ファラデー効果の測定とベルデ定数の求め方
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ファラデー効果の大きさを測定する方法
ファラデー効果を有する物質を磁場中に置き、光を伝搬させると光の偏光方向が回転します。物質内のファラデー効果の大きさを測定する1つの方法は、物質に直線偏光の光を入射し、強い磁場を印加して出射光に現れる偏光方向の変化を観察するものです。偏光方向の変化を決定するために、物質からの出射光の偏光状態を直接測定する必要はありません。その代わりに、回転する直線偏光子を透過した光パワーを測定することで出射光の状態を解析することができます。測定される光パワーは振動しますが、その位相は回転する偏光子に入射する直線偏光の偏光方向に依存します。この方法による測定をCdMgTeの結晶を使用して実施しました。結晶からの出射光の測定結果を用いて、物質のファラデー効果の大きさを特徴付けるベルデ定数を算出しました。
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図1: ファラデー効果は、直線偏光の光源と偏光状態の検出システムとの間に試料を置くことで測定できます。CdMgTe結晶の長さは環状磁石の穴の長さの1/3ほどで、プラスチック製のサンプルホルダを用いて穴の中心に固定しました。検出システムでは、光パワーセンサを目盛付き回転マウントに取り付け、できるだけ直線偏光子の出射側に近接して設置しました。このセットアップの利点は、アライメント作業が最小限で済むことです。
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図3: 検出用偏光子の透過軸を回転し、2°ごとに光パワーを測定しました。磁石を使用しなかった場合(三角)と使用した場合(四角)についてデータを取得しています。各データにフィッティングするモデルとしてはマリュスの法則(実線)を用いました。2つの曲線間の位相シフト
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図2: 試験する結晶は環状磁石(左)の穴の中に設置しました。長さ2.2 mmの結晶を長さ6.35 mmの穴の中心に設置しました。その位置で磁場は最も強くかつ均一になり、その方向はN-S軸に沿っています(右)。
Curve Fit to Data Acquired Without Magnet | Curve Fit to Data Acquired With Magnet | Faraday Rotation (Δθ ) |
ファラデー回転
ファラデー効果による偏光状態の回転はファラデー回転と呼ばれ、その大きさは物質内の磁場の強度(B)と、磁場中に置かれた物質内を伝搬する光の光路長(L)の両方に正比例します。この比例定数はベルデ定数(V)と呼ばれます。
この物質固有のパラメータは波長と温度に依存し、その物質のファラデー効果の大きさを特徴づけるものです。ベルデ定数が既知の場合、磁場の強度と物質の長さを用いて、ファラデー回転(Δθ)は次の式で表されます。
ベルデ定数を得る一つの方法として、特定の長さの物質と既知の磁場強度におけるファラデー回転を測定する方法があります
ファラデー効果の測定
この方法に基づき、図1のセットアップを使用してCdMgTe結晶のファラデー効果の大きさを測定しました。
785 nmのファイバ出力型レーザからのコリメート光で構成された直線偏光光源からの出射光を、まず固定された直線偏光子に透過させました。
測定可能なファラデー回転を発生させるのに十分な磁場強度を得るために、環状の磁石を使用しました。結晶は、磁場が最も強い磁石の穴の中心に取り付けました(図2)。
結晶からの出射光は、目盛り付き回転マウントに固定された2つ目の直線偏光子を透過し、センサに到達します。パワーセンサは、直線偏光子の出射側にできるだけ近接して設置しました。
磁石を使用したセットアップと使用しないセットアップで測定を行いました。各データセット(図3)は、2番目の直線偏光子の透過軸の角度を2°刻みで変えて測定した平均パワーの記録です。2つの曲線は同じ周期で振動しますが、位相が互いにずれています
ベルデ定数の計算
図3の2つの曲線間の位相差がファラデー回転です。この値は、次のマリュスの法則を用いて各データをフィッティングさせた後に決定できます。
,
ここで、Ioは入射光の強度、は2番目の直線偏光子の透過軸の角度です。フィッティングパラメータ(θ)は、各データセットで独立に最適化された定数です(それぞれ表内のθbase とθmag )。2つのフィッティングパラメータの差がファラデー回転です(36°)。このファラデー回転の値を使用してベルデ定数を計算できます。
磁石の穴の中心での磁場強度(B)は5800ガウス、結晶の長さ(L)は0.22 cmで、ファラデー回転の角度
「Insights-ヒント集」は下記リンクからご覧いただけます。 | 本コンテンツはZoya Shafique氏からご提供いただきました。 |
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