低ノイズ単一周波数レーザー装置、ベンチトップ型、1310 nm

- High-Power, Turnkey, Single-Frequency Laser Systems at 1310 nm
- Low-Noise Drive Electronics to Minimize RIN and Linewidth
- 20 MHz Current Modulation Bandwidth
- Linewidths as Low as 150 Hz Available
ULN13TK
Narrow-Linewidth, Low-Noise Laser System, 1310 nm
The frequency noise spectral density gives a Lorentzian linewidth of 110 Hz for the ULN13TK Laser and 106 kHz for the DFB13TK Laser.

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Key Specification Comparison | ||
---|---|---|
Item # | ULN13TK | DFB13TK |
Typical Linewidth | 150 Hz | 100 kHz |
Typical RIN | -160 dBc/Hz | -150 dBc/Hz |
Mode-Hop-Free Single-Frequency Operating Current Region | Discontinuousa | Continuousb |
Temperature Tuning Range | 0.32 nmc | 1.6 nmd |
AC Current Modulation Depth | ±10 mA | ±50 mA |
DC Current Modulation Depth | ±10 mA | ±10 mA |
用途例
- リファレンスレーザ
- LiDAR/LADAR
- 光ファイバーセンサ
- 量子光学
- 原子時計
- ルビジウム冷却
- コヒーレント通信
特長
- Oバンド、高出力のターンキー式単一周波数レーザーシステム
- 超低ノイズ(ULN)で狭線幅のレーザーシステム(US patents: 10193306, 10483718, 10476233, and 10454248)
- 150 Hzの狭線幅、70 dB SMSR(いずれも典型値)
- 相対強度ノイズ(RIN): -160 dBc/Hz
- 非連続的なモードホップフリー領域: 20 mA~50 mA
- 温度による波長調整範囲(同時に電流調整時): 0.32 nm
- 分布帰還型(DFB)レーザ
- 100 kHzの線幅、50 dB SMSR(いずれも典型値)
- 相対強度ノイズ(RIN): -150 dBc/Hzz
- 連続的なモードホップフリー動作電流領域
- 温度による波長調整範囲: 1.6 nm
- 相対強度ノイズと線幅を最小化する低ノイズの駆動回路
- DC電流、AC電流、レーザ温度用のアナログ変調入力
- 内蔵のアイソレータが、後方反射光の影響を最小限に抑制
- USB 2.0を介したコマンドラインインターフェイスにより、リモート動作および設定値の調整が可能

