MEMS-VCSEL波長掃引レーザー光源
SL101081
1060 nm MEMS-VCSEL Swept Source
100 kHz Sweep Rate, 24 mm MZI Delay
with Integrated Balanced Detector
- Available with 1060 nm or 1300 nm Center Wavelength
- Sweep Rates from 50 kHz to 400 kHz
- Over 100 mm Coherence Length
- Single Mode, Mode-Hop-Free Operation
- Linear Sweep Trajectory
Please Wait
当社ではご購入に関するご相談やご要望を承ります。
当社までご連絡ください。
Common Specificationsa | |
---|---|
Wavelength Sweep Range | 100 nm |
Coherence Length | ≥100 mm |
Ripple Noise Suppression | ≥50 dB |
Relative Intensity Noise (RIN) | ≤2% |
特長
- ベンチトップ型波長掃引レーザ光源
- 中心波長:1060 nmまたは1300 nm
- 100 nmのモードホップフリー波長掃引
- 調整可能なkクロック信号の遅延
- トリガ信号、kクロック信号の出力端子付き
当社では中心波長1060 nmまたは1300 nmの波長掃引レーザをご用意しており、これらは100 nmの全波長域にわたりモードホップフリーで動作します。コヒーレンス長は大変長く、100 mmを超えます。掃引速度は50 kHz~400 kHz、マッハツェンダ干渉計(MZI)の遅延は8 mm~72 mmから選択することができます。こちらのベンチトップ型光源には当社の差分ディテクタの組込みも可能です。 下記のレーザ以外の構成をご希望の場合には、カスタム構成について当社までお問い合わせください。
こちらのベンチトップ型シングルモードレーザ光源は、主に優れた感度を必要とする高速の長距離光コヒーレンストモグラフィ(OCT)システム用として設計されていますが、計測、分光、およびその他の用途にも適しています。 この光源はMEMSベースの波長可変垂直共振器型面発光レーザ(MEMS-VCSEL)で、レーザの寿命時間を通して一定の出力を維持するアクティブ型の出力制御機能が付いています。ファイバ結合用のFC/APCレーザ出力ポートは、使用していないときは扉を右にスライドさせて閉じることができ、ビームブロックとしてもダストカバーとしても機能します。
MEMS-VCSELレーザをカスタム仕様の波長掃引型OCTシステムに簡単に組み込むために必要な全ての駆動回路とトリガ信号が含まれています。内蔵のマッハツェンダ干渉計(MZI)と駆動回路によって生成されるkクロックデジタル出力信号は、データ取得用のサンプリングクロックとしてそのまま使用することができ、k空間で再サンプリングする必要はありません。kクロック信号の遅延時間は±8 nsまで、レーザの出力は±5%まで調整可能です。
MEMS-VCSEL波長掃引光源を使用したOCTイメージング
MEMS-VCSEL光源を用いて構築されたOCTシステムでは、高品質なイメージングと深いイメージング深度を得ることができます。左下のOCTによる前眼部の断面画像は、Vega OCTシステムに内蔵されているSSL131090と同等のレーザを用いて取得しました。レーザは100 nmの波長域を100 kHzの速度で掃引しました。このVegaシステムは遅延44 mm のマッハツェンダ干渉計を有し、大気中での軸方向分解能として16 μm以上、最大深度として11 mmまでの高分解能イメージングが可能です。OCTの測定信号は500 MSPS A/Dコンバータによってデジタル化され、システムは毎秒100 000 のAスキャンができます。このシステムとその性能についての詳細はこちらをご覧ください。
点拡がり関数(Point Spread Function/PSF)は、イメージングシステムの光学性能を表す量で、ピークが狭いほど性能が良いことを示します。中央下のグラフは、左のイメージングで使用したものと同じVegaシステムのPSFですが、これは当社の波長掃引レーザ光源を用いたすべてのOCTシステムで得られる典型的なものです。例えばSL101081が組み込まれたシステムで得られたPSFをその右に示します。同様の性能を示していますが、最大イメージング深度は6 mmです。
MEMS-VCSEL波長掃引レーザ光源、1060 nm
Item #s | SL100060, SL100061 | SL101080, SL101081 | SL101060, SL101061 | SL102080, SL102081 | SL104070, SL104071 | |
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Sweep Rate | fMEMS | 60 kHz | 100 kHz | 100 kHz | 200 kHz | 400 kHz |
Duty Cycle (Unidirectional Sweep) | DBOA | > 60% | > 60% | > 60% | > 50% | > 50% |
MZI Delay | ΔMZI | 48 mm | 24 mm | 48 mm | 24 mm | 8 mm |
