軸外放物面ミラー、貫通穴付き、保護膜無し金コーティング
- Centered Hole for Superposition of Two Beams
- Unprotected Gold Coating for 800 nm - 20 µm
- Available with Reflected Focal Lengths of 2", 4", 6", or 9"
Through Beam is Parallel
to Focused Beam
Through Beam is Parallel
to Collimated Beam
MPD339H-M03
Ø3", RFL = 9",
Hole Parallel to Focused Beam
MPD269V-M03
Ø2", RFL = 6",
Hole Parallel to Collimated Beam
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軸外放物面ミラーは1次加工の後、全てシングルポイントダイヤモンド旋盤で仕上げ処理が施されます。詳細は「カスタムミラー」タブをご参照ください。
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底面から見たコリメート光に対して平行な貫通穴。
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背面から見た集光ビームに対して平行な貫通穴。
特長
- 中央にビーム光用の貫通穴
- 2方向の貫通穴
- 集光ビームに平行:背面の入射穴径はØ8 mm、ミラー面の穴径はØ3 mmのテーパ型貫通穴
- コリメート光に平行:ミラー表面からフラットな底面までのØ3.2 mm貫通穴
- ミラー面からの反射ビームは球面収差や色収差無しで集光
- 保護膜無し金コーティングの平均反射率は800 nm~20 µmにおいて97%以上
- 反射焦点距離:50.8 mm、101.6 mm、152.4 mm、228.6 mm
- 表面粗さ:< 100 Å(RMS)
- 集光ビームに対して平行な穴のある50.8 mmミラー用の取付けアダプタは3種類
- SM外ネジ付き
- ミラーマウントを使用する場合のネジ切り無しアダプタ
- ポスト取付け用M4タップ穴付き
- Ø76.2 mm(Ø3インチ)用取付けアダプタはSM2外ネジとポスト取付け用#8-32タップ穴付き
- カスタム仕様の貫通穴付き軸外放物面ミラーもご用意しております(当社までお問い合わせください)
当社の貫通穴付き軸外放物面ミラー(OAP)は、2つのビームを同一線上に空間伝搬させる用途向けに設計されています。これらのミラーの反射面で、コリメート光はアクロマティック(色収差なし)に集光され、点光源からの光はコリメートされます。また、軸外設計ですので、光路と焦点は空間的に分離されます。貫通穴の方向は2種類:集光ビームに対して平行、またはコリメート光に対して平行
貫通穴を通過するビームと反射された集光ビームを重ね合わせるタイプのミラーは、その製品型番に「H」が含まれています。本体背面のØ8 mmの穴はミラー面ではØ3 mmまで小さくなるテーパ形状になっており、穴を通り抜けるビームをレンズで集光できるようになっています。これらのミラーはしばしば電気光学サンプリングによる計測のほか、時間分解テラヘルツ分光(TRTS)などのポンプ-プローブ実験に用いられます。このような実験では放物面ミラーの穴を通ったポンプ光を電気光学結晶に照射しますが、その時に放物面ミラー表面で反射されたテラヘルツプローブ光の焦点に重ねる必要があります。
貫通穴を通過するビームと反射されたコリメートビームを重ね合わせるタイプのミラーは、その製品型番に「V」が含まれています。穴の内径はØ3.2 mmで、HeNeレーザからのビームを通過させるには十分な大きさです。このミラーの穴はベース部分を貫通しているため(右端の写真参照)、当社のOAPミラーマウント用アダプタをお使いいただくことはできません。その代わり、内ネジ無しの取付けアダプタを使用してこれらの部品を取り付けることができます。
他の軸外放物面ミラーと同様、このミラーは反射面が放物面形状になっています。コリメート光をアクロマティックに集光するうえ、反射型であるため透過光学素子による位相遅延や吸収損失が生じません。そのため、フェムト秒パルスレーザへのご使用に適しています。 集光ビームとコリメートビーム間の角度(軸外し角)は90°です。上図のように、適切に焦点を結ぶためには、コリメートビームを軸外放物面ミラーのベースの底面に対して垂直に入射する必要があります。ダイアモンド旋盤で形成された放物面には、800 nm~20 µmで平均反射率>97%を有する保護膜無しの金コーティングが施されています(コーティングの反射率特性は「グラフ」タブをご参照ください) 。保護膜付きの金ミラーに比べて保護膜無しの金ミラーは高い反射率を有しますが、損傷しやすくデリケートです。また、これらのミラーは偏光状態を厳格に保持することが必要な用途や、保護膜付き金ミラーの表面コーティングによる分散を防ぐ必要がある用途にご使用いただけます。
このOAPミラーはアルミニウム製です。各ミラーの底面には、3個のマウント用ネジ穴(正三角形の頂点の位置に配置)と、1個の位置決め穴があります。集光ビームに対して平行な貫通穴のあるOAPミラーでは、底面の穴に取付け用アダプタをご使用いただけます(詳細については「取付けアダプタ」タブをご参照ください)。コリメート光に対して平行な貫通穴はOAPミラーのベース部分を貫通しているため、これに取付け用アダプタを取り付けることはできません。ミラーの反射面以外の部分には黒色アルマイト処理が施されており、型番がレーザ刻印されています(右の写真参照)。どちらのタイプの貫通穴も、その内部はアルマイト処理されていません。
取扱いについて
