マルチ波長液晶可変リターダー/可変波長板
- Nematic Liquid Crystal Multi-Wave Variable Retarders
- Available with >6λ Max Retardation
- AR Coated for Visible, NIR, or IR Light
- Ø10 mm Clear Aperture
LCC1115-A
Ø10 mm Clear Aperture,
>6λ Variable Retarder
ARC: 350 - 700 nm
LCC1115-B
Ø10 mm Clear Aperture,
>6λ Variable Retarder
ARC: 650 - 1050 nm
LCC25
Benchtop LC Controller
KLC101
K-Cube™ LC Controller
Please Wait
動作原理
高リターダンス
低リターダンス
これらのネマティック相に、光学異方性を生み出す長細い分子形状をした液晶分子が規則正しく配列されています。 電界がかかると、分子は電界に対応した向きに配向し、液晶分子の傾きが複屈折のレベルを決定します。
Selection Guide for LC Retarders | |
---|---|
Type | Clear Aperture |
Half Wave | Ø10 mm or Ø20 mm |
Half Wave, Thermally Stabilized | Ø10 mm |
Full Wave | Ø10 mm or Ø20 mm |
Full Wave, Thermally Stabilized | Ø20 mm |
Multi-Wave | Ø10 mm |
Multi-Wave, Integrated Controller | Ø10 mm |
Custom LC Retarders |
特長
- 偏光状態を連続的に制御する可変波長板
- リターダンス範囲
- LCC1115-A: 約60 nm~6λ以上
- LCC1115-B および LCC1115-C: 約400 nm~6λ以上
- 開口: Ø10 mm
- 3種類の反射防止(AR)コーティングでご用意
- LCC1115-A: 350~700 nm
- LCC1115-B: 650~1050 nm
- LCC1115-C: 1050~1700 nm
- 表面品質: スクラッチ&ディグ40-20
- リターダンスの均一性: 開口部全体に渡って<λ/50
このマルチ波長液晶可変リターダ(LCVR)は、ネマチック液晶セルを可変波長板として利用しています。 可動部品がないので、ミリ秒単位の高速切り替え時間が実現できます(詳細については「切り替え時間」タブをご参照ください)。 このマルチ波長リターダは350~700 nm、650~1050 nm、1050~1700 nm用ARコーティング付きで、最大6λ以上のリターダンスを発生させることができます(透過率ならびにリターダンスのデータについては「性能」タブをご覧ください)。LCC1115-Aは厚さ30 μm、LCC1115-BおよびLCC1115-Cは厚さ50 μmの液晶セルスペーサにより、リターダは最大のリターダンス値に到達します。リターダの開口部はØ10 mm、外径は25.4 mm(1インチ)あり、厚さ8 mmの光学素子に対応する全てのØ25.4 mm(Ø1インチ)マウントに取り付け可能です。 筐体前面にある白い刻印線はスロー軸を記しています。
性能
これらの液晶可変リターダは均一性に優れ、光学ロスや波面歪も小さい製品です。また、高速切り替え、広い動作温度範囲、広帯域な動作波長範囲といった特長もあります。詳細については「仕様」、「性能」ならびに「切り替え時間」のタブをご覧ください。
動作
図1の通り、液晶可変リターダは液晶(LC)分子溶液で満たされた透明なセルから構成されており、可変波長板として機能します。電圧が印加されていない時は、液晶分子の向きは配向膜により決まります。配向膜は有機ポリイミド(PI)膜でできており、その分子は製造時にラビング方向に揃えられます。液晶リターダは、液晶材料の複屈折性により光学異方性のある波長板として機能し、そのスロー軸(筐体に刻印)はリターダの表面に対して平行になります。セル壁の2つの平行面には、セル全体にわたって電圧を印加するための透明導電膜がコーティングされています。交流電圧を印加すると、液晶分子は印加されたVrms値によりデフォルトの向きから再配向します。
コントローラ
