光学素子セット
- Metallic and Dielectric Mirrors in Packs of 10
- Plastic Asphere Lenses in Packs of 25, 50, or 100
- Optics Storage Boxes in Packs of 5 or 10
- Simplify Ordering and Reduce Packaging Waste
CAY046-10
Pack of 25 Plastic Asphere Lenses
Ø7.44 mm, f=4.6 mm, 0.40 NA
BB1-E03-10
Pack of 10 Ø1" 750-1100 nm
Dielectric Mirrors
PF20-03-M01-10
Pack of 10 Ø2" Protected
Gold Mirrors
BX02
Pack of 5 Ø2" Optic Storage Box
Please Wait
- 7種類の金属コーティング:
- UV域反射強化型アルミニウム:Ravg> 90%(250~450 nm)
- 保護膜付きアルミニウム:Ravg> 90%(450 nm~2 µm)、Ravg> 95%(2 µm~20 µm)
- 保護膜付き銀:Ravg> 97.5%(450 nm~2 µm)、Ravg> 96%(2 µm~20 µm)
- 超短パルス用銀: Rs > 99.0%およびRp> 98.5%(750~1000 nm)
- 保護膜付き金:Ravg> 96%(800 nm~20 μm)
- 保護膜無し金: Ravg > 97%(800 nm~20 μm)
- 中赤外域強化型金:Ravg> 98%(2 μm~20 μm)
- 表面平面度:λ/10
- Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)、Ø50.8 mm(Ø2インチ)の径の光学素子をご用意
- 各セット10枚入り
UV域から可視域や赤外域にわたってお使いいただける、高品質の金属コーティングミラーをご提供しています。金属コーティングは、仕様の波長範囲において90%以上の高反射率を示します。上のタブ内にある反射率のグラフからわかるように、これらの金属コーティングミラーは超短パルス用銀ミラーを除き入射角に比較的依存しません。超短パルス用銀ミラーは45°の入射角で使用する仕様です。セット販売されているミラーの金属コーティングに関する詳細および仕様は、各タブをご覧ください。
低価格ミラー、正方形ミラー、低熱膨張率のZerodur®ミラー、CO2レーザ用ミラーなど、単体で販売している金属コーティングミラーは、金属コーティングミラーガイドからご覧いただけます。
UV域反射強化型アルミニウムコーティング
UV域反射強化型アルミミラーは、UV域用にお使いいただけるコスト効率の高い製品です。アルミニウムは非常にデリケートで損傷を受けやすいので、ミラーの寿命を延ばすためにアルミニウムの上に保護膜を施しています。当社のUV域反射強化コーティングではMgF2をオーバーコートしていますが、250~450nmでの反射率は90%以上です。こちらのページでは、Ø25.4 mm(Ø1インチ)のUV域反射強化型アルミミラーを10枚入りセットでご購入いただけます。詳しい仕様ならびに反射率曲線は「アルミニウムミラー」のタブをご覧ください。
保護膜付きアルミニウムコーティング
保護膜付きアルミミラーは、一般的な広帯域用に適しています。SiO2コーティングによりデリケートなアルミニウムが保護され、研究用や産業用でのご使用に適したものになっています。保護膜付きアルミニウムコーティングは、高湿度の環境下で保護膜付き銀コーティングよりも変色しにくく、また保護膜無しのアルミニウムコーティングとほとんど同じ反射率を有します。このミラーの平均反射率は、スペクトル域450 nm~2 µmでは90%以上で、2~20 µmでは95%以上です。Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)およびØ25.4 mm(Ø1インチ)の径の保護膜付きアルミミラーを10枚入りセットでご購入いただけます。詳しい仕様ならびに反射率曲線は「アルミニウムミラー」のタブをご覧ください。
保護膜付き銀コーティング
保護膜付き銀ミラーは、可視~近赤外域においては金属コーティングミラーの中で最も反射率が高く、また赤外域においても十分に高い反射率を有します。保護膜付き銀ミラーは耐久性のあるSiO2でオーバーコートされており、それにより銀の変色を防いでいます。ただし、このミラーは高湿度環境下での使用は避けてください。保護膜付き銀コーティングの平均反射率は、450 nm~2 µmでは97.5%以上、2 µm~20 µmでは96%以上となっています。Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)およびØ50.8 mm(Ø2インチ)の径の保護膜付きアルミミラーを10枚入りセットでご購入いただけます。詳しい仕様ならびに反射率曲線は「銀ミラー」のタブをご覧ください。
超短パルス光用銀コーティング
超短パルス光用銀ミラーは、フェムト秒Ti:サファイアレーザの基本波長範囲用として設計されています。これらのミラーには、750 nm~1000 nmの波長範囲で98.5%を超える絶対反射率を有する誘電体コーティングが施されています。また、これらは金属コーティング特有の低群遅延分散(GDD)特性もほぼ保持されています。Ø25.4 mm(Ø1インチ)の超短パルス光用銀ミラーがこちらでは10個入りでご用意しております。詳しい仕様ならびに反射率曲線は「銀ミラー」のタブをご覧ください。
保護膜付き金コーティング
保護膜付き金ミラーの赤外域における反射率特性は、こちらでご紹介している金属コーティングミラーの中では最も平坦です。保護膜付き金ミラーには誘電体の保護用オーバーコートが施されており、それにより繊細な金の層を損傷から保護するとともに、クリーニングを容易にしています。保護膜付き金コーティングの平均反射率は、800 nm~20 µmにおいて96%以上となっています。Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)およびØ50.8 mm(Ø2インチ)の径の保護膜付き金ミラーを10枚入りセットでご購入いただけます。詳しい仕様ならびに反射率曲線は「金ミラー」のタブをご覧ください。
保護膜無し金コーティング
保護膜無し金コーティングミラーは、偏光状態を厳格に保つことが必要な用途や、保護膜付き金コーティングミラーの誘電体オーバーコートによる分散を避けたい用途に適しています。保護膜無し金コーティングの平均反射率は、800 nm~20 µmにおいて97%以上と保護膜付き金コーティングより高いですが、保護膜付き金コーティングより傷つきやすく、指紋やエアロゾル、あるいは研磨材とのわずかな接触により簡単に損傷してしまいます。Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)およびØ50.8 mm(Ø2インチ)の保護膜無し金ミラーは、10枚入りセットでご購入いただけます。詳しい仕様および反射率曲線は「金ミラー」タブをご覧ください。
中赤外域強化型金コーティング
