イメージング/集光用顕微鏡対物レンズ、油浸タイプ
- Infinity-Corrected Microscope Objectives for UV, Visible, and NIR
- Designed for Oil Immersion Medium Applications
- Magnifications Ranging from 40X to 100X
RMS100X-O
100X Plan Achromat
RMS100X-PFOD
100X Plan Fluorite
N100X-PFO
100X Plan Fluorite
MOIL-30
Immersion Oil
Please Wait
Objective Lens Selection Guide |
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Objectives |
Super Apochromatic Microscope Objectives Microscopy Objectives, Dry Microscopy Objectives, Oil Immersion Physiology Objectives, Water Dipping or Immersion Phase Contrast Objectives Long Working Distance Objectives Reflective Microscopy Objectives UV Focusing Objectives VIS and NIR Focusing Objectives |
Scan Lenses and Tube Lenses |
Scan Lenses F-Theta Scan Lenses Infinity-Corrected Tube Lenses |
Did You Know?
システムの倍率は、顕微鏡対物レンズ、チューブレンズ、接眼レンズなど、複数の光学素子の組みわせによって決まります。詳細は「倍率&視野」タブをご参照ください。
当社ではOlympusおよびNikon製の油浸対物レンズをご提供しています。ご用意している油浸対物レンズのほとんどはプランフルオリート設計ですが、RMS100X-Oはプランアクロマート設計となっています。これらの対物レンズの違いについては、「対物レンズチュートリアル」のタブをご参照ください。
こちらでご紹介している顕微鏡用対物レンズは、従来型の顕微鏡、多光子顕微鏡、共焦点イメージングなどの用途でお使いいただけます。また、落射照明、斜光照明、明視野、DICなどの用途にも適しています。無限遠補正された顕微鏡用対物レンズの光学素子は、超広帯域ARコーティングが施されており、焦点距離180 mmもしくは200 mmのチューブレンズとお使いいただける設計です。
このページに掲載されているすべてのOlympus製対物レンズはRMSネジ規格で、Nikon製対物レンズはM25ネジ規格です。こちらの対物レンズを他のネジ規格でご使用の場合は、顕微鏡対物レンズ用ネジアダプタのページをご覧ください。対物レンズは特定のメーカの顕微鏡にのみ対応している場合があり、ネジのピッチや径、鏡筒長の違いにより、取り替えてご使用いただけないことがありますので、お選びの際にはご注意ください。 尚、各対物レンズの性能は、メーカの異なる部品やシステムと組み合わせた場合、刻印されている性能と異なる可能性がありますのでご注意ください。詳細は、「倍率&視野」タブをご参照ください。
このページでご紹介している全ての対物レンズは、RMS、M25 x 0.75、M32 x 0.75の各ネジに対応するDIY Cerna®システム用レボルバ(対物ホルダ)とお使いいただけます。
Oil-Immersion Objectives | ||||||
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Item # | RMS40X-PFO | RMS60X-PFOD | RMS100X-PFOa | RMS100X-PFOD | RMS100X-O | N100X-PFOa |
Manufacturer | Olympus | Nikon | ||||
Manufacturer Part # | 1-U2B530 | 1-U2B532 | 1-U2B5352 | 1-U2B5362 | 1-U2B235 | MRH01902 |
Magnification | 40X | 60X | 100X | 100X | 100X | 100X |
Numerical Aperture (NA) | 1.3 | 1.25 - 0.65 | 1.3 | 1.3 - 0.55 | 1.25 | 1.3 |
Effective Focal Length (EFL) | 4.5 mm | 3 mm | 1.8 mm | 1.8 mm | 1.8 mm | 2.0 mm |
Entrance Pupil Diameterb | 11.7 mm | 7.5 - 3.9 mm | 4.7 mm | 4.7 - 2.0 mm | 4.5 mm | 5.2 mm |
Field Number | 26.5 | 26.5 | 26.5 | 26.5 | 22 | N/A |