液晶コントローラLCC25とKLC101は、AC電圧(0~25 Vrms)を印加しながら、アクティブにDCオフセットを補償します。DCオフセット補償機能によって、LCデバイス全体のDCバイアス状態を自動的にゼロに調整し、電荷の蓄積が生じないようにしています。
Item # | LCC1115-A | LCC1115-B | LCC1115-C |
---|---|---|---|
Wavelength Range | 350 - 700 nma | 650 - 1050 nm | 1050 - 1700 nm |
Liquid Crystal Material | Nematic Liquid Crystal | ||
Retardance Range | ~60 nm to >6λ | ~400 nm to > 6λ | |
Clear Aperture | Ø10 mm | ||
Surface Quality | 40-20 Scratch-Dig | ||
Beam Deviation | < 5 arcmin | ||
Switching Time (Rise / Fall, Typical)b | 423 ms / 70 ms (1 λ to 2 λ) | 820 ms / 190 ms (1 λ to 3 λ) | 720 ms / 187.5 ms (1 λ to 2 λ) |
AR Coating | Ravg < 0.5% at all Air-to-Glass Surfaces for Specified Wavelength Range | ||
Wavefront Distortion | ≤ λ/4 (@ 635 nm) | ||
Retardance Uniformity | < λ/50 Over the Entire Clear Aperture | ||
Housing Outer Diameter | 1" | ||
Storage Temperature | -30 to 70 °C | ||
Operation Temperature | -20 to 45 °C | ||
Compatible Mounts | RSP1 (RSP1/M), CRM1T (CRM1T/M), CRM1PT (CRM1PT/M), KM100 |
液晶リターダの性能
これらのネマティック相では液晶分子の向きが揃っており、その長く伸びた分子形状と相まって光学異方性を生み出します。電界がかかると分子は電界方向に配向し、有効なリターダンスの大きさは液晶分子の傾きによって決定されます。材料内のイオンの影響を最小限にするために、液晶デバイスは交流電圧で駆動しなければなりません。コントローラLCC25は、0 V~25 Vの動作電圧範囲において、駆動信号のDCバイアスを可能な限り小さくするように設計されています。
液晶材料では、分子分極率の変化によって短波長での色分散は大きくなり、長波長での色分散は比較的小さくなります。これを説明するために、右の表では各製品の波長範囲において、1つもしくは2つの波長でのリターダンスデータを提示しています。
また、液晶のリターダンスはデバイスの温度にも影響されます。温度が上昇するとリターダンスが減少します。しかし、「切り替え時間」のタブで示されているように、液晶の切り替え時間は温度が上昇するにつれて高速化します。通常、液晶の透明温度に近づくと、液晶の屈折率(常光線と異常光線の両方)は著しく大きく変化します。よって、例えば、室温で使用する時は温度依存性を最小にするために、高い透明温度を持つ材料を選びます。
リターダンスデータはこちらからダウンロードいただけます。
透過率データはこちらからダウンロードいただけます。
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グラフは154週にわたるリターダンスの変化を示しています。
長期安定性
当社の液晶リターダは、長期間使用しても一定の性能を維持します。右のグラフは、液晶コントローラLCC25で駆動した1枚の3/4波長板LCC1112-A(旧製品)の154週にわたるリターダンスの電圧特性を示しています。リターダンスの試験は週に1回行われましたが、試験期間内の経時的な変化は僅かだったことが分かります。試験期間内の週毎のすべてのデータファイルは下記リンクよりダウンロードいただけます。