k-Clock Minimum Pointsa | Nmin | 4096 | 2048 | 4096 | 2048 | 640 |
k-Clock Max Frequency (Typical) | fclock | 500 MHz | 500 MHz | 900 MHz | 900 MHz | 900 MHz |
Imaging Depth Range (Approximate) | Δzmax | 12 mm | 6 mm | 12 mm | 6 mm | 2 mm |
Optical Specifications for 1060 nm Swept Sources | ||||
---|---|---|---|---|
Parameter | Symbol | Minimum | Typical | Maximum |
Center Wavelength | λc | 1040 nm | 1060 nm | 1080 nm |
Wavelength Sweep Rangea (-10 dB) | Δλsweep | 95 nm | 100 nm | - |
Average Output Power | Po | 15 mW | 17.5 mW | 20 mW |
Coherence Length | LCoh | 100 mm | > 1 m | - |
Spectral Ripple Noise Suppression | dP | - | ≥50 dB | - |
Relative Intensity Noise | RINORTHO | - | - | 2% |
λ Trigger Wavelengthb | - | 1045 nm | 1050 nm | 1055 nm |
Output Fiber Numerical Aperture | NA | - | 0.105 | - |
Laser Classification (IEC 60825-1:2014) | - | 3R |
MEMS-VCSEL波長掃引レーザ光源、1300 nm
Item #s | SL130160, SL130161 | SL131090, SL131091 | SL131160, SL131161 | SL132120, SL132121 | SL134050, SL134051 | |
---|---|---|---|---|---|---|
Sweep Rate | fMEMS | 50 kHz | 100 kHz | 100 kHz | 200 kHz | 400 kHz |
Duty Cycle (Unidirectional Sweep) | DBOA | > 60% | > 60% | > 60% | > 50% | > 50% |
MZI Delay | ΔMZI | 72 mm | 44 mm | 72 mm | 32 mm | 12 mm |
k-Clock Minimum Pointsa | Nmin | 4096 | 2496 | 4096 | 1792 | 640 |
k-Clock Max Frequency (Typical) | fclock | 500 MHz | 500 MHz | 900 MHz | 900 MHz | 900 MHz |
Imaging Depth Range (Approximate) | Δzmax | 18 mm | 11 mm | 18 mm | 8 mm | 3 mm |
Optical Specifications for 1300 nm Swept Sources | ||||
---|---|---|---|---|
Optical Specifications | Symbol | Minimum | Typical | Maximum |
Center Wavelength | λc | 1280 nm | 1300 nm | 1320 nm |
Wavelength Sweep Rangea (-10 dB) | Δλsweep | 95 nm | 100 nm | - |
Average Output Power | Po | 20 mW | 25 mW | 30 mW |
Coherence Length | LCoh | 100 mm | > 1 m | - |
Spectral Ripple Noise Suppression | dP | - | ≥50 dB | - |
Relative Intensity Noise | RINORTHO | - | - | 2% |
λ Trigger Wavelength | - | 1295 nm | 1300 nm | 1305 nm |
Output Fiber Numerical Aperture | NA | - | 0.09 | - |
Laser Classification (IEC 60825-1:2014) | - | 1M |
MEMS-VCSEL波長掃引光源の共通仕様
Physical Specifications | ||
---|---|---|
Parameter | Minimum | Maximum |
Main AC Voltage | 100 VAC | 250 VAC |
Power Consumption | - | 45 W |
Line Frequency | 50 Hz | 60 Hz |
Operating Temperature | 10 °C | 35 °C |
Storage Temperature | 0 °C | 50 °C |