中赤外(MIR)域強化型金ミラーは、保護膜付き金コーティングミラーに見られるような損失はなく、2 μm~20 μmにおいて平均反射率> 98%が得られます。オーバーコートが施されているため保護膜無しの金ミラーよりも中赤外域における性能が優れており、また物理的損傷に対する耐性の面でも優れています。Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 m(Ø1インチ)、Ø50.8 mm(Ø2インチ)の中赤外域強化型金ミラーは、10枚入りセットでご購入いただけます。詳しい仕様および反射率曲線は「金ミラー」タブをご覧ください。
UV域反射強化型アルミニウムミラー
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UV域反射強化型アルミミラー
PF10-03-F01
保護膜付きアルミニウムミラー
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保護膜付きアルミニウムミラーPF10-03-G01
保護膜付き銀ミラー
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保護膜付き銀ミラーPF10-03-P01
超短パルス光用銀ミラー
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超短パルス光用銀ミラーUM10-AG
Item # | UM10-AG-10 |
---|---|
Diameter | 1" (25.4 mm) |
Diameter Tolerance | +0.00 mm / -0.10 mm |
Thickness | 6.0 mm (0.24") |
Thickness Tolerance | ±0.20 mm |
Reflectance | Rs > 99.0% and Rp > 98.5% from 750 nm to 1000 nm (45° AOI) |
Reflectance Plot (Click for Plota) | |
Group Delay Dispersion (Click for Plota) | S-Pol: |GDD| < 20 fs2 P-Pol: |GDD| < 30 fs2 (45° AOI) |
Substrate | Fused Silica |
Flatness | λ/10 @ 632.8 nm |
Front Surface Quality | 40-20 Scratch-Dig |
Back Surface | Fine Ground |
Parallelism | ≤ 3 arcmin |
Clear Aperture | > 80% of Diameter |
Damage Threshold (Pulsed)b (Click for Plot) | 0.39 J/cm2 (800 nm, 52 fs FWHM, S-Pol, 1 Pulse) 0.18 J/cm2 (800 nm, 52 fs FWHM, S-Pol, 1000 Pulses) |
保護膜付き金ミラー
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保護膜付き金ミラーPF10-03-M01
保護膜無し金ミラー
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保護膜無し金ミラーPF10-03-M03
注: 保護膜無しミラーに使用されている金の層には保護膜が付いておりません。 保護膜なしの金は空気に触れても酸化しませんが、指紋、エアロゾルや、ほんの少しの研磨材が接触しただけで損傷してしまいます。 保護膜なしの金は、必要時のみ、側面だけを持って取り扱ってください。 その際は表面に指の油分がつかないよう、ラテックス製手袋などを着用する必要があります。 クリーンで乾燥した空気か窒素で埃を吹き飛ばす方法以外に、表面のクリーニングは行わないでください。 他のクリーニングの方法では表面に損傷を与える可能性があります。
中赤外域強化型金ミラー
Item # | PF05-03-M02-10 | PF10-03-M02-10 | PF20-03-M02-10 |
---|---|---|---|
Diameter | 1/2" (12.7 mm) | 1" (25.4 mm) | 2" (50.8 mm) |
Diameter Tolerance | +0.0 mm / -0.1 mm | ||
Thickness | 6.0 mm (0.24") | 6.0 mm (0.24") | 12.0 mm (0.47") |
Thickness Tolerance | ±0.2 mm | ||
Clear Aperture | > Ø11.4 mm | > Ø22.9 mm | > Ø45.7 mm |
Reflectance | Ravg > 98%, Rabs > 95% from 2 µm to 20 μm @ 0° to 45° AOI | ||
Reflectance Curve (Click for Plot) | Click Here for Raw Data | ||
Substrate | Fused Silica | ||
Front Surface Flatness (Peak to Valley) | < λ/10 @ 633 nm | ||
Surface Quality | 40-20 Scratch-Dig | ||
Parallelism | < 3 arcmin | ||
Damage Threshold (Pulsed) | 0.1 J/cm2 at 1.064 µm, 10 ns, 10 Hz, Ø1.06 mm 3 J/cm2 at 10.6 µm, 100 ns, 1 Hz, Ø1.29 mm | ||
Damage Threshold (CW)a | 25 W/cm at 1.070 µm, Ø1.04 mm 450 W/cm at 10.6 µm, Ø1.18 mm |
Damage Threshold Specifications | ||
---|---|---|
Coating (Item # Suffix) | Damage Threshold | |
UV-Enhanced Aluminum (-F01-10) | Pulsed | 0.25 J/cm2 at 266 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.150 mm 0.3 J/cm2 at 355 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.381 mm |
CWa | 300 W/cm at 1.064 µm, Ø0.044 mm 500 W/cm at 10.6 µm, Ø0.339 mm | |
Protected Aluminum (-G01-10) | Pulsed | 0.3 J/cm2 at 1064 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø1.000 mm |
CWa | 100 W/cm at 1.070 µm, Ø0.098 mm 350 W/cm at 10.6 µm, Ø0.339 mm | |