左下のグラフは一定の電圧をかけた状態でのリターダンスの変化は僅かだったことを、また右下のグラフは一定のリターダンスを得るために必要な電圧の変化が僅かだったことを示しています。ほかのリターダのモデルも同程度の性能が期待できます。リターダの長期安定性を最も良くするには、コントローラLCC25を常時使用することをお勧めいたします。このコントローラは特にDCオフセットを低減するように設計されており、それにより電荷の蓄積が最小化されるとともに安定性が向上します。
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切り替え時間はリターダンスの小さな変化で減少します。
LCリターダの切り替え時間
液晶リターダは、可動部品のある機械的な可変波長板と異なり、切り替え時間が高速です。液晶リターダの切り替え時間は、様々な要因で変化しますが、代表的には、製造工程で管理される要因と使用環境による要因があります。
一般的に、液晶リターダでは、複屈折値が高い値から低い値に変化する時に、切り替えが速くなります。さらに、動作温度が高ければ高いほど、液晶の粘性が減少するので、リターダのステータスの切り替えは速くなります。
また、電圧が高くなるにつれて、切り替え時間は必ず速くなります。右のグラフは、異なる電圧間での切り替え時の例を示しています。切り替え時間を速くするには、この可変リターダを高い電圧で使用できるように、固定波長板と共にお使いいただくことを推奨いたします。
また材料の粘度と切り替え時間が液晶材料の温度に依存することから、下記で見られるように、LCリターダを加熱すると、切り替え時間が最大で1/2に短縮さ れます。当社の標準的なLCリターダは、最高温度45 °Cでも動作するように設計されており、この温度においてもリターダンスの仕様値は維持できます。 さらなる高速化が必要な場合、リターダは70°Cまで動作しますが、この温度ではリターダンスの最大値は低くなります。
切り替え時間は温度条件以外にも、LCリターダの厚さ、液晶材料の回転粘度および誘電異方性と直接的な比例関係にありますが、これらの条件は、他の動作パラメータにも影響を与えるので、このLCリターダは、切り替え時間に特別に重点をおいて、全体的な性能が最適化されるように設計されています。 当社では、さらに切り替え時間の速いLCリターダに加えて、他の動作パラメータに重点を置いて設計した特注のLCリターダもご提供しています。詳細は当社までお問い合わせください。
異なる温度での切り替え時間の例
切り替え時間は、電圧が V1 ~V2に変化した時の立ち上がり時間と、V2 ~V1へ変化したときの立ち下がり時間を測定しています。この時、液晶リターダは特定の温度になっています。V1の値は全ての試験で固定されており、LCリターダのリターダンスが1 λの際の制御電圧です。V2は、リターダンスのターゲット値における電圧です。なお、低電圧(例えば、V1=5 V)時の切り替え時間は、下に掲載されている切り替え時間より長くなってしまいます。
Temperature | V1 | V2 | Rise Time (ms) | Fall Time (ms) |
---|---|---|---|---|
From 1 λ to 2 λ | ||||
25 °C | 3.1 | 1.92 | 423 | 70 |
45.1 °C | 3.1 | 1.92 | 150 | 20 |
59.9 °C | 3.1 | 1.92 | 140 | 20 |
70.2 °C | 3.1 | 1.92 | 100 | 20 |
From 1 λ to 4 λ | ||||
25 °C | 3.1 | 1.34 | 1580 | 100 |
45.1 °C | 3.1 | 1.34 | 480 | 50 |
59.9 °C | 3.1 | 1.34 | 340 | 30 |
70.2 °C | 3.1 | 1.34 | 260 | 27 |
From 1 λ to 8 λ | ||||
25 °C | 3.1 | 1.04 | 1953 | 140 |
45.1 °C | 3.1 | 1.04 | 940 | 58 |
59.9 °C | 3.1 | 1.04 | 630 | 40 |
70.2 °C | 3.1 | 1.04 | 435 | 35 |
Temperature | V1 | V2 | Rise Time (ms) | Fall Time (ms) |
---|---|---|---|---|
From 1 λ to 3 λ | ||||
25 °C | 10 | 3.82 | 820 | 190 |
45.1 °C | 10 | 3.82 | 350 | 110 |
59.9 °C | 10 | 3.82 | 280 | 110 |