Relative Humidity | - | 85%, Non-Condensing |
Electrical Performance Specifications | |||
---|---|---|---|
Parameter | Minimum | Typical | Maximum |
k-Clock "Dummy Clock" Frequency | - | 250 | MHz |
k-Clock Amplitude | - | - | 1.0 Vpp |
Sweep Trigger Pulse Width (100 kHz Sweep Rate) | - | 350 ns | - |
Sweep Trigger Rise Time | - | 0.6 ns | - |
Sweep Trigger Output Type | LVTTL | ||
λ Trigger Pulse Width (100 kHz Sweep Rate) | 25 ns | 50 ns | 75 ns |
λ Trigger Rise Time | - | 0.6 ns | - |
λ Trigger Output Type | LVTTL | ||
Laser Controller Start Delay | 5 s | - | 15 s |
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差分ディテクタ内蔵MEMS-VCSEL波長掃引レーザ光源の概略図
当社のMEMS-VCSELベンチトップ型レーザには、レーザ駆動回路、温度コントローラ、トリガ信号回路、光アイソレータなどが全て内蔵されているため、簡単に操作ができ、また様々な波長掃引OCTシステムへの組込みが可能です。またこのベンチトップ型レーザ光源には特別設計のマッハツェンダ干渉計「kクロック」が採用されており、データ取得のためのデジタルトリガー信号を出力します。
右はMEMS-VCSELベンチトップ型システムの概略構成図です。レーザは、MEMS-VCSEL共振器、偏光依存型半導体光増幅器(BOA)、光ファイバーモニタ用ネットワーク、信号発生回路で構成されています。MEMS-VCSEL共振器モジュールの光出力部は、半導体光増幅器の光入力部に接続されます。光アイソレータがベンチトップ型レーザ光源に内蔵されているため、レーザ外部にアイソレータを設置する必要がありません。図の下部に示されている3種類の電気信号は何れもSMA端子を介して出力され、データ取得システムを波長掃引レーザの出力に同期させることができます。
掃引トリガ
掃引トリガ(Sweep Trigger)端子からは、波長掃引開始時に電気的に生成されたライントリガ信号を出力します。パルスの立ち上がりエッジが掃引の開始と同期しています。掃引トリガは、一般的にデータ取得システムのトリガに使用されます。信号は50 Ωで直列終端されています。
波長トリガ(λトリガ)
波長トリガ(λ Trigger)端子からは、レーザの出力光が特定の波長を越えたときに光学的に生成されたライントリガ信号を出力します。 この1310 nmのファイバーブラッググレーティングをベースとした光学トリガの場合は、掃引の中間点を表します。 高い波長安定性により掃引トリガの代わりにも使用されますが、掃引の繰り返しに対する安定性が必要とされる位相に敏感な用途にも使用可能です。信号は50 Ωで直列終端されています。
kクロック
kクロック(k-clock)端子からは、マッハツェンダ干渉計で生成された、データ取得用のサンプリングクロック信号が出力されます。マッハツェンダ干渉計からデジタル信号として出力される「kクロック」は波数と線形関係にあるため、この光学的に生成された信号を用いれば、(時間領域での信号と違って)「k空間」での線形的なサンプリングが可能になります。この信号はAC結合のデジタルクロックで、振幅は0.7~1.0 Vppです。 バックスキャン時は、kクロック回路は「ダミークロック」に切り替えられて固定周波数となり、光学サブシステムとは無関係になります。ダミークロックの周波数は約250 MHzです。
差分ディテクタ(SL1xxxx0光源には内蔵されていません)
末尾が1の型番に内蔵されている差分ディテクタは、2つの整合性の高いフォトダイオードと、超低ノイズの高速トランスインピーダンスアンプで構成されています。Rx+とRx-の差分をとることにより差分レシーバとして機能し、コモンモード雑音を除去します。これにより、干渉ノイズフロアから信号経路における小さな変化を抽出してRF出力電圧が生成されます。各フォトダイオードに入射している光パワーのレベルはMonitor+とMonitor- の高速モニタ出力でモニタできます。
*差分ディテクタとそれに付随する回路は、末尾が0の型番にはありません。
前面&背面パネル(差分ディテクタなし、SL1xxxx0光源)
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MEMS-VCSEL光源の前面パネル
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MEMS-VCSEL光源の背面パネル
前面&背面パネル(差分ディテクタ付き、SL1xxxx1光源)
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MEMS-VCSEL光源の前面パネル、差分ディテクタ付き