Protected Silver (-P01-10) | Pulsed | 0.225 J/cm2 at 800 nm, 99 fs, 1 kHz, Ø0.167 mm 3 J/cm2 at 1064 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø1.000 mm |
CWa | 500 W/cm at 1.07 µm, Ø0.974 mm 1500 W/cm at 10.6 µm, Ø0.339 mm | |
Ultrafast-Enhanced Silver (-AG-10) | Pulsedb | 0.39 J/cm2 at 800 nm, 52 fs FWHM, S-Pol, 1 Pulse 0.18 J/cm2 at 800 nm, 52 fs FWHM, S-Pol, 1000 Pulses |
Protected Gold (-M01-10) | Pulsed | 2 J/cm2 at 1.064 µm, 10 ns, 10 Hz, Ø1.000 mm |
CWa | 500 W/cm at 1.070 µm, Ø0.089 mm 750 W/cm at 10.6 µm, Ø0.339 mm | |
Unprotected Gold (-M03-10) | Pulsed | 4 J/cm2 at 10.6 µm, 100 ns, 1 Hz, Ø0.435 mm |
CWa | 1000 W/cm at 10.6 µm, Ø1.18 mm | |
MIR-Enhanced Gold (-M02-10) | Pulsed | 0.1 J/cm2 at 1.064 µm, 10 ns, 10 Hz, Ø1.06 mm 3 J/cm2 at 10.6 µm, 100 ns, 1 Hz, Ø1.29 mm |
CWa | 25 W/cm at 1.07 µm, Ø1.04 mm 450 W/cm at 10.6 µm, Ø1.18 mm |
金属ミラーの損傷閾値データ
右の仕様は当社の金属コーティングミラーの測定データに基づいています。コーティングの種類が同じミラーの損傷閾値は、ミラーのサイズや焦点距離に関わらず全て同じ値なっております。
レーザによる損傷閾値について
このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。
テスト方法
当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。
初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。
上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
Example Test Data | |||
---|---|---|---|
Fluence | # of Tested Locations | Locations with Damage | Locations Without Damage |
1.50 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
1.75 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.00 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.25 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
3.00 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
5.00 J/cm2 | 10 | 9 | 1 |
試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。
CWレーザと長パルスレーザ
光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。
パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。
繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。
ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。
- レーザの波長
- ビーム径(1/e2)
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
- レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。
ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。
次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。
この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。
パルスレーザ
先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。
パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。
Pulse Duration | t < 10-9 s | 10-9 < t < 10-7 s | 10-7 < t < 10-4 s | t > 10-4 s |
---|---|---|---|---|
Damage Mechanism | Avalanche Ionization | Dielectric Breakdown | Dielectric Breakdown or Thermal | Thermal |
Relevant Damage Specification | No Comparison (See Above) | Pulsed | Pulsed and CW | CW |
お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。
- レーザの波長
- ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
- レーザのパルス幅
- パルスの繰返周波数(prf)
- 実際に使用するビーム径(1/e2 )
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。
次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。
波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。
ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。
次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。
お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。
[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1998).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).
レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。
ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。
CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。
しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(右のグラフ参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。
アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。
LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。
ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。
上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。
このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:
この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。
ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。
スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。
マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。
この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。
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BB01-E01-10のミラー背面
- 4種類の広帯域誘電体コーティング:
- 350 nm~400 nm
- 400 nm~750 nm
- 750 nm~1100 nm
- 1280 nm~1600 nm
- Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)、Ø50.8 mm(Ø2インチ)の径のミラーをご用意
- 入射角0~45°のS偏光ならびにP偏光のRavg>99%
- 溶融石英基板
当社の広帯域誘電体ミラーは4種類のスペクトル域において高い反射率を示します。なおロット毎にバラツキがあるため、それぞれのコーティングの仕様としているスペクトル範囲は、実際に使用できる範囲よりもやや狭く記載されています。
右上の写真のように、各ミラーの背面はつや消し仕上げになっており、容易に識別できるように型番が刻印されています。セット販売されている誘電体ミラーの詳細および仕様は、各タブをご覧ください。
下のグラフは、BBシリーズの広帯域ミラーコーティングに、6°または8°の入射角で無偏光ビームを入射した場合の反射率を、波長の関数として表しています。ここで6°と8°で測定している理由は、入射角0°では測定限界になってしまうためです。しかしこのグラフは入射角0°での反射率に近い結果を表しています。偏光の情報を含むより詳しいグラフは、各コーティングのタブでご覧いただけます。
その他のオプションや単体ミラーのご注文は広帯域誘電体ミラーの製品紹介ページをご覧ください。
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ミラーBB1-E01
Item # | BB05-E01-10 | BB1-E01-10 | BB2-E01-10 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Diameter | 1/2" (12.7 mm) | 1" (25.4 mm) | 2" (50.8 mm) | ||||
Diameter Tolerance | +0.0 mm / -0.1 mm | ||||||
Thickness | 6.0 mm (0.24") | 6.0 mm (0.24") | 12.0 mm (0.47") | ||||
Thickness Tolerance | ±0.2 mm | ||||||
Reflectance | Ravg > 99% (350 - 400 nm) | ||||||
Reflectance Plots (Click for Plot) |
| ||||||
Substrate | Fused Silica | ||||||
Front Surface Flatness (@ 633 nm) | λ/10 | ||||||
Surface Quality | 10-5 Scratch-Dig | ||||||
Parallelism | < 3 arcmin | ||||||
Clear Aperture | > 85% of Diameter | ||||||
Damage Threshold (Pulsed) | 1 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.373 mm) |
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ミラーBB1-E02
Item # | BB05-E02-10 | BB1-E02-10 | BB2-E02-10 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Diameter | 1/2" (12.7 mm) | 1" (25.4 mm) | 2" (50.8 mm) | ||||
Diameter Tolerance | +0.0 mm / -0.1 mm | ||||||
Thickness | 6.0 mm (0.24") | 6.0 mm (0.24") | 12.0 mm (0.47") | ||||
Thickness Tolerance | ±0.2 mm | ||||||
Reflectance | Ravg > 99% (400 - 750 nm) | ||||||
Reflectance Plots (Click for Plot) |
| ||||||
Substrate | Fused Silica | ||||||
Front Surface Flatness (@ 633 nm) | λ/10 | ||||||
Surface Quality | 10-5 Scratch-Dig | ||||||
Parallelism | < 3 arcmin | ||||||
Clear Aperture | > 85% of Diameter | ||||||
Damage Threshold | 0.25 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.803 mm) 550 W/cma,b (532 nm, CW, Ø1.000 mm) |
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ミラーBB1-E03