70.2 °C | 10 | 3.82 | 145 | 60 |
From 1 λ to 7 λ | ||||
25 °C | 10 | 2.3 | 1020 | 235 |
45.1 °C | 10 | 2.3 | 740 | 140 |
59.9 °C | 10 | 2.3 | 637.5 | 100 |
70.2 °C | 10 | 2.3 | 537.5 | 80 |
From 1 λ to 14 λ | ||||
25 °C | 10 | 1.34 | 3200 | 360 |
45.1 °C | 10 | 1.34 | 2530 | 180 |
59.9 °C | 10 | 1.34 | 2100 | 120 |
70.2 °C | 10 | 1.34 | 1460 | 100 |
Temperature | V1 | V2 | Rise Time (ms) | Fall Time (ms) |
---|---|---|---|---|
From 1 λ to 2 λ | ||||
25 °C | 4.94 | 2.96 | 720 | 187.5 |
45.1 °C | 4.94 | 2.96 | 282.5 | 86.5 |
59.9 °C | 4.94 | 2.96 | 192.5 | 75 |
70.2 °C | 4.94 | 2.96 | 97.5 | 62.5 |
From 1 λ to 4 λ | ||||
25 °C | 4.94 | 1.98 | 2850 | 230 |
45.1 °C | 4.94 | 1.98 | 1405 | 135 |
59.9 °C | 4.94 | 1.98 | 722.5 | 100 |
70.2 °C | 4.94 | 1.98 | 477.5 | 99.5 |
From 1 λ to 6 λ | ||||
25 °C | 1.36 | 1.185 | 4700 | 390 |
45.1 °C | 1.36 | 1.185 | 1835 | 200 |
59.9 °C | 1.36 | 1.185 | 1185 | 130 |
70.2 °C | 1.36 | 1.185 | 1550 | 105 |
アライメント
電圧が印加されていない場合、液晶リターダのスロー軸(異常軸)は、液晶分子の長軸の方向に対応します。 電圧を印加すると、液晶分子の方向は図面に対して垂直方向に回転し、リターダンスが変化します。 当社のLCリターダは、ネマチック液晶を利用したデバイスなので、イオンや自由電荷の蓄積を防ぐためにAC駆動をしないと、性能が低下しデバイスが焼けてしまう場合があります。
液晶セルの軸にしっかりとアライメントするために、リターダは回転マウントに取り付けます(例えば、開口がØ10 mmのリターダ用にRSP1/MまたはCRM1P/M、開口がØ20 mmのリターダ用にRSP2/MまたはLCRM2A/Mがあります)。 ディテクタやパワーメータを組み立てて、直交する1対の直線偏光子を透過するビームの透過率をモニタしてください。 次に、一方の偏光子のスロー軸をもう一方の偏光子の透過軸にアライメントした状態で2つの偏光子を直交させ、その間に液晶リターダを配置してください。 その後、透過光強度が最小となるようにゆっくりと回転させてください。 この構成では、液晶リターダを位相変調の用途にお使いいただけます。
光強度変調やシャッタとしてお使いいただく場合にも、上記のように透過光強度が最小となるよう回転させてください。 最小値が見つかった後、リターダを±45°回転させます。 これによって、交差した偏光子を透過後の強度は、多くの液晶リターダ(ゼロオーダ1/4波長板や1/2波長板など)において最大になります。 しかし、広帯域光源を使用するマルチ波長位相リターダではリターダンスの波長依存性があるため、これは厳密には当てはまりません。
用途
液晶可変リターダでの偏光制御
液晶可変リターダ(LCVR)は、広い波長範囲にわたりゼロオーダ可変波長板としてお使いいただけます。 LCVRの光軸は、セルに電圧が印加されていない状態での、液晶の主軸と一致しています。このとき液晶分子は、液晶の配向膜によって決定される配列となっています。 LCVRを用いて光の偏光を制御する場合、光学素子の偏光角度ダイナミックレンジを最大にするため、入射光の偏光軸をリターダの光軸に対して45°傾けて入射する必要があります。 下の図は、リターダンスが小さくなる(rms電圧が増加する)につれ、出力光の偏光状態が変化する様子を示しています。
液晶可変リターダによる純粋な位相遅延