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MEMS-VCSEL光源の背面パネル、差分ディテクタ付き
Front Panel | |
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Callout | Description |
F1 | Laser Enable Button |
F2 | Laser Power Key Switch |
F3a | Optical Output, FC/APC Connector |
F4a | Rx+ Optical Input, FC/APC Connector |
F5a | Rx- Optical Input, FC/APC Connector |
Back Panel | |
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Callout | Description |
B1 | Data Acquisition (DAQ) Trigger Signal |
B2 | Center Wavelength (CWL) Trigger Signal |
B3 | k-Clock Signal |
B4 | Balanced Detector RF Output Signal |
B5 | Balanced Detector Monitor+ |
B6 | Balanced Detector Monitor- |
B7 | USB Type B Port |
B8 | Main Power Switch |
B9 | Fuse Holder |
B10 | AC Power Cord Connector |
B11 | Interlock Connector |
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図1:Praevium社のMEMS波長可変VCSELでは革新的な設計を採用しており、高速で発振波長域が広く、またコヒーレンス長も長いという特性を実現しています。これらの特性は、波長掃引(SS)OCT用途に適しています。
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図2:MEMS波長可変VCSELは単一ウェハ上に高密度に作り込むことができ、生産性を上げることができます。右上に挿入された写真は、加工後の単一のMEMS波長可変VCSELです。MEMS波長可変VCSELの外形寸法は約600 μm×600 μmです。
VCSEL概要
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)は、チップ表面に対して垂直方向に光を出力する半導体ベースの光デバイスです(図1を参照)。VCSELは元々、端面発光型半導体レーザに代わる、低コスト、低出力の半導体として、主に大容量データ通信用に開発されました。その後、多くのVCSELの利点が明らかとなり、様々な用途において、端面発光型半導体レーザに代わる使用方法が検討されてきました。端面発光型の光源と比較して、VCSELは優れたビーム品質と縦シングルモード動作をもたらします。
MEMS波長可変VCSEL では、MEMSミラーでレーザの共振器長を変えて出力波長を調整します。MEMS波長可変VCSELは数年前から存在していますが、可変波長域と出力が制限されることが、OCT用途での使用を妨げてきました。Praevium Research社は、当社およびMIT との協力のもと、こうした制限のないMEMS波長可変VCSELを開発しました。
MEMS波長可変VCSELがOCTの用途に使用できるためには、以下の基準を満たす必要があります。
- 高速な掃引速度
- 広いチューニングレンジ
- 長いコヒーレンス長
- 高いレーザ出力
高速な掃引速度
OCTでは、画質を劣化させることなく高速にイメージングできることが要求されます。高速な画像取得レートにより、時間分解能の向上、高密度の3次元データセット収集、試料へのレーザ照射時間の減少が可能となります。
現在では、高速走査を可能にする波長掃引レーザ光源がいくつかあります。例えば、フーリエドメインモード同期レーザは非常に高速なイメージング速度を可能としますが、レーザ共振器内で光ファイバによる長い光遅延を必要とし、ファイバ損失が小さい波長範囲でしか動作できません。市販の高速掃引レーザは、その多くがマルチ縦モードまたは長い共振器長で動作するので、コヒーレンス長または掃引速度が制限されます。
MEMS波長可変VCSEL内のMEMS調整ミラーは、質量が小さく共振器長が短いため、高速動作に適しています。また、短い共振器長によって、利得スペクトル内には1つのモードしかないため、シングルモードでの連続的な掃引も可能になります。当社では、MEMS波長可変VCSELの試作品を使用して、掃引速度を上げるために、光多重化を用いることなく、500 kHzを超える掃引レートの計測を実現しました。
広い波長掃引幅
高分解能イメージングの性能は、レーザ光源の波長掃引幅に依存します。Praevium社は、これまで開発されてきた中で最も広い掃引幅を持つMEMS波長可変VCSELを開発しました。広帯域の酸化ミラー、広帯域の利得領域、薄いアクティブ領域などのユニークな設計により、中心波長1300 nm付近で、100 nmを超える連続的なモードホップフリーの波長掃引幅を実現しました。詳細は図3をご参照ください。