Resolutionc | 0.3 µm | 0.3 µmd | 0.3 µm | 0.3 µmd | 0.3 µm | 0.3 µm |
Working Distance (WD)e | 0.2 mm | 0.12 mm | 0.2 mm | 0.2 mm | 0.15 mm | 0.16 mm |
Parfocal Lengthe | 45.06 mm | 60 mm | ||||
Compatible Tube Lens Focal Length | 180 mm | 200 mm | ||||
Coverslip Correction | 0.17 mm | - | 0.17 mm | |||
Diametere | 28 mm | 28 mm | 26 mm | 28 mm | 24 mm | 30 mm |
Lengthe | 49.4 mm | 49.5 mm | 49.2 mm | 49.3 mm | 49.2 mm | 64.8 mm |
Design Wavelength | Visible and NIR | Visible | Visible | |||
Threading | RMS | M25 x 0.75 | ||||
Thread Depth | 4.7 mm | 4.7 mm | 4.5 mm | 4.5 mm | 4.5 mm | 5.1 mm |
図面の寸法
Chromatic Aberration Correction per ISO Standard 19012-2 | ||
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Objective Class | Common Abbreviations | Axial Focal Shift Tolerancesa |
Achromat | ACH, ACHRO, ACHROMAT | |δC' - δF'| ≤ 2 x δob |
Semiapochromat (or Fluorite) | SEMIAPO, FL, FLU | |δC' - δF'| ≤ 2 x δob |δF' - δe| ≤ 2.5 x δob |δC' - δe| ≤ 2.5 x δob |
Apochromat | APO | |δC' - δF'| ≤ 2 x δob |δF' - δe| ≤ δob |δC' - δe| ≤ δob |
Super Apochromat | SAPO | See Footnote b |
Improved Visible Apochromat | VIS+ | See Footnotes b and c |
顕微鏡用対物レンズの各部名称
各部名称をクリックすると詳細をご覧いただけます。
上の顕微鏡用対物レンズは1例です。アスタリスク(*)で示されている機構はすべての対物レンズに備わっているわけではありません。必要性や用途に応じて、追加されたり、位置が変更されたり、あるいは削除されたりしています。
対物レンズのチュートリアル
このチュートリアルでは対物レンズの様々な機構や表示、およびそれらが示す対物レンズの性能について説明します。
対物レンズの種類と収差補正
対物レンズは一般にその種類によって分類されています。対物レンズの種類によって、対物レンズがどのようにイメージング収差を補正するかが簡単に分かります。 対物レンズの種類によって示される収差補正には、像面湾曲と色収差の2つがあります。
像面湾曲(またはペッツヴァルの湾曲)は、対物レンズの焦点面が球面状に湾曲している状態を表します。この収差があるレンズでは、像面の中心に焦点を合わせると四隅が焦点から外れてしまうため、ワイドフィールド観察やレーザ走査などが困難になります。種類が「Plan」から始まる対物レンズの場合は、その焦点面が平面になるように補正されています。
また結像に際して色収差が生じる場合があり、そのときには1点から放射された光は波長により分散して1点に焦点を結びません。対物レンズによっては、性能と設計の複雑性の間でバランスをとるために、有限数のターゲット波長においてそれらの収差を補正するものがあります。
5種類の一般的な対物レンズを右表に示します。このうち3種類のみがISO 19012-2: Microscopes -- Designation of Microscope Objectives -- Chromatic Correctionで定義されています。より良い性能を表すために、当社ではISO規格には無い2つの種類を追加しています。
浸漬方法
詳細についてはそれぞれの対物レンズの画像をクリックしてご覧ください。
対物レンズは、イメージングのための光が透過する媒質によって分類することができます。ドライ対物レンズは空気中で使用しますが、液浸(DippingまたはImmersion)対物レンズは対物レンズと試料の間に液体を介在させて使用するように設計されています。
用語解説 | |