入射光の位相だけを変化させる場合には、直線偏光した入射光の偏光軸を、液晶リターダの光軸に合わせてアライメントする必要があります。 印加電圧V rmsが大きくなると、ビームの位相オフセットが減少します。 この位相リターダは、干渉計の1つのアームの中に配置し、光路長を調整するときに使われます。 このように、LCVRではアクティブな位相調整が可能です。
カスタム液晶の製造
当社では、標準品としてλ/2波長可変の温度制御モデルや、Ø10 mmまたはØ20 mmの開口のλ/2、3λ/4、全波長、マルチ波長可変など、さまざまな液晶リターダをご用意しています。標準品のほか、組み込み用途(OEM用途)向けや特注にも対応いたします。リターダンス範囲、コーティング、研磨角、温度安定化、サイズなど、多様な光学設計に対応するカスタマイズが可能です。 空の液晶セル、偏光ローテータ、ノイズ減衰器のような、その他のカスタム液晶デバイスもご提供できます。 カスタム液晶デバイスのご注文については、当社までお問い合わせください。
カスタム製品の場合、お客様から詳細をおうかがいし、仕様や特性を設計します。 その上で設計と実現性の両方を解析することによって、カスタム製品を高い水準の品質を保ちながらタイムリに製造いたします。
ポリイミド(PI)コーティングと研磨 - カスタムアライメント角
これらのネマティック相では、液晶分子は平均的な方向に配列されています。この長細い分子形状が、光学異方性、もしくは方向依存の光学効果を発生させます。 電圧が印可されていない時の液晶セル内の液晶分子の方向は、配向膜により決まります。配向膜は、ポリイミド(PI)コーティングと研磨角で作られます。 摩擦により溝を形成し、液晶分子を溝に沿って配向させます。 摩擦角を決めることで、液晶分子の初期の方向をどのような方向にすることもできます。
カスタムセル間隔<
液晶セル内の壁の間隔は液晶材料の厚さによって決められ、製造工程中にカスタマイズすることができます。 液晶セルのリターダンス角は、液晶材料の厚さによって決まります。
ここで、δは波のリターダンス、dは液晶材料の厚さ、λνは光の波長、Δnは使用される液晶材料の複屈折です。 したがって、与えられた波長でのリターダンスは、液晶セル内の壁の間隔によって決定されます(例えば、液晶層の厚さ)。 標準的なリターダンス範囲は、 30 nm〜λ/2、30 nm〜3λ/4、30 nm〜λですが、更に広いリターダンス範囲もご注文いただけます。
カスタム液晶材料
お客様にご提供いただいた液晶材料を、当社で液晶セルに詰めることも可能です。 異なる液晶材料は、異なる複屈折値を持っているので、材料を変更することでリターダンス角を変えることができます。
温度制御/切り替え時間
温度センサを液晶可変リターダに組み込むことも可能です。 温度コントローラを用いることで、リターダの温度を±0.1 °Cの範囲内でアクティブに安定化することができます。温度が高いほど液晶材料の粘度が減少するので、リターダが1つの状態から他の状態へ切り替わる速度は速くなります。 アクティブな温度制御システムをリターダの加熱に使うことで、より速いスイッチング速度でリターダを駆動することができます。
アセンブリ/筐体
必要に応じて、筐体のないカスタム液晶リターダを製造することも可能です。
試験
左の写真に示す測定セットアップを使用することで、それぞれの液晶リターダの複屈折、均一性、高速軸の角度が測定されます。 この装置では、波長板とCCDカメラを用いて2次元の複屈折分布を測定します。 右図は液晶リターダの試験結果のサンプルですが、優れた均一性を示しています。
詳細情報
カスタム液晶デバイスについてや、ご注文については当社までお問い合わせください。
Custom Capability | Custom Specification |
---|---|
Patterned Retarder Size | Ø100 µm to Ø2" |
Patterned Retarder Shape | Any |
Microretarder Size | ≥ Ø30 µm |
Microretarder Shape | Round or Square |
Retardance Range @ 632.8 nm | 50 to 550 nm |
Substrate | N-BK7, UV Fused Silica, or Other Glass |
Substrate Size | Ø5 mm to Ø2" |