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図3:MEMS波長可変VCSELは100 nm 以上の波長掃引が可能です。上図は中心波長1300 nm、スペクトル帯域幅110 nmの縦シングルモード動作を示しています。
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図4:上図は200 kHz動作、中心波長1310 nm付近で、ポストアンプにSOAを使用して増幅されたMEMS波長可変VCSELのスペクトルです。
長いコヒーレンス長
多くのOCTシステムで顕著に見られる性能限界の1つが可視深度(イメージングの最大深度)です。特に、試料の厚さ、患者の動き、試料位置が制御できない医療用途では、深くまでイメージングできることは強みとなります。しかしコヒーレンス長を長くするだけでは不十分です。イメージ感度が全ての深さで実質的に影響を受けない必要があります。当社のMEMS波長可変VCSELは、マイクロメートルスケールの共振器長と、縦シングルモードのモードホップフリー動作によって、信号の劣化がほとんどない、100 mmを超えるコヒーレント長を実現しました。現在、イメージング深度はディテクタの帯域幅によって制限されていますが、当社では MEMS波長可変VCSELがこれまでにない深いイメージング深度を達成すると考えています。この優れたイメージング深度は医療用OCTイメージングに役立つだけでなく、大きな物体の表面形状計測、高速な周波数領域の反射率測定、高スペクトル分解能での高速分光計測のように他の用途での使用を可能にします。
高いレーザ出力
イメージング速度の高速化は、しばしばレーザ出力や試料に照射する光強度の減少につながります。端面発光型光源がVCSEL に優る利点の1つは、出力強度を大きくできることです。一般に、ほとんどのOCT イメージング用途では、高速走査レートのイメージング時でも画質を維持するため、少なくとも20 mW のレーザの出力パワーを必要とします。この目標を達成するため、MEMS波長可変VCSELを半導体光増幅器(SOA)と組み合わせて、25 mWを上回る出力を得られるようにしました。ポストアンプSOAによりMEMS-VCSELの出力スペクトルの形がより均一に整えられるという利点もあります。
その他
MEMS波長可変VCSELならではの特長は、異なる波長範囲に拡張できることです。利得媒質と誘電体反射ミラーの革新的な組み合わせによって、可視域や近赤外域における広い波長範囲の対応が可能となり、この新しい光源製品はこれからラインナップを増強していきます。
当社では今後もこの光源の開発を継続しながら、このVCSEL光源を用いた新しい用途を追及してまいります。MEMS波長可変VCSELの詳細については当社までお問い合せください。
MEMS波長可変VCSEL の製造
ステップ1
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VCSELのウェハでは、多重量子井戸(MQW)活性層(A)の形成からプロセスが始まります。MQW層はInP基板上(B)に成長され、後にGaAs基板(D)上で成長させたGaAsベースのミラー(C)とMQW活性層と接合されます。
ステップ2
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InP基板はエッチング停止層(E)に至るまで化学的にエッチングされます。GaAsベースのミラーは酸化され、広帯域誘電体反射ミラー(F)が形成されます。
ステップ3
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エッチング停止層を除去した後、ARコーティング(G)と環状のMEMS底面アクチュエーターコンタクト層(H)が、MQW活性層(A)の上に成膜されます。
ステップ4
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厚さと組成が特別に設計された犠牲層(I)が成膜されます。
ステップ5
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膜状の層(J)と環状のMEMS上面アクチュエーターコンタクト層(K)が犠牲層の上に成膜されます。
ステップ 6
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最後に、誘電体反射ミラー(L)が成膜およびパターニングされます。MEMS上面コンタクト層はさらにパターニングされ、アクチュエータの作製が完了します。MQW構造の上部の可動ミラーを残して犠牲層は除去されます。これにより、1つのデバイス中にMEMSベースの波長調整素子とVCSELを作り出すことができます。
レーザの安全性とクラス分類
レーザを取り扱う際には、安全に関わる器具や装置を適切に取扱い、使用することが重要です。ヒトの目は損傷しやすく、レーザ光のパワーレベルが非常に低い場合でも障害を引き起こします。当社では豊富な種類の安全に関わるアクセサリをご提供しており、そのような事故や負傷のリスクの低減にお使いいただけます。可視域から近赤外域のスペクトルでのレーザ発光がヒトの網膜に損傷を与えうるリスクは極めて高くなります。これはその帯域の光が目の角膜やレンズを透過し、レンズがレーザーエネルギを、網膜上に集束してしまうことがあるためです。
安全な作業および安全に関わるアクセサリ
- クラス3または4のレーザを取り扱う場合は、必ずレーザ用保護メガネを装着してください。