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後方焦点距離と無限遠補正 | 後方焦点距離は、中間結像面の位置を定義します。最新の対物レンズではこの面が無限遠の位置に置かれ(無限遠補正と呼ばれる)、そのようなレンズには(∞)が記されています。無限遠補正対物レンズは、対物レンズと接眼レンズの間にチューブレンズを挿入して使用するように設計されています。顕微鏡システムの互換性向上に加えて、このような無限遠補正された空間が対物レンズとチューブレンズの間にあることで、ほかのモジュール(ビームスプリッタ、フィルタ、同焦点距離エクステンダなど)を光路内に配置することが可能になります。 なお、旧型の対物レンズや特殊なタイプの対物レンズは、有限の後方焦点距離で設計されている場合があります。当初、有限の後方焦点距離の対物レンズは、顕微鏡の接眼レンズに直接対応するように作られていました。 |
入射瞳径(EP) | 入射瞳径(EP)は有効口径とも呼ばれ、対物レンズを適切に機能させるために使用すべき適切なビーム径に対応します。 EP = 2 × NA × Effective Focal Length (入射瞳径 = 2 × 開口数(NA) × 有効焦点距離) |
視野数と視野 | 視野数は、物体空間の視野の直径(mm単位)に対物レンズの倍率を乗じた値です。 Field Number = Field of View Diameter × Magnification(視野数= 視野直径 × 倍率) |
倍率 | 対物レンズの倍率(M)はチューブレンズの焦点距離(L)を対物レンズの焦点距離(F)で割った値です。有効焦点距離はEFLと略記されることがあります。 M = L / EFL . システムの総合倍率は、対物レンズの倍率に接眼レンズまたはカメラチューブの倍率を乗じて得られます。顕微鏡用対物レンズ筐体に示されている倍率は、その対物レンズに対応する焦点距離のチューブレンズと組み合わせてお使いになる場合にのみ正しい値です。対物レンズには、倍率を示す色のリングが付いています。これは比較的どのメーカでも共通しています。詳細は上の「顕微鏡用対物レンズの各部名称」をご覧ください。 |
開口数(NA) | 開口数は、対物レンズの最大受光角を表す無次元量です。一般的には下の式で表されます。 NA = ni × sinθa ここでθaは対物レンズの最大受光角度の1/2(半角)、niは媒質の屈折率です。典型的な媒質は空気ですが、水や油などほかの物質の場合もあります。 |
作動距離 | 作動距離(WD)は対物レンズの設計に依存しており、対物レンズの前面から試料の上部(カバーガラスを使用しない場合)まで、またはカバーガラスの上部までの距離を表します。対物レンズに刻印されているカバーガラスの厚さの仕様値により、カバーガラスを使用すべきかどうかが分かります。 |
カメラで画像を表示する場合、システム倍率は対物レンズの倍率とカメラチューブの倍率の積です。三眼鏡筒で画像を表示する時のシステム倍率は、対物レンズの倍率と接眼レンズの倍率の積です。
Manufacturer | Tube Lens Focal Length |
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Leica | f = 200 mm |
Mitutoyo | f = 200 mm |
Nikon | f = 200 mm |
Olympus | f = 180 mm |
Thorlabs | f = 200 mm |
Zeiss | f = 165 mm |
倍率と試料領域の計算方法
倍率
システムの倍率はシステム内の各光学素子の倍率の積で求めます。倍率のある光学素子には右図の通り、対物レンズ、カメラチューブ、そして三眼鏡筒の接眼レンズが含まれます。なお、各製品仕様に記載されている倍率は通常、すべて同じメーカの光学素子を使用した時のみ有効であることにご留意ください。同じメーカの光学素子を使用していない場合、システムの倍率は下記の通り、まず対物レンズの有効倍率を求めたあと算出する必要があります。
下記の例をお手持ちの顕微鏡に応用する場合には、上のMagnification and FOV Calculator(赤いボタンをクリック)をダウンロードしてご使用ください。こちらの計算用エクセルファイルはマクロを使用したスプレッドシートになっています。計算を行う際はマクロを有効にする必要があります。マクロを有効にするには、ファイルを開いて、上部にある黄色いメッセージバー上の「編集を有効にする」ボタンをクリックしてください。
例1:カメラの倍率
試料をカメラでイメージングする場合、イメージは対物レンズとカメラチューブによって拡大されます。倍率が20倍のNikon製対物レンズと倍率が0.75倍のNikon製カメラチューブを使用している場合、カメラの倍率は20倍 × 0.75倍 = 15倍となります。
例2:三眼鏡筒の倍率
三眼鏡筒を通して試料をイメージングする場合、イメージは対物レンズの倍率と三眼鏡筒内の接眼レンズによって拡大されます。倍率が20倍のNikon製対物レンズと接眼レンズの倍率が10倍のNikon製三眼鏡筒を使用している場合、接眼レンズでの倍率は20倍 × 10倍 = 200倍となります。なお、右図のように接眼レンズでの像はカメラチューブを通りません。
メーカが異なる対物レンズと顕微鏡を使用する場合
倍率は根源的な値ではなく、特定のチューブレンズの焦点距離を推定して計算し、導き出す値です。右の表のように各顕微鏡メーカはチューブレンズに様々な焦点距離を設定しています。そのため異なるメーカの光学素子を組み合わせる場合、システムの倍率を算出するには対物レンズの有効倍率を計算する必要があります。
対物レンズの有効倍率は式1で求められます。