保護膜無しミラーの金の層には保護用のオーバーコートが施されておりません。保護膜無しの金は空気に触れても酸化しませんが、指紋、エアロゾルや、ほんの少しの研磨材が接触しただけで損傷してしまいます。保護膜無しの金ミラーは、必要時のみ、側面だけを持って取り扱ってください。その際は表面に指の油分がつかないよう、ラテックス製手袋などを着用してください。クリーンで乾燥した空気か窒素で埃を吹き飛ばす方法以外に、表面のクリーニングは行わないでください。他のクリーニングの方法では表面に損傷を与える可能性があります。
Common Specifications | |
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Metallic Coating | Unprotected Gold |
Reflectance (Average) | > 97% from 800 nm to 20 µm |
Off-Axis Angle | 90° |
Clear Aperture | > 90% of Diametera, Not Including Hole |
Surface Roughness (RMS) | < 100 Å |
Surface Quality | 40-20 Scratch-Dig |
Parent Focal Length Tolerance | ±1% |
Reflected Focal Length Tolerance | ±1% |
Mounting Holesb | 8-32 Taps in Radial Pattern (3 Places) |
Substrate | Aluminum |
Manufacturing Process | Diamond Turned |
Item # | Diametera | Thicknessa | RFLa,b | PFLa,c | Hole Orientationa | Hole Diametera | Reflected Wavefront Error |
---|---|---|---|---|---|---|---|
MPD229H-M03 | 2" (50.8 mm) | 2.47" (62.8 mm) | 2" (50.8 mm) | 1" (25.4 mm) | Parallel to Focused Beam | 3 mm on Coated Surface 8 mm on Back of Substrate | < λ/2 RMS at 633 nm |
MPD249H-M03 | 2" (50.8 mm) | 2.47" (62.8 mm) | 4" (101.6 mm) | 2" (50.8 mm) | < λ/4 RMS at 633 nm | ||
MPD249V-M03 | 2" (50.8 mm) | 2.47" (62.8 mm) | 4" (101.6 mm) | 2" (50.8 mm) | Parallel to Collimated Beam | 3.2 mm (0.13") | |
MPD269V-M03 | 2" (50.8 mm) | 2.47" (62.8 mm) | 6" (152.4 mm) | 3" (76.2 mm) | |||
MPD269H-M03 | 2" (50.8 mm) | 2.47" (62.8 mm) | 6" (152.4 mm) | 3" (76.2 mm) | Parallel to Focused Beam | 3 mm on Coated Surface 8 mm on Back of Substrate | |
MPD399H-M03 | 3" (76.2 mm) | 3.47" (88.2 mm) | 9" (228.6 mm) | 4.50" (114.3 mm) | < λ/2 RMS at 633 nm |
下のグラフの青い領域は、仕様の反射率が保証される波長範囲を示しています。この帯域の外側(特に反射率のグラフに変動や傾斜がみられる範囲)の反射率は、ロット毎にバラつきがある可能性があります。
How-to動画:軸外放物面(OAP)ミラーをアライメントする方法
OAPミラーのアライメント作業は、まず適切な取付けアダプタを選択することから始めます。下のガイダンスでは、適切な取付けアダプタの選択方法を記載しています。OAPミラーのアライメント方法については、右の動画をご覧ください。
取付けアダプタのセレクションガイド
軸外放物面(OAP)ミラーの底面には、3個の取付け用タップ穴(三角形状に配置)と、1個のアライメント用穴があります。これらの穴は取付けアダプタを取り付けるために使用しますが、取付けアダプタには対応する3つのザグリ穴または脱落防止ネジ、および1個のアライメントピンが付いています(右の画像参照)。これらを使用することで、OAPミラーをしっかりと固定することができます。3個のタップ穴は組み込み(OEM)用途にもご利用いただけます。
当社ではØ12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)、Ø50.8 mm(Ø2インチ)のOAPミラー用として3タイプの取付けアダプタをご用意しております。1つ目のタイプは、OAPの直径に応じて、Ø25.4 mm(Ø1インチ)、Ø50.8 mm(Ø2インチ)、Ø76.2 mm(Ø3インチ)の光学素子用ミラーマウントに取り付けられるように設計されたアダプタです。2つ目のタイプはポスト取付け用に設計されたアダプタで、4つの側面すべてにM4タップ穴があり、Ø12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)ポストに直接取り付けることができます。3つ目のタイプはSM外ネジが付いているアダプタで、当社のSM内ネジ付き部品、例えば回転マウントなどに直接取り付けることができます。Ø25.4 mm(Ø1インチ)の90° OAPミラーに直角キネマティックマウントKCB1P/Mを用いると、ケージシステムへの組み込みが可能になります。下の表ではすべてのラインナップがご覧いただけます。