- 当社では、レーザのクラスにかかわらず、安全上無視できないパワーレベルのレーザ光線を取り扱う場合は、ネジ回しなどの金属製の器具が偶然に光の方向を変えて再び目に入ってしまうこともあるので、レーザ用保護メガネを必ずご使用いただくようにお勧めしております。
- 特定の波長に対応するように設計されたレーザ保護眼鏡は、装着者を想定外のレーザ反射から保護するために、レーザ装置付近では常に装着してください。
- レーザ保護眼鏡には、保護機能が有効な波長範囲およびその帯域での最小光学濃度が刻印されています。
- レーザ保護カーテンやレーザー安全保護用布は実験室内での高エネルギーレーザの遮光にご使用いただけます。
- 遮光用マテリアルは、直接光と反射光の両方を実験装置の領域に封じ込めて外に逃しません。
- 当社の筺体システムは、その内部に光学セットアップを収納し、レーザ光を封じ込めて危険性を最小限に抑えます。
- ピグテール付き半導体レーザは、他のファイバに接続、もしくは他のファイバとの接続を外す際には、レーザ出力をOFFにしてください。パワーレベルが10 mW以上の場合には特にご注意ください。
- いかなるビーム光も、テーブルの範囲で終端させる必要があります。また、レーザ使用中には、研究室の扉は必ず閉じていなければなりません。
- レーザ光の高さは、目線の高さに設定しないでください。
- 実験は光学テーブル上で、全てのレーザービームが水平を保って直進するように設定してください。
- ビーム光路の近くで作業する人は、光を反射する不要な装飾品やアクセサリ(指輪、時計など)をはずしてください。
- レンズや他の光学装置が、入射光の一部を、前面や背面で反射する場合がありますのでご注意ください。
- あらゆる作業において、レーザは必要最小限のパワーで動作するようにご留意ください。
- アライメントは、可能な限りレーザの出力パワーを低減して作業を行ってください。
- ビームパワーを抑えるためにビームシャッタや フィルタをお使いください。
- レーザのセットアップの近くや実験室には、適切なレーザ標識やラベルを掲示してください。
- クラス3Rやクラス4のレーザ(安全確保用のインターロックが必要となるレーザーレベルの場合)で作業する場合は、警告灯をご用意ください。
- ビームトラップの代用品としてレーザービュワーカードを使用したりしないでください。
レーザ製品のクラス分け
レーザ製品は、目などの損傷を引き起こす可能性に基づいてクラス分けされています。国際電気標準会議(The International Electrotechnical Commission 「IEC」)は、電気、電子工学技術関連分野の国際規格の策定および普及を行う国際機関で、IEC60825-1は、レーザ製品の安全性を規定するIEC規格です。レーザ製品のクラス分けは下記の通りです
Class | Description | Warning Label |
---|---|---|
1 | ビーム内観察用の光学機器の使用を含む、通常の条件下での使用において、安全とみなされているクラス。このクラスのレーザ製品は、通常の使用範囲内では、人体被害を及ぼすエネルギーレベルのレーザを発光することがないので、最大許容露光量(MPE)を超えることはありません。このクラス1のレーザ製品には、筐体等を開かない限り、作業者がレーザに露光することがないような、完全に囲われた高出力レーザも含まれます。 | |
1M | クラス1Mのレーザは、安全であるが、望遠鏡や顕微鏡と併用した場合は危険な製品になり得ます。この分類に入る製品からのレーザ光は、直径の大きな光や拡散光を発光し、ビーム径を小さくするために光を集束する光学素子やイメージング用の光学素子を使わない限り、通常はMPEを超えることはありません。しかし、光を再び集光した場合は被害が増大する可能性があるので、このクラスの製品であっても、別の分類となる場合があります。 | |
2 | クラス2のレーザ製品は、その出力が最大1 mWの可視域での連続放射光に限定されます。瞬目反射によって露光が0.25秒までに制限されるので、安全と判断されるクラスです。このクラスの光は、可視域(400~700 nm)に限定されます。 | |
2M | このクラスのレーザ製品のビーム光は、瞬目反射があるので、光学機器を通して見ない限り安全であると分類されています。このクラスは、レーザ光の半径が大きい場合や拡散光にも適用されます。 | |
3R | クラス3Rのレーザ製品は、直接および鏡面反射の観察条件下で危険な可視光および不可視光を発生します。特にレンズ等の光学機器を使用しているときにビームを直接見ると、目が損傷を受ける可能性があります。ビーム内観察が行われなければ、このクラスのレーザ製品は安全とみなされます。このクラスでは、MPE値を超える場合がありますが、被害のリスクレベルが低いクラスです。可視域の連続光のレーザの出力パワーは、このレベルでは5 mWまでとされています。 | |
3B | クラス3Bのレーザは、直接ビームを見た場合に危険なクラスです。拡散反射は通常は有害になることはありませんが、高出力のクラス3Bレーザを使用した場合、有害となる場合もあります。このクラスで装置を安全に操作するには、ビームを直接見る可能性のあるときにレーザ保護眼鏡を装着してください。このクラスのレーザ機器にはキースイッチと安全保護装置を設け、さらにレーザ安全表示を使用し、安全照明がONにならない限りレーザがONにならないようにすることが求められます。Class 3Bの上限に近いパワーを出力するレーザ製品は、やけどを引き起こすおそれもあります。 | |