(Eq. 1) |
ここでDesign Magnificationは対物レンズに印字されている倍率、fTube Lens in Microscopeは使用する顕微鏡内のチューブレンズの焦点距離、fDesign Tube Lens of ObjectiveはDesign Magnificationを算出するために対物レンズのメーカが使用したチューブレンズの焦点距離です。焦点距離は右表に記載されています。
Leica、Mitutoyo、Nikonならびに当社ではチューブレンズの焦点距離は同じです。これらのメーカの光学素子を組み合わせた場合、倍率の変換は必要ありません。対物レンズの有効倍率が算出されたら、上記のようにシステムの倍率が計算できます。
例3:三眼鏡筒の倍率(異なるメーカを使用)
三眼鏡筒を通して試料をイメージングする場合、イメージは対物レンズの倍率と三眼鏡筒内の接眼レンズによって拡大されます。この例では倍率が20倍のOlympus製対物レンズと接眼レンズの倍率が10倍のNikon製三眼鏡筒を使用します。
式1と右の表によりNikon製顕微鏡内のOlympus製対物レンズの有効倍率を下記の通り計算しました。
Olympus製対物レンズの有効倍率は22.2倍で、三眼鏡筒の接眼レンズの倍率は10倍なので、接眼レンズでの倍率は、22.2倍 × 10倍 = 222倍となります。
カメラでイメージングする試料領域
試料をカメラでイメージングする場合、試料領域の寸法はカメラセンサの寸法とシステム倍率を使用して下の式2で求められます。
(Eq. 2) |
カメラセンサの寸法はメーカが提供しています。またシステム倍率は対物レンズの倍率とカメラチューブの倍率の積です(例1をご参照ください)。必要に応じ、対物レンズの倍率を例3のように調整します。
倍率が高くなればなるほど分解能も向上しますが、視野は狭くなります。倍率と視野の関係性については右の図でご覧いただけます。
例4:試料領域
当社のサイエンティフィックカメラ1501M-USB(旧製品)内のカメラセンサの寸法は8.98 mm × 6.71 mmです。このカメラを例1のNikon製対物レンズと三眼鏡筒に使用した場合、システム倍率は15倍となります。イメージングの領域は下記の通りになります。
試料領域例
下のマウス腎臓の画像はすべて同じ対物レンズとカメラを使用して取得しました。ただし、カメラチューブのみ違う製品を使用しています。左から右の画像にいくにつれカメラチューブの倍率が下がっていますが、視野が広くなる分、細部も小さくなり見にくくなることが分かります。
分解能のチュートリアル
多くのイメージングにおいて、対物レンズの分解能は重要なパラメータです。このチュートリアルでは、対物レンズの分解能を定義するために使用されるさまざまな約束事について説明します。当社のサイトに掲載しているすべてのイメージング用対物レンズには、レイリー分解能の理論値を示しています。ここに示すそれ以外の基準に基づく記述方法は、情報提供の目的で提示しています。
分解能
対物レンズの分解能は、物体の近接した構造を識別する性能を表します。これは多くの場合、2つの点光源で構成される物体を想定し、これらの2つの点光源を分解できる最小間隔を求めることによって理論的に定量化します。点光源をイメージングしてみると、単体の明るい点となることはなく、回折の影響を受けて幅の広い強度プロファイルとして現れます。このプロファイルはエアリーディスクとして知られ、強度の高い中央のピークと、それを囲む強度の低いリングから構成されます。そのため、2つの互いに近接する点光源から生成されるイメージは、2つの重なり合うエアリーディスクプロファイルから構成されることになります。したがって、対物レンズの分解能は2つのプロファイルを一意的に識別できる最小間隔によって決めることができます。どのような状態であれば2つのプロファイルが分解されたとするのかという点について、基本的な基準はありません。しかし、実際に使用されている基準は幾つかあります。顕微鏡イメージングの分野で最も一般的に使用されている基準としては、レイリーの基準とアッベの基準の2つがあります。その他の基準としては、天文学の分野でより一般的に用いられているスパローの基準があります。
レイリーの基準
レイリーの基準では、一方の強度プロファイルの最初の極小値の位置が、もう一方の強度プロファイルの最大値の位置と一致したときに、2つの重なり合うエアリーディスクプロファイルが分解されたとします[1]。エアリーディスクの最初の強度の極小値は、中心の最大値から半径1.22λf/Dの位置に生じることを示すことができます。ここで、λは光の波長、fは対物レンズの焦点距離、Dは入射瞳の直径です。したがって、開口数(NA = 0.5*D/f)を用いて、レイリー分解能は次の式で表されます。
rR = 0.61λ/NA
レイリー分解能に等しい距離だけ離れた2つのエアリーディスクの理想的なイメージを左下に示します。光源はインコヒーレント光源であると仮定しています。この図の2つの最大値を通る水平な線に沿って、その強度分布をグラフ化すると右側の図が得られます。この強度プロファイルの図における垂直の点線により、一方のエアリーディスクの最大値の位置と、もう一方のエアリーディスクの最初の極小値の位置が一致していることが分かります。2つの最大値の間には極小値があり、それにより2つの白いピークの間には灰色の領域が現れています。
