm to be 0.5000 ± 0.01 wave, the tolerance coming from the Retardance Accuracy spec. s.o.m.hinterding
 (posted 2018-06-06 14:41:00.697) Dear sir/madam,
In order to convert our laser beam from linearly polarized into circularly polarized, we are looking to use WPH05ME-514. We would have to mount this in a rotational mount for correct alignment to the laser beam polarization axis.
For this mount we would like to use RSP1D/M (cont. rotation mount for 1 inch optics w/adjustable zero), since this mount would also be useful for other setups, if we later want to do other experiments.
However, WPH05ME-514 will not fit in this 1 inch mount. An option would be to buy the unmounted 1 inch version of this wave plate, but I prefer to buy a mounted version (I am afraid to damage/stress the wave plate when placing inside the mount). In any case, a mounted (1 or 0.5 inch) version will not fit inside the RSP1D/M, since this mount is made for 1 inch optics.
Is there some sort of adapter that allows mounting of the WPH05ME-514 wave plate inside the RSP1D/M mount? YLohia
 (posted 2018-06-14 09:21:41.0) Hello, thank you for contacting Thorlabs. One thing to note is that the part you have currently picked out (WPH05ME-514) is a half-wave plate. In order to circularize a linearly polarized beam, you need to use a quarter-wave plate such as the WPQ05ME-514. That being said, you will need to use the SM1A6 adapter to mate this wave plate to the RSP1D/M. mikkel.brydegaard
 (posted 2018-01-26 09:34:47.897) Hej,
Two things:
1)
Why can we have WPH05ME-808 unmounted? IT does not fit inside the SRM05...
2)
We use a lot of ½wave plates, always in combination with a polarizing cube beam splitter. I guess other people also use it with pol BS and/or interrogators. So, for the other BS branch, we need a compensation slab of glass to make the optical paths equivalent. So the waveplates should have a matching compensation slab: a coated glass window with the same thickness and refractive index as the waveplates...
I can send you a CAD if you want to see what we are doing... tfrisch
 (posted 2018-01-26 01:16:55.0) Hello, thank you for contacting Thorlabs. We can offer the unmounted version of WPH05ME-808. I will reach out to you with a quote. As for the compensating plate, we can make windows for this purpose, though our Optics Team will need to see the drawing in order to provide pricing and lead time. I will also reach out to you about the CAD drawing and the specific requirements. danielve.tau
 (posted 2014-11-17 14:24:36.333) Dear Sirs,
I wanted to know if you could provide retardance curves for the 633, 546 and 532 nm for wavelengths ranging from 400-700 nm or more. Thanks. myanakas
 (posted 2014-12-02 09:15:15.0) Response from Mike at Thorlabs: Thank you for your feedback. I have emailed this retardance data to you directly. We will update the website to have this data as well. user
 (posted 2014-01-15 11:33:57.22) any updates on damage threshold?
without it the description is useless
thanks besembeson
 (posted 2014-03-06 04:03:47.0) Response from Jeremy at Thorlabs: We are still waiting on the test results for these. We will update the web once this is available.
UPDATE: We now have the damage thresholds on our website: http://www.thorlabs.de/newgrouppage9.cfm?objectgroup_id=7054 blanc
 (posted 2013-11-27 18:01:57.147) Hello,
I would like to know what is the damage threshold for those polymer waveplates.