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Figure 1.1 レーザDFB13TK、ULN13TKは、4個のM6キャップスクリュを使用して光学テーブルに取り付け可能です. 写真ではDFB13TKの光出力部に偏波保持ファイバーパッチケーブルP3-1310PM-FC-5、アナログ変調ポートに3本のSMAケーブルCA2912がそれぞれ接続されています。
1310 nmで単一周波数動作のターンキー式低ノイズレーザは、低ノイズドライバと温度安定化装置をベンチトップ型装置に組み込んだ、すぐにお使いいただけるシステムです。レーザの線幅と相対強度ノイズ(RIN)を最小化するために、このレーザには、電流ノイズを最小化するように設計された駆動用電子回路が搭載されています。レーザの出力部には、レーザの後方反射の影響を最小化するためのアイソレータも内蔵されています。
ULN13TKは、レーザ共振器へのフィードバックにファイバーブラッググレーティング(FBG)を採用したハイブリッド外部共振器半導体レーザをベースとした超低ノイズ (ULN)レーザーシステムです。特許取得済みで、150 Hzという極めて狭いローレンツ線幅と、-160dBc/Hz以下の低い相対強度ノイズ(RIN)を可能にしています。このレーザは工場出荷時に性能が最適化されており、120 mW(典型値)の光出力と70 dBサイドモード抑圧比(SMSR)を有します。この独自の設計により、モードホップのない単一周波数領域は、レーザ電流を調整する際には連続的ではなく、通常は20 mA~50 mA幅の電流領域に制限されます。レーザーのケース温度は第3の温度安定化回路によって安定化されているため、システムが標準的な実験室環境で使用される場合、長期的な出力と波長の安定性をもたらします。
ULN13TKの中心波長は1310 nmとなっていますが、これは典型値です。実際の中心波長は製造ロット毎に変わるので、ご購入いただいたユニットの中心波長が典型値ではない場合もあります。下記の「Choose Item」をクリックすると、在庫品の中心波長、出力パワー、動作電流を含むリストが表示されます。シリアル番号横の赤い資料アイコン()をクリックすると、シリアル番号毎のL-I-Vやスペクトル特性が記載されたPDFファイルをご覧いただけます。
レーザDFB13TKは、レーザーチップの利得媒質の長さ方向に沿ってグレーティング構造を組み込み、-150dBc/Hzの典型的な相対強度ノイズ(RIN)と100kHzの典型的な線幅で単一周波数を発光する分布帰還型(DFB)レーザを使用しています。このレーザは工場出荷時に性能が最適化されており、光出力は100 mW、サイドモード抑圧比(SMSR)は50 dBです(どちらも典型値)。この設計により、モードホップのない広い単一周波数動作電流範囲 (50 mA~500 mA)を可能にしています。レーザーシステムDFB13TKは、電流またはレーザーチップの温度を調整することによって波長チューニング可能で、モードホップフリーでの温度よる波長チューニングレンジは最大1.6 nmです。
これらのレーザは、周波数ロック用途向けに設計されています。システムには、2つのアナログ電流変調ポート(DCおよびAC結合)とアナログ温度変調ポートが付いています。これらの変調入力は、サーボエレクトロニクスによりレーザ周波数を光共振器や参照光にロックするために使用され、安定したレーザーシステムを構築します。
これらのレーザはファイバ出力型で、出力部はFC/APCバルクヘッド(2.0 mmナローキー)コネクタとなっています。最良の性能を得るために、P3-1310PM-FC-1などのファイバPM1300-XPが組み込まれている偏波保持FC/APCファイバーパッチケーブルのご使用をお勧めいたします。なお、偏光軸はバルクヘッドコネクタのナローキーにアライメントされています。
システムは、12 VDC、4 A入力で動作します。 各レーザには ACアダプタ電源DS12が付属しています。デバイスに含まれる製品のリストについては、「発送品リスト」タブをご覧ください。
当社では出力波長が1550 nmで線幅が100 Hz(典型値)の超低ノイズレーザーシステムULN15TKと、低ノイズの分布帰還型(DFB)レーザーシステムDFB15TKもご用意しています。
単一周波数動作と波長のチューニング
レーザは、工場出荷時に単一周波数動作するように設定されており、駆動電流と温度はプリセットされています。このレーザが、前面パネルの押しボタン式スイッチ(「前面&背面パネル」タブ参照)で有効(Enable)にされるとレーザは予め設定された電流レベルで動作します。各レーザには、予め設定された動作条件で測定された試験データシートが付属します。サンプルデータはこちらからご覧いただけます。データシートは、下の型番横の赤いアイコン()をクリックし、「Download Serial Item Data」下にお持ちの製品のシリアル番号を入力するとダウンロードが可能です。
動作電流は、USB通信でコマンドを送信するか(下記の「リモート操作」を参照)、システムの前面パネルにある変調ポートの1つから電流に小さな変調を加えることで調整できます(下記の「アナログ変調」を参照)。動作電流を調整すると、出力パワーが変化するだけでなく、レーザ波長も変化します。動作電流に加えて、レーザーチップの温度も、コマンドラインインターフェース (USB)または前面パネルの変調ポートのいずれかを介して調整可能です。この温度変化は主に、比較的一定の出力パワーを維持しながらレーザ波長を調整するのに便利です。これらのレーザの電流と温度チューニングの詳細については、「仕様」のタブをご覧ください。
アナログ変調
レーザの駆動電流または温度を制御することで、レーザ波長は設定値付近の小さな範囲内でモードホッピングなしで調整できます。前面パネルにはアナログ変調ポート(SMAメス)が3つあります(「前面&背面パネル」タブ参照)。ポートのうちの2つでは、レーザ電流を現在の設定値付近で ±10 mA変調することができます。これらのうち、「AC Current(AC電流)」のラベル付きポートは2 kHz~20 MHz の変調周波数に対応し、「DC Current(DC電流)」のラベル付きポートはDC~10 MHz(型番ULN13TK)または5 MHz(型番DFB13TK)までの周波数に対応します。3つ目のポートは「Temp(温度)」のラベルが付いており、FBG温度(型番ULN13TK)またはチップの温度(型番DFB13TK) を制御し、DC~1 Hzの変調周波数に対応します。レーザ波長を設定値付近でチューニングする方法については、「グラフ」タブ内の波長のチューニンググラフをご覧ください。
各変調ポートは、-5 V~5 Vの入力信号に対応しています。変調電圧を電流または温度に変換するには、「仕様」タブをご覧ください。