AR Coating | -A: 350 - 700 nm -B: 650 - 1050 nm -C: 1050 - 1700 nm |
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図1: ランダム分布のパターンリターダ
特長
- カスタム仕様のマイクロリターダを構築
- サイズ、形状、ならびに基板材料のカスタマイズが可能
- リターダンス範囲: 50~550 nm
- ファスト軸分解能: <1°
- リターダンス変動:30 nm未満
用途
- 3次元ディスプレイ
- 偏光イメージング
- 回折用途:偏光回折格子、偏光分析法、ビームステアリング
当社ではパターンサイズØ100 µm~Ø50.8 mm(Ø2インチ)、基板サイズØ5 mm~ Ø50.8 mm(Ø2インチ)でカスタム仕様のパターンリターダをご提供可能です。 カスタム仕様のリターダは、隣り合うファスト軸がそれぞれ異なる角度を持つマイクロリターダのアレイによって構成されます。 マイクロリターダのサイズ(最小は30 µm)や形状(円、正方形、多角形など)もカスタマイズ可能です。 当社では、1つ1つのマイクロリターダのサイズや形状をコントロールできるため、ほとんどの実験・デバイスニーズに合った様々なパターンリターダを構築することができます。
パターンリターダは、液晶ならびに液晶ポリマから作られます。 フォトアライメントの技術を用い、各マイクロリターダのファスト軸を<1°の分解能でどの角度にも設定可能です。 図1~3では当社のパターンリターダの例をご紹介しています。 図はイメージング偏光計で得られたパターンリターダの測定結果を表しており、個々のマイクロリターダのファスト軸方向が隣り合っていても別々に制御可能であることを示しています。
当社のパターンリターダの製造工程はすべて社内で行われています。 工程は、基板を準備することから始まります。典型的な基板はN-BK7またはUV溶融石英(UVFS)です(ほかのガラス基板でも対応可能なものがあります)。 基板をフォトアライメント材料の層でコーティングし、当社のパターンリターダーシステムに設置後、ファスト軸を設定するために直線偏光で露光します。 露光箇所は、ご希望のマイクロリターダのサイズによって決まります。ファスト軸は<1°分解能で0°~180°の角度に設定可能です。 設定後、液晶ポリマでデバイスをコーティングすることによって液晶セルを構築し、UV光で硬化します。
当社の LCPデポラライザ はこのパターンリターダの1例です。原則的に真にランダム化されたパターンは入射偏光を空間的にスクランブルするのでデポラライザとして使用可能です。しかし、このようなパターン素子は回折が大きくなります。当社のデポラライザは、ファスト軸の角度が線形的に増加しており、回折を大きくすることなく、0.5 mm径以上のサイズの広帯域ならびに単色ビームの両方をデポラライズする設計がなされています。詳細については当社の LCPデポラライザの製品ページをご覧ください。
ご希望のパターンリターダの図、またはファスト軸分布のエクセルファイルをご提供いただければ、ほとんどのパターンリターダが構築可能です。パターンリターダの作製については当社までお問い合わせください。
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図2: スパイラル分布のパターンリターダ
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図3: 複雑な分布のパターンリターダ
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- 開口:Ø10 mm
- 外径:Ø25.4 mm(Ø1インチ)
- 3種類の標準的なARコーティングをご用意
- 最大リターダンスは>6λ
当社の開口Ø10 mmのマルチ波長液晶リターダは、350~700 nm(LCC1115-A)、650~1050 nm(LCC1115-B)、1050~1700 nm(LCC1115-C)用ARコーティング付きで、リターダンスは最大>6λです。 外径は25.4 mm(1インチ)で、厚さが8 mmの光学素子に対応した全てのØ25.4 mmの光学マウントに取付け可能です。 回転マウントRSP1/Mと併用していただくと、正確な回転調整やポスト取付けができます。また、CRM1PT/Mと併用した場合には、30 mmケージシステムに組み込むことができます。
- 矩形波出力電圧:0~±25 VAC
- LCC25:2000 ± 5 Hz