thanks in advance
Best jlow
 (posted 2013-12-06 04:08:53.0) Response from Jeremy at Thorlabs: We are testing these polymer wave plates for their damage threshold. We will update the web once we have this information available. |
波長板の選択
当社では、位相差が1/4または1/2波長のアクロマティック波長板、スーパーアクロマティック波長板、ゼロオーダ波長板(マウント無しまたはマウント付き)、低オーダ波長板、マルチオーダ波長板(単波長対応またはデュアル波長対応)をご用意しています。
アクロマティック波長板は、広いスペクトル範囲にわたって比較的一定の位相リターダンスを与えるのに対し、スーパーアクロマティック波長板は、これよりも広いスペクトル範囲にわたってほぼ一定のリターダンスを与えます。これに対して、ゼロオーダおよびマルチオーダ波長板は、波長に強く依存した位相差が生じます。当社のアクロマティック波長板は260~410 nm、350~850 nm、400~800 nm、690~1200 nm、1100~2000 nmの5種類の動作範囲からお選びいただけます。また、スーパーアクロマティック波長板の動作範囲は310~1100 nm、または600~2700 nmからお選びいただけます。
Round Zero-Order Wave Plate Comparison | ||
---|---|---|
Material | Quartz | LCP |
Sizes | Ø1/2" and Ø1" | Ø1/2", Ø1", and Ø2" |
Mounted Versions Available | Yes | Yes |
Retardances Available | 1/4 λ and 1/2 λ | 1/4 λ and 1/2 λ |
Retardance Accuracy | < λ/300 | < λ/100 |
Surface Quality | 20-10 Scratch-Dig | 60-40 Scratch-Dig |
Coating | V Coat | Broadband AR |
Coating Reflectance (per Surface) | 0.25% | < 1.0% Average Over Specified Coating Range |
ゼロオーダ波長板は、位相差が正確に1/4波長または1/2波長になるように設計されています。マルチオーダ波長板に比べると、温度や波長への依存性は小さいです。1/2波長板、1/4波長板ともに1枚の波長板のファスト軸がもう1枚のスロー軸に合うように2枚重ねることによって、ゼロオーダの性能を実現しています。当社では266 nm~2020 nmの間の波長でゼロオーダ波長板を取り揃えています。ポリマーゼロオーダ1/2波長板および1/4波長板は、リターダンス効果のある液晶ポリマ(LCP)の薄層を2枚のガラスプレートに挟んでできており、405~2700 nmの間の波長でご用意しています。石英波長板はリターダンス確度が高く反射率が低いのに対し(表参照)、LCP波長板は大きな入射角でもリターダンスはわずかに減少するだけ、というそれぞれの特長があります。また、当社ではWDM用途向けにマウント無しのゼロオーダ通信用波長板もご用意しています。
中赤外域用波長板は、高品質のフッ化マグネシウム(MgF2)の単体から作られており、中心波長 2.5 µm、 2.713 µm、2.94 µm、3.5 µm、 4.0 µm、 4.5 µm、5.3 µmにおいて、1/4波長または1/2波長のリターダンスを有します。中赤外域用波長板を透過する光のリターダンスには、設計で定めたリターダンスに加えて1波長や半波長などの倍数(次数mで表される)のシフトが生じています。これは、シフトが発生しない真のゼロオーダ波長板や、シフトが数多く発生するマルチオーダ波長板と異なります。この低オーダ設計ではほぼゼロオーダに近い性能を維持できるため、真のゼロオーダ波長板の代替品としてご使用いただくことができます。単体のフッ化マグネシウム基板は、マルチオーダ波長板を2枚組み合わせて設計されたゼロオーダの基板よりも薄いため、この低オーダーリターダは分散しやすい用途に適しています。
マルチオーダ波長板は、光路のリターダンスが整数倍(次数またはm)の波長シフトを受けるように設計されています。ゼロオーダ波長板に比べて、マルチオーダのリターダンスは波長や温度変化に敏感です。しかし、マルチオーダ波長板は低価格なのでこのような敏感さが問題とならない用途で多く使われています。当社では、405~1550 nmの間の波長でマルチオーダ波長板を取り揃えています。また、532 nmと1064 nmで設計されたデュアル波長対応のマルチオーダ波長板もご用意しています。
これらの製品に加えて、当社ではカスタム仕様の波長板の設計や製造も可能です。組み込み用途(OEM用途)向けや小ロットのご注文も承ります。カスタム品のご要望や製造に関するご質問などございましたら、お気軽に当社までご連絡ください。
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