4 | このクラスのレーザは、皮膚と目の両方に損傷を与える場合があり、これは拡散反射光でも起こりうるとみなされています。このような被害は、ビームが間接的に当たった場合や非鏡面反射でも起こることがあり、艶消し面での反射でも発生することがあります。このレベルのレーザ機器は細心の注意を持って扱われる必要があります。さらに、可燃性の材質を発火させることもあるので、火災のリスクもあるレーザであるとみなされています。クラス4のレーザには、キースイッチと安全保護装置が必要です。 | |
全てのクラス2以上のレーザ機器には、上記が規定する標識以外に、この三角の警告標識が表示されていなければいけません。 |
Posted Comments: | |
Zenaida Preston
 (posted 2024-02-08 22:18:50.17) Wow, fantastic blog format! How lengthy have you been blogging
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Thank you very much for you positive feedback. We really appreciate that. Robert Zawadzki
 (posted 2023-11-30 16:02:52.167) Dear Sirs,
I am interested in purchasing Thorlabs VCSEL 1050nm, Multimode, and MZI
CWL: 1050 nm
Sweep rate: 400 x 1, 200 x 2(400), 400x2 (800) kHz
MZI (air): 12, 24, 12 mm
High Power
Could you please send me the information about the pricing and options?
Best
Robert Yangxi Li
 (posted 2023-10-13 12:30:31.06) Since I need to model the sensitivity roll off of the OCT system, I need to know the instantaneous linewidth of the swept source SL131090. Where can I query this parameter? Or how to calibrate it fmortaheb
 (posted 2023-10-17 06:29:34.0) Thank you very much for contacting Thorlabs. In fact, the roll-off can be neglected for our swept source MEMS VCSEL lasers. The instantaneous linewidth is in the order of ~0.5 - 1.0 MHz corresponding to an estimated coherence length of 225m in air as shown within the following publication:
https://opg.optica.org/jlt/abstract.cfm?uri=jlt-33-16-3461 JUNG DAHUN
 (posted 2023-03-09 18:50:00.627) Dear thorlabs
I am writing to inquire about direction of laser swept of SL132121
We have a SL132121 laser, but we don't know the direction of the laser's sweep.
Is it swept from the short wavelength to the long wavelength?
Thank you for your time and assistance. I look forward to hearing back from you soon.
Best regards,
Dahun Jung user
 (posted 2023-03-01 11:43:21.173) Hi, I'm interested in this laser source, but I'm wondering if the short-wavelength cutoff could be pushed down to shorter wavelengths by a little bit with a little customization. Would it be possible to order a version capable of tuning from, for example, 1210 nm to 1300 nm? The long-wavelength cutoff only needs to be around 1280 nm for my application - it's more important to have short-wavelength reach for me. Let me know if this might be possible.