- KLC101:500 Hz~10 kHzで調整可能
- 矩形波の出力振幅の変調は内部および外部から制御可能
- デバイスのパネルまたはUSB入力によるPC制御により設定が編集可能
液晶コントローラLCC25およびKLC101はどちらも当社の液晶セル、ローテータおよびリターダ(コントローラ内蔵のLCC2415-VISを除く)の操作用に設計されています。各コントローラは矩形波のAC電圧を出力し、振幅は0 VRMS~±25 VRMSで調整可能です。あらゆるDCオフセットを自動的に検出し、リアルタイムで±10 mV内に補正できるため、液晶デバイスの寿命の長期化に役立ちます。
ベンチトップ型コントローラLCC25
液晶コントローラLCC25は、2000 Hzの矩形波AC電圧を出力します。前面パネルとUSBインターフェイスの両方で、2つの電圧レベル(電圧1と電圧2)を設定することができます。LCC25を定電圧モードで動作させた場合、コントローラの出力は、2つの設定電圧レベルのいずれかに等しい振幅となります。変調モードにおいては、2,000 Hzの矩形波の出力が、内部で設定可能な周波数(0.5 Hz~150 Hz)または0~5 V TTLの外部トリガ入力(0.5 Hz~500 Hz)により電圧1と電圧2間で切り替えます。コントローラLCC25のソフトウェアパッケージでは、ユーザが開始電圧、終了電圧、電圧ステップサイズ、そして滞在時間を指定することにより電圧シーケンスを定義することもできます。
コントローラの機能について詳細は こちらのLCC25の製品ページをご覧ください。
K-Cube™コントローラKLC101
液晶コントローラK-Cube™ KLC101は当社の小型コントローラのラインナップの1つです。ユーザ設定の周波数(500 Hz~10 kHz)の矩形波AC出力電圧を供給する、コンパクトサイズのコントローラです(60.0 mm x 60.0 mm)。このコントローラは2つの電圧と周波数の組み合わせを保存でき(PresetV1とPresetV2)、出力として選択読み出しすることが可能です。また、コントローラの上面パネル、ソフトウェア、またはトリガーポートによりカスタマイズされた出力電圧のシーケンスを作成することができます。PresetV1とPresetV2の切り替え速度は、上面のコントロールパネルまたはソフトウェアを使用して、0.1~150 Hzで設定可能です。このモード時、トリガーポートの1つが5 Vロジック信号を出力し、ハイレベルではPresetV2の出力、ローレベルではPresetV1の出力を示します。または、トリガーポートを5 Vロジック信号の入力に使用してPresetV1とPresetV2を切り替えることができます。ソフトウェアではシーケンス(Sequence)モードおよび掃引(Sweep)モードが可能です。Sequenceのツールは、異なる出力電圧振幅、周波数、ステップ持続時間の設定にご使用いただけます。掃引モードでは、KLC101がユーザ定義の開始・終了電圧、ステップサイズ、ステップ持続時間で走査をします。
なお、コントローラKLC101には電源が付属しませんのでご注意ください。K-Cubeが1台必要な用途向けには、電源TPS002(下記)がご使用いただけます。複数のK-Cubeを使用する場合にはUSBコントローラハブをご用意しております。
こちらのコントローラの詳細と対応可能な電源については、コントローラKLC101の製品ページをご覧ください。
Item # | Adjustable Output Voltage | Voltage Resolution | Adjustable Output Frequencya | Internal Modulationa | External Modulation | Slew Rate | DC Offset | Warm Up Time | Output Current (Max) | External Input Voltage (Max) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LCC25 | 0 to ±25 V RMS | 1.0 mV | 2,000 ± 5 Hz | 0.5 to 150 Hz | 0.5 to 500 Hz | 10 V/µs | ±10 mV | 30 Minutes | 15 mA | 5 VDC |
KLC101 | 500 Hz to 10 kHz | 0.1 to 150 Hz | 150 Hz (Max) | 50 mA |