リモート操作
ユニット背面のUSBポート経由でレーザをPC(付属しません)に接続し、コマンドラインインターフェイスを使用することで、リモート操作も可能です。レーザのON/OFFを切り替えや、ステータスインジケータの読み取りなどの基本的な機能に加えて、コマンドラインを使用してレーザの動作設定値を変更することができます。コマンドの一覧についてはレーザのマニュアルでご覧いただけます。USB 2.0 Type-A - Mini-BケーブルUSB-AB-72は各デバイスに付属しています。
レーザのパラメータ(動作電流と温度)を調整することで、レーザの出力や波長を調整することができます。 レーザの中心波長チューニングとシングルモード動作領域を示す典型的な性能グラフは、「グラフ」タブでご覧いただけます。各デバイスには個別の性能データが記載されたデータシートが付属します。
RS-485通信プロトコル用のDサブ9ピンコネクタ(オス)は、システムの背面パネルにあります。コネクタのピンの配列については「ピン配列 」タブをご参照ください。
固定設置
ベンチトップ型レーザには、光学テーブルの取り付け用にM6キャップスクリュに対応する4つの貫通穴があります。
Item # | ULN13TK | DFB13TK |
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Laser Specificationsa | ||
Center Wavelengthb | 1310 nm ± 15 nm | 1310 nm ± 5 nm |
Output Powerc | > 90 mW (Typ. 120 mW) | ≥100 mW |
Linewidthd | < 300 Hz (Typ. 150 Hz) | < 200 kHz (Typ. 100 kHz) |
Relative Intensity Noise (RIN)e | -160 dBc/Hz | -150 dBc/Hz |
Side-Mode Suppression Ratio (SMSR) | > 60 dB (Typ. 70 dB) | > 35 dB (Typ. 50 dB) |
Polarization Extinction Ratio (PER) | > 18 dB | 25 dB |
Output Isolation | > 25 dB | 25 dB |
Mode-Hop-Free Operating Current | N/A | 50 mA - 500 mA |
Mode-Hop-Free Power Range | N/A | 15 mW - 100 mW |
Slope Efficiency | - | 0.27 W/A |
Threshold Current | 50 mA | 15 mA |
Current Tuning Coefficient | 0.25 pm/mA | 0.003 nm/mA |
FBG Temperature Tuning Coefficient | 8 pm/°C | N/A |
FBG Temperature Tuning Range | 10 °C - 60 °C | N/A |
Laser Chip Tuning Coefficient | - | 0.08 nm/°C |
Laser Chip Temperature Tuning Range | - | 15 °C - 35 °C |
Temperature Tuning Range | 0.32 nmf | 1.6 nmg |
Fiber Specifications | ||
Output Fiber Typeh | PM1300-XP | PM1300 |
Output Fiber Connectors | FC/APC Compatible, 2.0 mm Narrow Key | |
External Modulation Specifications | ||
AC Voltage to Current Conversion Rate | 2 mA/V | 10 mA/V |
DC Voltage to Current Conversion Rate | 2 mA/V | |
Voltage to Temperature Conversion Rate | Firmware Adjustable (Default = 0.2 °C/V) | |
Input Voltage Range (All Ports) | -5 V to 5 V | |
Input Impedance (All Ports) | 1 kΩ | |
AC Current Modulation Depth | ±10 mA | ±50 mA |
DC Current Modulation Depth | ±10 mA | ±10 mA |
AC Current Modulation Frequency Rangei | 2 kHz to 20 MHz | |
DC Current Modulation Frequency Rangei | DC to 10 MHz | DC to 5 MHz |
Temperature Modulation Frequency Range | DC to 1 Hz |
Absolute Maximum Ratings | ||
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Item # | ULN13TK | DFB13TK |
Absolute Maximum Output Power | 145 mW | |
Operating Temperature | 15 °C to 30 °C | 15 °C to 35 °C |
Storage Temperature | -10 °C to 40 °C |
General Specifications | ||
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Item # | ULN13TK | DFB13TK |
Input Voltage | 12 V (from DS12 Power Supply) | |
Input Power | 20 W (Max) | |
Dimensions (W x D x H) | 10.00" x 5.31" x 2.93" (254.0 mm x 135.0 mm x 74.4 mm) | 10.00" x 5.31" x 2.94" (254.0 mm x 135.0 mm x 74.6 mm) |
Weight | 4.7 lbs (2.1 kg) | |
Laser Class | 1M |
Figure 3.1、3.2は、低ノイズ単一周波数レーザーシステムの相対強度ノイズ(RIN)と周波数ノイズを表しています。