左:2つの点光源がレイリー分解能によって分離されたとき、それらは分解されたとみなします。2つの白いピークの間に灰色の領域がはっきりと見えます。
上:垂直の点線により、一方の強度プロファイルの最大値の位置が、もう一方の強度プロファイルの最初の極小値の位置と一致していることが分かります。
当社では、ウェブサイトに掲載しているすべてのイメージング用対物レンズについて、そのレイリー分解能の理論値を個別の製品説明ページでご提示しています。
アッベの基準
アッベの理論では、画像形成を回折の二重プロセスとして表現します[2]。そのフレームワークでは、2つの構造が距離dだけ離れているとき、それらを分解するには少なくとも0次と1次の両方の回折光が対物レンズの開口部を通過する必要があるとします。1次回折光はsin(θ1) = λ/dで表される角度θ1の方向に現れるため、分解可能な最小の物体間距離、すなわち対物レンズの分解能はd = λ/n*sin(α)で与えられます。ここで、αは対物レンズの半開口角、係数nはイメージング媒体の屈折率です。この結果は、実際の限界に対して2倍の過大評価をしています。理由は、0次光とともに対物レンズを通過しなければならない1次光は少なくとも1つあればよいわけですが、ここでは両方の1次光を通過させているためです。上記の結果を2で除し、さらに開口数の定義(NA = n*sin(α))を使用することで、有名なアッベの分解能限界が得られます。
rA = 0.5λ/NA
下の画像は、アッベの分解能限界で分離された2つのエアリーディスクを表しています。レイリー限界と比較して、原点における強度の減少を識別するのは大分困難になります。右側の強度分布図を見ると、中心の強度の減少はわずか2%です。
左:アッベの分解能限界によって分離された2つの点光源 最大値と中央の極小値の間のコントラストは観察可能ではありますが、レイリー限界と比較するとはるかに弱くなっています。
上:このグラフでは2つの最大値の間に小さな強度の減少が見られます。
スパローの基準
2つの点光源の間の距離がレイリーまたはアッベの分解能基準に対応する場合、重ね合わせられた強度プロファイルにおける2つの最大値の間の原点に極小値が見えます。そういった意味では、これらの評価基準では2つの点光源を分解することができています。しかし、点光源間の距離がアッベの分解能限界を超えてさらに小さくなると、2つの独立した最大値は1つの中央の最大値に一体化され、2つの光源からの寄与を個々に分解することができなくなります。スパローの基準では、中央の極小値が中央の最大値に変化したときに分解能限界に達したとします。
スパローの分解能限界では、重ね合わせられた強度プロファイルの中心は平坦になります。これは、位置に関する微分係数が原点でゼロになることを意味します。しかし、原点でのこの1次微分係数は、重ね合わせられた強度プロファイルの極小値または最大値であるため、常にゼロです(厳密に言えば、これは2つの光源の強度が等しい場合にのみ当てはまります)。従って、原点の強度が極小値から最大値に変化するときにスパローの分解能限界に到達したことになるため、このときに2次微分係数の符号が正から負に変化する必要があります。このようにスパローの基準は2次微分係数に課される条件となり、2次微分係数がゼロのときに分解能限界に到達することになります[3]。 この条件を2つのエアリーディスクが重ね合わせられた強度プロファイルに適用すると、スパロー分解能が次のように得られます。
rS = 0.47λ/NA
左下の画像は、スパローの分解能限界の距離に置かれた2つのエアリーディスクのイメージを示しています。上記のように2つのピークの間では強度が一定であり、原点での強度のくぼみはありません。右側のグラフでは、原点付近で強度が一定であることを確認できます。
左:スパローの分解能限界によって分離された2つのエアリーディスクのプロファイル レイリーやアッベの限界とは異なり、原点で強度は減少しません。
上:スパローの分解能限界では、重ね合わせられた強度分布は原点付近で一定になります。ここではスケールが1に規格化されています。
参考文献
[1] Eugene Hecht, "Optics," 4th Ed., Addison-Wesley (2002)
[2] S.G. Lipson, H. Lipson, and D.S. Tannhauser, "Optical Physics," 3rd Ed., Cambridge University Press (1995)
[3] C.M. Sparrow, "On Spectroscopic Resolving Power," Astrophys. J. 44, 76-87 (1916)
Posted Comments: | |
思 李
 (posted 2024-08-06 07:50:01.153) 技术您好,我想请问一下这些油镜的光学镜片部分,用的是什么玻璃?是常见的D-ZK3玻璃吗? cdolbashian