当社のØ12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)、Ø50.8 mm(Ø2インチ)のOAPミラーは、SMネジ付き2重穴アダプタに取り付けても、SMネジ付き部品に接続できます。このタイプのアダプタを用いると、位置固定する前にOAPミラーをアダプタに対して回転させることができます。一方、このページでご紹介しているSMネジ付きアダプタを用いた場合、ネジをマウントに完全にねじ込んだ時のOAPミラーの最終位置はネジ自体で決定されますが、固定リングを用いて最終位置を決定することもできます。
Ø76.2 mm(Ø3インチ)のOAPミラーには、取付けアダプタSM2MP3をご用意しております。こちらのアダプタには、ポスト取付け用に#8-32タップ穴が4つと、当社の6軸キネマティックマウントK6X2などのSM2ネジ付き部品に取付けられるSM2外ネジが付いています。
また当社のすべてのOAPミラーは、その外径に対応する当社の精密キネマティックミラーマウントに直接取り付けることができます。
OAP Mirror Mounting Adapters | |||||
---|---|---|---|---|---|
Adapter Type | Example Photo (Click to Enlarge) | OAP Mirror Diameter | |||
1/2" | 1" | 2" | 3" | ||
Smooth Bore | MP127P1 For Ø1" Mounts | MP254P1 For Ø2" Mounts | MP508P1a For Ø3" Mounts | - | |
Post Mounting | MP127P2(/M) 8-32 (M4) Taps | MP254P2(/M) 8-32 (M4) Taps | MP508P2(/M)a 8-32 (M4) Taps | SM2MP3 8-32 Taps | |
SM-Threaded | SM05MP External SM05 (0.535"-40) | SM1MP External SM1 (1.035"-40) | SM2MPa External SM2 (2.035"-40) | SM2MP3 External SM2 (2.035"-40) | |
Right-Angle OAP Mirror Mount | - | KCB1P(/M) 30 mm Cage Compatible 1/4"-20 (M6) Tap | - | - |
必要な射出ビーム径に基づいてミラーを選択
点光源からの光をコリ メートするために軸外放物面 ミラーを使用する時、適切なミラーの選択は、必要な射出ビーム径をもとに行われることがあります。 ビーム径は、入射光の発散半角(Θ)とOAPの反射焦点距離を用いて簡単に計算できます。 ビーム径を計算するためには、下式を使用してください。
ビーム径 = 2 x sin(Θ) x 反射焦点距離
ファイバからの射出光をコリメートしたい場合は、式は下記のように書き換えられます。
ビーム径 = 2 x NA (Fiber) x 反射焦点距離
右のグラフは上の式を視覚化しており、点光源の発散角に対するコリメート光のビーム径を示しています。各線は異なる反射焦点距離を有するOAPに対応しています。このグラフには、OAPミラーの直径は示されていません。必要とされる出射ビーム径よりも大きい有効径を有するOAPミラーを選択する必要があります。
Damage Threshold Specifications | |
---|---|
Coating Designation (Item # Suffix) | Damage Threshold |
-M03 (Pulsed) | 0.5 J/cm2 (1064 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø1 mm) 5 J/cm2 (10.6 µm, 100 ns, 1 Hz, Ø0.366 mm) |
-M03 (CWa) | 1000 W/cm (1070 nm, Ø1.004 mm) 2000 W/cm (10.6 µm, Ø0.109 mm) |
当社の保護膜無し金コーティング軸外放物面ミラーの損傷閾値データ
右の仕様は当社の保護膜無し金コーティングミラーの測定値です。損傷閾値の仕様は、ミラーのサイズや焦点距離にかかわらず全ての保護膜無し金コーティングミラーで同じです。
レーザによる損傷閾値について
このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。
テスト方法
当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。
初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。
上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
Example Test Data | |||
---|---|---|---|
Fluence | # of Tested Locations | Locations with Damage | Locations Without Damage |
1.50 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
1.75 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.00 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.25 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