Thanks
Jeff SHUNAN CHEN
 (posted 2022-06-15 11:21:09.337) Can I apply for a trail version of model.SL130161 or SL130160, I want to do some experiment to prove the light source is suitable for the experiment. Looking forward to your reply. wskopalik
 (posted 2022-06-16 04:24:40.0) Thank you for your interest in our products. We will contact you directly to learn more about your needs to select the right configuration. Tomasz Kardaś
 (posted 2020-10-07 10:41:15.827) Dear Sir or Madame,
We are looking for a source for Optical Frequency Domain Reflectometry near 1030 nm. Your sources seem perfect, however, they are much to fast for this technique. We look for something with 1 - 100 Hz sweep rate. Can you recommend any solution? nreusch
 (posted 2020-10-09 06:14:39.0) Thank you for your feedback. We will contact you directly to discuss your application and possible solutions. nyonuimon
 (posted 2018-09-04 18:57:59.367) Hello, This is Yeon Hee Chang
I am researcher of DGIST, South Korea.
I am very interested in the laser source, SL132120 - MEMS-VCSEL Swept Source, 1300 nm, 200 kHz.
I want to get a formal quotation of this product.
Is it available?
Please send the quotation to my e-mail.
Thank you :)
Best regards
From Yeon Hee Chang llamb
 (posted 2018-09-05 08:17:04.0) Hello Yeon. For a formal quote or other questions on our MEMS-VCSEL Swept-Wavelength Laser Source, you may email OCT@thorlabs.com. We will have a representative reach out to you by email in this case. thomas.juhasz
 (posted 2018-09-03 14:29:07.34) Hello,
I have a very basic question for the MEMS-VCSEL Swept-Wavelength Laser Source: has the source a static mode, where the wavelength is kept constant, or is the wavelength swept continuously? If there is a static mode, what is the wavelength accuracy and spectral linewidth for different wavelengths within the tuning range?
Additionally, the output power range from min 20 to max 50mW seems rahther large. Is a preselection with respect to the output power possible?
Thanks and best regards
Thomas YLohia
 (posted 2018-09-24 11:00:16.0) Hello Thomas, thank you for contacting Thorlabs. The wavelength will be swept continuously for the entire range -- unfortunately, there is no static mode and there is no preselection with respect to output power. Our OCT team (oct@thorlabs.com) will reach out to you directly to discuss your application in greater detail. |
Item # | Sweep Rate | Duty Cyclea | MZI Delay | k-Clock Max Frequency (Typical) | OCT Imaging Depth Rangeb | Balanced Detectorc |
---|---|---|---|---|---|---|
SL100060 | 60 kHz | > 60% | 48 mm | 500 MHz | 12 mm | None |
SL100061 | PDB471C-AC | |||||
SL101080 | 100 kHz | > 60% | 24 mm | 500 MHz | 6 mm | None |
SL101081 | PDB471C-AC | |||||
SL101060 | 100 kHz | > 60% | 48 mm | 900 MHz | 12 mm | None |
SL101061 | PDB481C-AC | |||||
SL102080 | 200 kHz | > 50% | 24 mm | 900 MHz | 6 mm | None |
SL102081 | PDB481C-AC | |||||
SL104070 | 400 kHz | > 50% | 8 mm | 900 MHz | 2 mm | None |
SL104071 | PDB481C-AC |
Item # | Sweep Rate | Duty Cyclea | MZI Delay | k-Clock Max Frequency (Typical) | OCT Imaging Depth Rangeb | Balanced Detectorc |
---|---|---|---|---|---|---|
SL130160 | 50 kHz | > 60% | 72 mm | 500 MHz | 18 mm | None |
SL130161 | PDB470C-AC | |||||
SL131090 | 100 kHz | > 60% | 44 mm | 500 MHz | 11 mm | None |
SL131091 | PDB470C-AC | |||||
SL131160 | 100 kHz | > 60% | 72 mm | 900 MHz | 18 mm | None |
SL131161 | PDB480C-AC | |||||
SL132120 | 200 kHz | > 50% | 32 mm | 900 MHz | 8 mm | None |
SL132121 | PDB480C-AC | |||||
SL134050 | 400 kHz | > 50% | 12 mm | 900 MHz | 3 mm | None |
SL134051 | PDB480C-AC |