 (posted 2024-08-14 12:19:35.0) Thank you for reaching out to us. The inquiry is as follows "Hello Tech, I would like to ask what kind of glass is used for these oil objectives. Is it common D-ZK3 glass". Unfortunately, these are sourced from a vendor, and they hold all information regarding materials-used as proprietary. I have contacted you directly in order to find our exactly why this information is required. Perhaps there is a way which I can assist. user
 (posted 2024-06-25 15:33:55.563) Hi,
I updated my OT system with such objective for fluorescence optimization.
I am wondering wether it suits: I experienced strong SA with a z-elongated unstable trap.
Laser beam is 3x expanded, polarized (1064 μm, 500 mW, SM, CW).
It worked fine with the previous 1.25 100x Nikon obj.
Do you think that the DIC features would affect the trap ? How to adress this issue ?
Thanks in advance cdolbashian
 (posted 2024-07-03 09:53:33.0) Thank you for reaching out to us with this inquiry. This is a bit unexpected as there shouldn't be performance degradation due to the inclusion of this objective. I have contacted you directly to troubleshoot this issue. Isael Herrera
 (posted 2021-05-24 18:58:33.007) The note b) below the first table in section "specs" says:
"Entrance pupil diameter (EP) is defined at the back aperture of the objective and calculated as EP=2*NA*EFL. This formula is valid for oil objectives when the sample's refractive index is at least 1.50."
I think that the correct formula should be EP=2*NA*EFL/n, with n the index of refraction. Am I wrong? Otherwise, you are no considering the index of refraction (n =1.5) in the formula. YLohia
 (posted 2021-05-27 03:04:31.0) Hello, thank you for your feedback. This equation assumes the index of refraction >= 1.5 in the calculation due to the definition of the NA spec (which includes the index of refraction). Please see the "Numerical Aperture (NA)" field under the "Glossary of Terms" table in the "Objective Tutorial" tab. Philip Binner
 (posted 2020-10-30 13:27:24.633) 1.25-0.65 NA
I am confused by the notation of this ^. Does this mean the numerical aperture can take on any value between 0.65 and 1.25? YLohia
 (posted 2020-10-30 02:08:32.0) Thank you for contacting Thorlabs. The -PFOD objectives have built-in irises that allow for the effective NA to be changed between the specified values (for example, between 0.65 and 1.25). |
- 近赤外および可視光用油浸対物レンズ
- 無限遠補正されたプランフルオリート設計またはプランアクロマート設計