3.00 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
5.00 J/cm2 | 10 | 9 | 1 |
試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。
CWレーザと長パルスレーザ
光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。
パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。
繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。
ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。
- レーザの波長
- ビーム径(1/e2)
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
- レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。
ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。
次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。
この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。
パルスレーザ
先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。
パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。
Pulse Duration | t < 10-9 s | 10-9 < t < 10-7 s | 10-7 < t < 10-4 s | t > 10-4 s |
---|---|---|---|---|
Damage Mechanism | Avalanche Ionization | Dielectric Breakdown | Dielectric Breakdown or Thermal | Thermal |
Relevant Damage Specification | No Comparison (See Above) | Pulsed | Pulsed and CW | CW |
お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。
- レーザの波長
- ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
- レーザのパルス幅
- パルスの繰返周波数(prf)
- 実際に使用するビーム径(1/e2 )
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。
次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。
波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。
ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。
次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。
お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。
[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1998).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).
レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。
ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。
CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。
しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(右のグラフ参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。
アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。
LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。
ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。
上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。
このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:
この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。
ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。
スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。
マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。
この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。
カスタム仕様の OAP(軸外放物面ミラー)ならびに非球面ミラー
当社の製造能力
- Nanotech® 超精密3軸CNCダイヤモンド旋盤450UPLを用いたカスタムミラーの製造
- サイズ、焦点距離、基板、コーティング、貫通穴のカスタマイズが可能
- 軸外および軸上放物面ミラー、コニカルミラー、トロイダルミラー
- 双円錐面および非球面形状の光学素子
シングルポイントダイヤモンド旋盤を用いて、カスタム仕様のOAPや非球面ミラーを小ロットで製造することができます。 また、特殊形状の光学素子だけでなく、長い焦点距離や大きな径のミラーを製造することもできます。
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OAPミラーのサイズ、焦点距離、基板、コーティングならびに貫通穴のカスタマイズが可能です。
当社では、標準品の軸外放物面(OAP)ミラー以外にも、カスタム仕様の非球面ミラーの製造が可能です。 特殊なシングルポイントダイヤモンド旋盤(SPDT)を用いることで、カスタム仕様の製品を小ロットで、かつ標準品と同等の価格で製造することができます。 右の動画のように、SPDTのスロースライドサーボ工程で、スピンドルの回転位置と移動軸上位置を同期させて軸外ミラーを1枚ずつ研磨します。
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トロイダルミラーは2種類の異なる曲率半径を有し、非点収差の発生を抑えて軸外物点に結像します。
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コニカルミラーは、光を360°の方向に広げることができます。
この特殊な製造機能を用いることで、長い焦点距離および大きな径の光学素子のように標準の2軸の旋盤では製造不可能なカスタム仕様のOAPミラーの製造が可能になります。 さらに、カスタム仕様の材料(銅製など)、コーティング、穴寸法および形状を有するOAPも製造することが可能です。 銅材料の採用やその他の最新技術によって、標準品のミラーよりも表面粗さが少ない仕上がりで波面品質が向上したOAPミラーをご提供することもできます。
これ以外にも、SPDTを使用して軸上放物面ミラー、コニカルミラー、ならびにトロイダルミラーのようなカスタム仕様の双円錐面や非球面のミラーも製造できます。 これらのカスタム仕様のミラーは、様々な光学機器や特殊なイメージングシステム内で使用できます。 例えば、非点収差を発生させずに軸外物点を結像できるトロイダルミラーは、一般的にツェルニー・ターナーモノクロメータ内で使用されます。 一方、コニカルミラーは、360°の均一な照射を必要とする非結像の用途に適しています。
標準仕様部品のカスタマイズに要する納期や、特殊形状および長焦点距離を有する光学素子の納期、 および、カスタマイズ製品についての詳細やお見積りのご依頼も当社までご連絡ください。
小ロット製造、および標準品と同等価格での製品カスタマイズが可能です。
ミラーのカスタマイズについては、お気軽に当社までご相談ください。
Insights:軸外放物面(OAP)ミラー
こちらのページでは軸外放物面(OAP)ミラーの特長や使用方法についてご覧いただけます。
- 軸外し角
- OAPミラーの光軸と集光軸の特定方法
このほかにも実験・実習や機器に関するヒントをまとめて掲載しています。こちらからご覧ください。
軸外し角
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図2:放物面の幅は、軸に垂直な焦点を通る線に基づいて測定するのが一般的です。
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図1:こちらのOAPミラーの軸外し角は90°です。
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図4:放物面の幅を小さくすると軸外し角が大きくなります。図2と比較してみてください。
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図3:放物面の軸に近い部分を選択すると軸外し角は小さくなります。
OAPミラーの軸外し角( θ )は、ミラーの光軸と集光軸の間の角度です。図1におけるOAPミラーの軸外し角は90°です。
この角度は、OAPミラーとして使用される親放物面上のセグメントと、親放物面の幅(図2)に依存します。
放物面セグメントと焦点の近接について
焦点により近い放物面セグメントを選択すると、軸外し角は小さくなります。図3におけるミラーの軸外し角は図2のミラーに比べて小さいですが、この2つの図で唯一異なるのは図3でOAPミラー用に選択された親放物面上のセグメントが焦点により近いことです。
親放物面上のセグメントの位置によって焦点距離も変化します。焦点に近い放物面セグメントを選択すると、ミラー中心と焦点の間の距離が短くなります。
親放物面の幅
親放物面の幅を大きくすると軸外し角が小さくなります。その関係を図3と4で示しています。図3の放物面の幅は大きいく、それに対してミラーの軸外し角は小さくなっています。
親放物面の幅は焦点距離にも影響します。放物面の幅が大きくなると、焦点距離は長くなります。
軸外し角について
OAPミラーの軸外し角は90°で設計されていることが多いですが、90°未満のOAPミラーも一般的です。
最終更新日:2019年12月4日
OAPミラーの光軸と集光軸の特定方法