Item # | BB05-E03-10 | BB1-E03-10 | BB2-E03-10 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Diameter | 1/2" (12.7 mm) | 1" (25.4 mm) | 2" (50.8 mm) | ||||
Diameter Tolerance | +0.0 mm / -0.1 mm | ||||||
Thickness | 6.0 mm (0.24") | 6.0 mm (0.24") | 12.0 mm (0.47") | ||||
Thickness Tolerance | ±0.2 mm | ||||||
Reflectance | Ravg > 99% (750 - 1000 nm) | ||||||
Reflectance Plots (Click for Plot) |
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Substrate | Fused Silica | ||||||
Front Surface Flatness (@ 633 nm) | λ/10 | ||||||
Surface Quality | 10-5 Scratch-Dig | ||||||
Parallelism | < 3 arcmin | ||||||
Clear Aperture | > 85% of Diameter | ||||||
Damage Threshold | 0.205 J/cm2 (800 nm, 99 fs, 1 kHz, Ø0.166 mm) 1 J/cm2 (810 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.133 mm) 0.5 J/cm2 (1064 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.433 mm) 10 kW/cma,b (1070 nm, CW, Ø0.971 mm) |
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ミラーBB1-E04
Item # | BB05-E04-10 | BB1-E04-10 | BB2-E04-10 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Diameter | 1/2" (12.7 mm) | 1" (25.4 mm) | 2" (50.8 mm) | ||||
Diameter Tolerance | +0.0 mm / -0.1 mm | ||||||
Thickness | 6.0 mm (0.24") | 6.0 mm (0.24") | 12.0 mm (0.47") | ||||
Thickness Tolerance | ±0.2 mm | ||||||
Reflectance | Ravg > 99% (1280 - 1600 nm) | ||||||
Reflectance Plots (Click for Plot) |
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Substrate | Fused Silica | ||||||
Front Surface Flatness (@ 633 nm) | λ/10 | ||||||
Surface Quality | 10-5 Scratch-Dig | ||||||
Parallelism | < 3 arcmin | ||||||
Clear Aperture | > 85% of Diameter | ||||||
Damage Threshold | 2.5 J/cm2 (1542 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.181 mm) 350 W/cma,b (1540 nm, CW, Ø1.030 mm) |
Damage Threshold Specifications | ||
---|---|---|
Item # Suffix | Type | Damage Threshold |
-E01-10 | Pulsed | 1 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.373 mm) |
-E02-10 | Pulsed | 0.25 J/cm2 (532 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.803 mm) |
CWa,b | 550 W/cm (532 nm, Ø1.000 mm) | |
-E03-10 | Pulsed | 0.205 J/cm2 (800 nm, 99 fs, 1 kHz, Ø0.166 mm) 1 J/cm2 (810 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.133 mm) 0.5 J/cm2 (1064 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.433 mm) |
CWa,b | 10 kW/cm (1070 nm, Ø0.971 mm) | |
-E04-10 | Pulsed | 2.5 J/cm2 (1542 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.181 mm) |
CWa,b | 350 W/cm (1540 nm, Ø1.030 mm) |
広帯域誘電体ミラーの損傷閾値データ
右の仕様は当社の広帯域誘電体ミラーの測定データに基づいています。コーティングの種類が同じミラーの損傷閾値は、ミラーのサイズや形状に関わらず全て同じ値になっております。
レーザによる損傷閾値について
このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。
テスト方法
当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。
初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。
上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
Example Test Data | |||
---|---|---|---|
Fluence | # of Tested Locations | Locations with Damage | Locations Without Damage |
1.50 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
1.75 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.00 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.25 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