- RMS60X-PFODおよびRMS100X-PFODでは暗視野顕微鏡用に絞り付き
- RMSネジ付き
- 焦点距離180 mmのチューブレンズ用
- 同焦点距離45.06 mm
これらの対物レンズは40倍、60倍、100倍の倍率で、可視光スペクトル全体にわたって平坦な画像をご提供します。また、高いNA値、優れた解像度が得られます。RMS40X-PFO、RMS50X-PFOD、RMS100X-PFO、およびRMS100X-POFDはプランフルオリート設計ですが、 RMS100X-Oはプランアクロマート設計です。 設計の違いについては「対物レンズチュートリアル」タブをご参照ください。
こちらの対物レンズはすべて明視野顕微鏡にお使いいただけます。また、 RMS100X-O以外の対物レンズはDIC顕微鏡にも適しています。また、RMS60X‑PFODとRMS100X‑PFODには、絞りが設けられています。 この絞りは、暗視野顕微鏡用途に使用する際に、暗視野観察におけるバックグラウンドの暗さを維持するため部分的に閉じる設計となっています。油浸暗視野コンデンサーレンズを使用している場合、高い開口数(NA1.2以上)の油浸対物レンズには絞りは必ず必要とされます。通常の明視野観察では、絞りは完全に開いた状態で使用します。絞りのアジャスタは、上図および右図に示されています。
こちらの対物レンズは標準のRMSネジ規格です。こちらの対物レンズを他のネジ規格でご使用の場合は、RMSネジアダプタをご使用ください。
最良の性能を得るために、対物レンズメーカは同メーカの油浸オイルのご使用を推奨しています。下記にて様々なメーカのオイルをご紹介しておりますのでご参照ください。また、対物レンズ用の保護キャップも下記にてご紹介しております。
*価格について - こちらの製品は新設研究室サポートプログラムをはじめとするすべてのお値引きの対象外となります。予めご了承ください。
- 可視光用油浸対物レンズ
- 無限遠補正されたプランフルオリート設計
- 高いNA値のイメージングに適した製品
- M25 x 0.75ネジ付き
- 焦点距離200 mmのチューブレンズ用
- 同焦点距離60 mm
この対物レンズは100倍の倍率で、透過率が高く(特にUV域で顕著)、視野に渡って平坦な画像が得られます。そのため、レーザ走査顕微鏡技術での使用に適しています。 DIC顕微鏡用に設計されていますが、 明視野顕微鏡や偏光顕微鏡にもお使いいただけます。また、この対物レンズはNA値が高いので、 光ピンセット用途にもお使いいただけます。M25 x 0.75ネジを使用していますが、M25 x 0.75ネジアダプタを使用して他のネジ規格にご使用いただくことも可能です。
この対物レンズは、-18 °C ~60 °Cでの使用向けに設計されており、極端な温度環境での使用はお勧めいたしません。最良の性能を得るために、対物レンズメーカは同メーカの油浸オイルのご使用を推奨しています。下記では様々なメーカのオイルをご紹介しておりますのでご参照ください。
*価格について - こちらの製品は新設研究室サポートプログラムをはじめとするすべてのお値引きの対象外となります。予めご了承ください。
- 油浸対物レンズ用オイル
- 蛍光顕微鏡用に最適化された超低自家蛍光オイル
- 不乾性、ポリ塩化ビフェニル(PCB)不使用
こちらの顕微鏡用油浸オイルは、油浸顕微鏡対物レンズと組み合わせてお使いいただくよう設計されています。対物レンズの前面とカバーガラスの間をオイルで満たすことによって、対物レンズの開口数を高め、対物レンズによる集光を最大化することができます。試料からの光の屈折を最小にするには、オイルの屈折率をカバーガラスとほぼ同じにする必要があります。
油浸オイルは低自家蛍光、もしくは超低自家蛍光タイプからお選びいただけます。自家蛍光とは、オイルを光に曝した際に自然に発光する蛍光のことです。油浸オイルは、それぞれ異なるレベルの背景放射を持ち、像のコントラストを上げる場合と下げる場合があります。超低自家蛍光のオイルは、感度の高い用途やUV蛍光顕微鏡の用途に最適化されています。
油浸オイルを使用後、油浸対物レンズのクリーニングを行う際は、当社のプレミアムレンズ用ティッシュ(型番MC-5)などの柔らかいレンズ用ティッシュをご使用ください。
Item # | MOIL-30 | MOIL-20LN | OILCL30 | MOIL-10LF | ||
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Refractive Indexa | 1.518 at 546.1 nm | |||||
Abbe Numbera (at 546.1 nm) | 40.8 | 42.1 | 41 | 45.8 | ||
Type | Olympus Type F | Leica Type N | Cargille Type LDF | Leica Type F | ||
Viscositya,b | 450 mm2/s | 825 mm2/s | 500 mm2/s | 435 mm2/s | ||
Autofluorescence | Low | Low | Very Low | Very Low | ||
Volume | 30 mL / 28 g | 20 mL | 30 mL | 10 mL |