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図6:光軸の方向はミラー基板のベースに対して垂直であることに留意することで特定できます。焦点位置は、光軸に対して平行に入射するコリメート光の光線を考慮することで推定できます。これらの光線は、局所面法線に対して対称な方向に反射され、ミラーの焦点を通過します。
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図5:OAPミラーのベースはフラットで、その形状は円形であり、側面の高さは一定ではありません。フラットなベースはミラーの光軸に対して垂直です。上はMPD2151-P01です。
軸外放物面(OAP)ミラーを使用するときに、光軸と集光軸を特定するのが困難な場合があります。特にミラーの放物面の曲面が見えにくい場合には困難です(図5参照)。
ミラー基板の物理的な特性や寸法は、ミラーを配置したりアライメントしたりする際の指標として有用です。
ミラー基板のベース側はフラットで、形状は円形です。光軸はそのフラットなベースに対して垂直です。従って、コリメート光はベース面に対して垂直に入射する必要があります。
T基板の側面は高い部分と低い部分があり、反射面は傾斜しています。反射面の様々な位置での面法線は、表面を目視することで大まかに推定することができます(図6)。
焦点位置は、光軸に対して平行に入射したコリメート光の光線が、ミラーの表面で反射される様子を考えることで推定することができます。入射光は面法線に対して対称な方向に反射されます。そして反射光は焦点を通ります。ミラー側面の高い位置と低い位置の近傍からの2本の光線をイメージして追跡することで、焦点の位置を推定できます。
当社のOAPミラーの取付けおよびアライメントの方法
当社のOAPミラーの底面には、1つのアライメント用の穴と、3つの取付け用のタップ穴が加工されています。タップ穴は正三角形の頂点位置に配置されており、ネジの切られていないアライメント用の穴の位置はOAPミラーの短い側面の位置を示しています。タップ穴はミラーをアダプタや取付けプラットフォームに固定できるように設計されています。
最終更新日:2019年12月4日
Posted Comments: | |
Charles Rohde
 (posted 2023-04-25 16:29:52.997) Do you have a larger version of this item (3.5 in or 4 in base diameter) with a larger (10mm) hole ? jdelia
 (posted 2023-04-27 11:39:28.0) Thank you for contacting Thorlabs. While this is not a product we offer as part of our standard catalog, we are reaching out to you directly to discuss the feasibility of offering this as a custom item. |
Item # | MPD229H-M03 | MPD249H-M03 | MPD249V-M03 | MPD269V-M03 | MPD269H-M03 |
---|---|---|---|---|---|
Diametera | 2" (50.8 mm) | 2" (50.8 mm) | 2" (50.8 mm) | 2" (50.8 mm) | 2" (50.8 mm) |
Reflected Focal Length (RFL)a | 2" (50.8 mm) | 4" (101.6 mm) | 4" (101.6 mm) | 6" (152.4 mm) | 6" (152.4 mm) |
Parent Focal Lengtha | 1" (25.4 mm) | 2" (50.8 mm) | 2" (50.8 mm) | 3" (76.2 mm) | 3" (76.2 mm) |
Hole Orientation | Parallel to Focused Beam | Parallel to Collimated Beamb | Parallel to Focused Beam | ||
Hole Diameter | 3 mm on Coated Surface 8 mm on Back of Substrate | 3.2 mm (0.13") | 3 mm on Coated Surface 8 mm on Back of Substrate | ||
Thicknessa | 2.47" (62.8 mm) | ||||
Off-Axis Angle | 90° | ||||
Reflected Wavefront Error | < λ/2 RMS at 633 nm | < λ/4 RMS at 633 nm | |||
Base Mounting Holes | Three 8-32 Tapsc |
取扱いについて
保護膜無しミラーに使用されている金の層には保護膜が付いておりません。保護膜なしの金は空気に触れても酸化しませんが、指紋、エアロゾルや、 ほんの少しの研磨材が接触しただけで損傷してしまいます。保護膜なしの金は、必要時のみ、側面だけを持って取り扱ってください。その際は表面に指の油分が つかないよう、ラテックス製手袋などを着用する必要があります。クリーンで乾燥した空気か窒素で埃を吹き飛ばす方法以外に、表面のクリーニングは行わないでください。他のクリーニングの方法では表面に損傷を与える可能性があります。
Item # | MPD399H-M03 |
---|---|
Diametera | 3" (76.2 mm) |
Reflected Focal Length (RFL)a | 9" (228.6 mm) |
Parent Focal Lengtha | 4.50" (114.3 mm) |