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Figure 3.2 レーザーシステムULN13TKとDFB13TKを工場出荷時の設定条件で動作させた場合の周波数のノイズデータ例

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Figure 3.1 レーザーシステムULN13TKとDFB13TKを工場出荷時の設定条件で動作させた場合の典型的な低周波の相対強度ノイズ(RIN)
Figure 3.3~3.5は、超低ノイズレーザーシステムULN13TKの典型的な性能を示しています。各デバイスには個別の性能データが記載されたデータシートが付属します。データシートのサンプルはこちらからご覧いただけます。

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Figure 3.3 27°Cのファイバーブラッググレーティング温度(TFBG)で駆動したレーザーシステムULN13TKの典型的なシングルモード動作領域。マルチモード領域は除外されています。

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Figure 3.4 励起電流とファイバーブラッググレーティング温度(TFBG)の変化に合わせた中心波長(λc)のチューニング。マルチモード領域は除外されています。

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Figure 3.5 出荷時の設定条件で駆動したレーザーシステムULN13TKの典型的なスペクトル。この測定は、スペクトル分解能0.02 nmの光スペクトラムアナライザを用いて行われました。
Figure 3.6~3.8は、低ノイズレーザーシステムDFB13TKの典型的な性能を示しています。各デバイスには個別の性能データが記載されたデータシートが付属します。データシートのサンプルはこちらからご覧いただけます。

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Figure 3.6 レーザーシステムDFB13TKを工場出荷時の設定条件で動作させた場合の出力パワーと電流の関係を表したデータ例。DC電流設定値は450 mAまで調整可能です。AC変調ポートにより50 mAまで変調電流を追加できるため、50 mA~500 mAでモードホップフリー動作します。

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Figure 3.7 レーザーシステムDFB13TK を工場出荷時の設定条件で動作させた場合の温度と電流による波長チューニング例。DC電流設定値は450 mAまで調整可能です。AC変調ポートにより50 mAまで変調電流を追加できるため、50 mA~500 mAでモードホップフリー動作します。

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Figure 3.8 出荷時の設定条件で駆動したレーザーシステムDFB13TKの典型的なスペクトル。この測定は、スペクトル分解能0.02 nmの光スペクトラムアナライザを用いて行われました。