3.00 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
5.00 J/cm2 | 10 | 9 | 1 |
試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。
CWレーザと長パルスレーザ
光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。
パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。
繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。
ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。
- レーザの波長
- ビーム径(1/e2)
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
- レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。
ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。
次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。
この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。
パルスレーザ
先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。
パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。
Pulse Duration | t < 10-9 s | 10-9 < t < 10-7 s | 10-7 < t < 10-4 s | t > 10-4 s |
---|---|---|---|---|
Damage Mechanism | Avalanche Ionization | Dielectric Breakdown | Dielectric Breakdown or Thermal | Thermal |
Relevant Damage Specification | No Comparison (See Above) | Pulsed | Pulsed and CW | CW |
お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。
- レーザの波長
- ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
- レーザのパルス幅
- パルスの繰返周波数(prf)
- 実際に使用するビーム径(1/e2 )
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。
次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。
波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。
ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。
次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。
お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。
[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1998).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).
レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。
ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。
CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。
しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(右のグラフ参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。
アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。
LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。
ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。
上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。
このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:
この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。
ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。
スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。
マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。
この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。
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プラスチック製非球面レンズセットは、写真のようなカプセルに梱包されています。
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- 有効焦点距離: 4.60 mm~18.15 mm
- 25個、50個、100個入りセットで販売
このセットのプラスチック製非球面レンズは成型技術を利用した全プラスチック製で、回折限界に近い性能を持つ光学素子です。このPhilips製の光学素子は、沢山の個数を必要とする場合にお手頃な価格で入手できるように設計されており、軽量な部品が必要で、かつ低パワーの用途に適しています。この非球面レンズの表面は球面収差を除去するように設計されており、単色光に対して回折限界に近いスポットサイズやコリメーションが得られます。こちらのレンズセットは25個、50個または100個入りでご用意しており、価格は単品でのご購入よりもお得になっております。
半導体レーザーシステムにおいては、ビームの広がり角が大きいので収差補正が難しくなります。球面レンズを用いた場合、球面収差を生じさせないためには小さな角度でしか屈折させられないので、半導体レーザの出力光をコリメートするときには、しばしば複数のレンズが必要になります。それに対して、非球面レンズなら単一のレンズで球面収差を生じることなくコリメートすることができます。光をコリメートまたは集光するときは、より大きな曲率半径の面(より平らな面)を点光源に向けるようにします。