Hole Orientation | Parallel to Focused Beam |
Hole Diameter | 3 mm on Coated Surface 8 mm on Back of Substrate |
Thicknessa | 3.47" (88.2 mm) |
Off-Axis Angle | 90° |
Reflected Wavefront Error | < λ/2 RMS at 633 nm |
Base Mounting Holesb | Three 8-32 Taps |
取扱いについて
保護膜無しミラーに使用されている金の層には保護膜が付いておりません。保護膜なしの金は空気に触れても酸化しませんが、指紋、エアロゾルや、ほんの少しの研磨材が接触しただけで損傷してしまいます。保護膜なしの金は、必要時のみ、側面だけを持って取り扱ってください。その際は表面に指の油分がつかないよう、ラテックス製手袋などを着用する必要があります。クリーンで乾燥した空気か窒素で埃を吹き飛ばす方法以外に、表面のクリーニングは行わないでください。他のクリーニングの方法では表面に損傷を与える可能性があります。
- OAPミラーへの取り付け用に3個の#8用ザグリ穴があり、1個の光軸アライメント用ピンが付属
- SM2MP: SM2外ネジ付き
- MP508P1: Ø75 mm~Ø76.2 mm(Ø3インチ)ミラーマウント用設計
- MP508P2/M: 4方向にポスト取り付け可能
Ø50.8 mm(Ø2インチ)軸外放物面(OAP)ミラー用取り付けアダプタをお使いいただくことによって、ネジ切り無しの穴が付いたキネマティックミラーマウントなどにミラーを取り付けることができます。アダプタの3つの#8用ザグリ穴は、Ø50.8 mm(Ø2インチ)OAPミラー上の#8-32タップ穴に対応する位置に付いています。これらのアダプタは、コリメート光に対して平行な貫通穴のあるOAPミラーではその穴をふさいでしまいます。その代わりに、内ネジ無しの取付けアダプタをご使用いただけます。
SM2MP
SM2MPにはSM2外ネジが付いているので、Ø50.8 mm(Ø2インチ)OAPミラーをSM2内ネジ付き部品に取り付けることができます。このアダプタをお使いいただくと、60 mmケージシステムやSM2ネジ付きミラーマウント、移動マウント、回転マウントなどに簡単に取り付けられます。付属の固定リングSM2RRは、マウントにねじ込むことでアダプタを位置固定することができます。固定リングにはスパナレンチSPW604、アダプタにはSPW801を使用してネジ込み固定することが可能です。#8-32低頭キャップスクリュ3個と5/64インチ六角レンチは各アダプタに付属しています。
MP508P1
ネジ無しのMP508P1は、上図にあるミラーマウントKS3などのØ75 mm~Ø76.2 mmミラーマウントの内側に収まるサイズです。各アダプタには#8-32標準キャップスクリュ3個と9/64インチ六角レンチが付属しています。
MP508P2/M
MP508P2/Mには、ポスト取付け用に4つのM4タップ穴が付いています。OAPミラーはポストに対して直角の方向を向きます。光学素子の中央からMP508P2/M内のマウントの端までの距離は38.1 mm(1.5インチ)なので、当社のØ25 mmポストなどの固定高さのポストとお使いいただく場合、標準の光軸高さになります。尚、MP508P2/MはØ75 mm~Ø76.2 mmミラーマウントには対応していません。ポスト取付け用に設計されています。各アダプタには#8-32標準キャップスクリュ3個と9/64インチ六角レンチが付属しています。
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アライメント用ターゲットSM1A7をSM1ネジ付きの内孔に取付けたアダプタSM2MP3(背面側)
- Ø76.2 mm(Ø3インチ)OAPミラーへの取付け用に、3本の#8-32脱落防止ネジと1本のアライメント用位置決めピンが付属
- Ø50 mm~Ø50.8 mm(Ø2インチ)ミラーマウントに取り付けるためのSM2外ネジ
- 4方向にポスト取り付け可能
- 中央にコリメートビームに平行なビームを通すための貫通穴
- アライメント用ターゲットの取付け用にSM1内ネジ付き内孔
Ø76.2 mm(Ø3インチ)軸外放物面ミラー用の取付けアダプタSM2MP3を用いると、当社のネジ無し内孔付きキネマティックミラーマウントに代わる取り付け方法が可能になります。SM2外ネジを用いてØ76.2 mm(Ø3インチ)OAPミラーをSM2内ネジ付き部品に取り付けるのは、機械的に安定な方法です。背面の間隔38.1 mmの2つの穴を用いて、調整機能付きスパナレンチSPW801でアダプタを固定することができます。アダプタSM2MP3にはポスト取付け用に4つの#8-32タップ穴が付いています。これで取付けた場合は、OAPミラーはポストに対して直角方向を向きます。当社では様々なネジアダプタを取り揃えており、その中のM4-#8-32ネジアダプタAP8E4Mを用いると、アダプタSM2MP3をM4ネジ付きポストに取付けることができます。
こちらのアダプタには、Ø76.2 mm(Ø3インチ)OAPミラーの#8-32タップ穴に対応する位置に、3本の#8-32脱落防止ネジが付いています。これらのネジは2 mm六角レンチ(付属していません)で締めることができます。アダプタSM2MP3にはアライメント用のスロットもあり、ミラーを取り付ける際には付属の位置決めピンと組み合わせてご利用いただけます。アダプタSM2MP3の中央にあるØ4 mmの貫通穴は、コリメートビームに平行なビームを通すためのものです。背面にはSM1内ネジ付きの内孔があり、右端の写真のようになどのアライメントディスクSM1A7などのSM1外ネジ付きアライメントツールを取り付けることができます。