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Figure 4.2 ターンキー式ULNレーザ装置ULN13TKの背面パネル

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Figure 4.1 ターンキー式ULNレーザ装置ULN13TKの前面パネル
Front Panel | |
---|---|
Call Out | Description |
1 | Status Indicator LEDs |
2 | Laser Output Port (FC/APC, 2.0 mm Narrow Key, PM Fiber Output) |
3 | Laser Enable Push-Button Switch |
4 | AC Current Modulation Input (SMA Female) |
5 | DC Current Modulation Input (SMA Female) |
6 | Temperature Control Modulation Input (SMA Female) |
Back Panel | |
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Call Out | Description |
1 | RS-485 Communication (DB-9 Male) |
2 | USB Communication (USB Mini-B) |
3 | Remote Interlock Pin (2.5 mm Mono Phono Female) |
4 | Power Switch |
5 | DC Input (M8 Connector for the DS12 Power Supply) |

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Figure 4.4 ターンキー式DFBレーザ装置DFB13TKの背面パネル

Figure 4.3 ターンキー式DFBレーザ装置DFB13TKの前面パネル
Front Panel | |
---|---|
Call Out | Description |
1 | Status Indicator LEDs |
2 | Laser Output Port (FC/APC, 2.0 mm Narrow Key, PM Fiber Output) |
3 | Laser Enable Push-Button Switch |
4 | AC Current Modulation Input (SMA Female) |
5 | DC Current Modulation Input (SMA Female) |
6 | Temperature Control Modulation Input (SMA Female) |
Back Panel | |
---|---|
Call Out | Description |
1 | RS-485 Communication (DB-9 Male) |
2 | USB Communication (USB Mini-B) |
3 | Remote Interlock Pin (2.5 mm Mono Phono Female) |
4 | Power Switch |
5 | DC Input (M8 Connector for the DS12 Power Supply) |
ULN13TKのピン配列
USB 2.0での通信
USB Mini-B

アナログ変調入力
SMAメス型

入力電圧: -5 V~5 V
入力インピーダンス: 1 kΩ
AC電流変調周波数領域: 2 kHz~20 MHz*
DC電流変調周波数領域: DC~10 MHz*
*仕様の帯域幅は、変調回路の3 dB帯域幅(電気)を表します。レーザの応答は、1 MHzを超える周波数で遅いロールオフを持ちます。
RS-485による通信
Dサブオス型9ピンコネクタ
Pin Assignment | |
---|---|
Pin | Output Signal |
1 | RS-485 Half-Duplex T/R+ |
2 | RS-485 Half-Duplex T/R- |
3 | Not Connected |
4 | Not Connected |
5 | Ground |
6 | Not Connected |
7 | Ground |
8a | Do Not Connect |
9a | Do Not Connect |
DFB13TKのピン配列
USB 2.0での通信
USB Mini-B

アナログ変調入力
SMAメス型

入力電圧: -5 V~5 V
入力インピーダンス: 1 kΩ
AC電流変調周波数領域: 2 kHz~20 MHz*
DC電流変調周波数領域: DC~5 MHz*
*仕様の帯域幅は、変調回路の3 dB帯域幅(電気)を表します。レーザの応答は、1 MHzを超える周波数で遅いロールオフを持ちます。
RS-485による通信
Dサブオス型9ピンコネクタ
Pin Assignment | |
---|---|
Pin | Output Signal |
1 | RS-485 Half-Duplex T/R+ |
2 | RS-485 Half-Duplex T/R- |
3 | Not Connected |
4 | Not Connected |
5 | Ground |
6 | Not Connected |
7 | Ground |
8a | Do Not Connect |
9a | Do Not Connect |

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Figure 6.1 レーザ装置DFB13TKと付属品
ターンキー式超低ノイズ(ULN)レーザーシステムULN15TKには以下が含まれます。