逆に、ファイバに結合するときは、多くの場合、レーザ光を回折限界に近いスポットまで集光する必要があります。単一の球面レンズを使う場合、そのような小さいスポットサイズを得るための制限因子は、回折限界よりもむしろ球面収差です。これらの非球面レンズは球面収差を除去するよう補正されているので、焦点のスポットサイズは回折限界に近づきます。
このページでご紹介しているすべてのプラスチック製非球面レンズは、TO型半導体レーザーパッケージのウィンドウのような窓があることを考慮して補正されています。詳細については「仕様」タブ内をご覧ください。その他、各レンズの側面には、方向を示すために平坦な部分があります。
単体のプラスチック製非球面レンズのご注文やその他の焦点距離の製品については、コーティング無しのプラスチック製非球面レンズの製品紹介ページをご覧ください。
Item # | CAY046 | CAX100 | CAX183 |
---|---|---|---|
Effective Focal Length | 4.60 mm | 10.00 mm | 18.15 mm |
Numerical Aperture | 0.40 | 0.20 | 0.12 |
Clear Aperture | Ø3.7 mm | Ø4.1 mm | Ø4.3 mm |
Working Distancea | 3.00 mm | 8.48 mm | 16.30 mm |
Outer Diameter | 7.40 mm | 6.28 mm | 6.28 mm |
Center Thickness | 2.70 mm | 1.25 mm | 1.09 mm |
Wavefront Error, On Axisb (RMS) | 0.040λ | 0.080λ | 0.030λ |
Wavefront Error, Totalb (RMS) | 0.070λ | 0.090λ | 0.035λ |
Surface Quality | 80-50 Scratch-Dig | ||
Material (Click for Transmission Plot) | Acrylic | Polycarbonate | Polycarbonate |
Design Wavelength | 670 nm | 670 nm | 670 nm |
AR Coating Wavelength (>95% Transmission) | None | ||
Laser Window Correction | 0.25 mm (N-BK7) | 0.25 mm (N-BK7) | 0.25 mm (N-BK7) |
Operating Temperature | 5 to 65 °C | 0 to 65 °C | -10 to 75 °C |
Storage Temperature | -10 to 70 °C | 0 to 65 °C | -25 to 100 °C |
有効焦点距離は後側主平面から求められます。この主平面は、レンズの平坦な表面とは一致しませんので、ご注意ください。
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上の透過率曲線は、表面反射を含んだポリカーボネートの全透過率です。プラスチック製非球面レンズCAX100、CSX122およびCAX183はこの材料から製造されています。
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上の透過率曲線は、表面反射を含んだアクリルの全透過率です。プラスチック製非球面レンズCAY046はこの材料から製造されています。
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上の透過率曲線は、表面反射を含んだ環状オレフィンコポリマの全透過率です。プラスチック製非球面レンズCAW100およびCAW110はこの材料から製造されています。
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当社では光学素子の運搬や保管用として設計された収納ケースを各種ご用意しております。ケースは5個セットまたは10個セットでご用意しています。
マウントされていない光学素子の個別保管用はいずれも10個セットになっており、Ø25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)光学素子用のBX01、Ø50 mm~Ø50.8 mm(Ø2インチ)光学素子用のBX02、およびØ63.5 mm(Ø2.5インチ)以下の光学素子用でフォームインサート付きのBX03がございます。複数のマウント無し光学素子の収納または運搬用のケースとしては、Ø12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)光学素子を10個まで収納できるBX0510、およびØ25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)光学素子を10個まで収納できるBX0110がございます。これらの保管ケースを利用すると光学素子の収納スペースを縮小でき、また大量の光学素子の運搬も容易になります。
Product Image (Click to Enlarge) | |||
Item # | BX01 | BX02 | BX03 |
Capacity | 1 | 1 | 1 |
Quantity | 10 | 10 | 10 |
Optic Size | Ø1" | Ø2" | Up to Ø2.5"a |
こちらの光学素子用保管ケースは、使用していないマウント無し光学素子を汚染や損傷から保護するのに有用です。スポンジ入りタイプと、Ø25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)またはØ50 mm~Ø50.8 mm(Ø2インチ)光学素子用のプラスチック型枠タイプがございます。各ボックスには当社のロゴ等がシルクスクリーン印刷されています。印刷情報をご希望でない場合には当社までご連絡ください。
こちらの光学素子用保管ケースは、使用していないマウント無し光学素子を最大10個まで収納できます。光学素子を汚染や損傷から保護し、また実験室の省スペース化にも寄与します。光学素子用保管ボックスBX0510およびBX0110にはプラスチック製型枠のインサートが入っており、それぞれØ12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)またはØ25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)の光学素子を最大10個まで固定できます。BX0510の寸法は63.5 mm x 63.5 mm x 22.6 mm、BX0110は152.4 mm x 101.6 mm x 17.0 mmです。各ボックスには当社のロゴ等がシルクスクリーン印刷されています。印刷情報をご希望でない場合には当社までご連絡ください。
より耐久性のある収納ケースについては、光学素子用保管ケースのページをご覧ください。
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