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Figure 7.1 レーザ安定化の実験セットアップ例
レーザ安定化
ターンキー式低ノイズレーザーシステムULN13TK 、DFB13TKは、並外れた光スペクトル純度を有し、セットアップの必要がほとんどないため到着後すぐにお使いいただける構成になっています。ただし、光学時計や高分解能分光法などの要件の厳しい用途では、技術的なノイズやドリフトをさらに抑制するために、アクティブな電子フィードバックが必要になる場合があります。このターンキー式レーザには複数の高帯域幅アナログ変調ポートがあり、光共振器や原子/分子遷移などの外部の光基準に同期させる際に役立ちます。
右の図では、超低膨張(ULE)ガラススペーサに取り付けられた結晶スーパーミラーで構成されるリファレンスキャビティにレーザDFB13TKをロックするために、PDH(Pound-Drever-Hall)ロック方式を使用する方法の一例を示しています。RF変調入力により、外部の光変調器なしでPDH側波帯を簡単に生成できます。キャビティからの反射信号の復調により、光共振器との共振を維持するためにサーボフィルタで処理できるエラー信号が生成されます。このターンキー式レーザには、高速変動を補正する高帯域幅のDC結合電流変調ポートと、低速ドリフトを補正する広い範囲の低速温度変調ポートがあります。
ECL、DFB、VHG安定化、DBRならびにハイブリッドの単一周波数レーザ(SFL)

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Figure 8.1 ECLは、利得チップの外側に回折格子があります。
多くの用途では、単一周波数動作の調整が必要になります。単一周波数出力を得るための半導体レーザとしては現在、外部共振型(ECL)、分布帰還型(DFB)、体積型ホログラフィック回折格子型(VHG)、分布ブラッグ反射型(DBR)の主に4種類のレーザがあります。どれも回折格子を使用したフィードバックによって単一周波数を出力します。外部共振型(ECL)ではさらにファイバーブラッググレーティング(FBG)を組み合わせたハイブリッド製品がございます。しかしそれぞれ回折格子のフィードバック構造が異なるので、出力や帯域幅、ならびにサイドモード抑圧比(SMSR)などの性能が異なります。下記では、単一周波数半導体レーザの主な違いについて述べています。
外部共振型レーザ
外部共振型レーザ(ECL)は、その構造により多くの標準的な自由空間半導体レーザに対応します。これにより、ECLは内部の半導体レーザ利得素子に応じて様々な波長で使用できます。半導体レーザの出力光はレンズによってコリメートされ、回折格子に入射されます(Figure 8.1参照)。回折格子はフィードバック(反射)を生じさせ、安定した出力波長を選択するために用いられます。適切な光学設計により外部共振器が単一縦モードのレーザ光のみを選択するため、単一周波数で高いサイドモード抑圧比(SMSR > 45 dB)のレーザが出力されます。
ECLのメリットの1つに比較的長い共振器長が超狭線幅(< 1 MHz)をもたらすことがあります。また、様々な半導体レーザを組み込むことができるので、青色ならびに赤色波長において狭線幅の光を放出できる数少ない方式の1つとなっております。広いチューニングレンジ(100 nm以上)を得ることができますが、ECLの機械設計、ならびに半導体レーザの反射防止(AR)コーティングの質によってモードホップする傾向があります。

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Figure 8.2 DFBレーザにはアクティブゲイン媒体の長さに沿って、ブラッグ反射鏡が形成されています。
分布帰還型レーザ
分布帰還型(DFB)レーザ(近赤外および中赤外でご提供可能)は半導体レーザ構造内に回折格子が組み込まれているレーザとなっております(Figure 8.2参照)。アクティブ領域と密結合する波形の周期構造がブラッグ反射鏡として働き、単一縦型のレーザ光モードを選択します。アクティブ領域がブラッグ周波数近くで十分な利得を得られれば、端面反射鏡は必要なく、代わりにブラッグ反射鏡が全ての光フィードバックならびにモード選択に用いられることになります。この「内蔵型」の光選択によってDFBレーザは、幅広い温度ならびに電流範囲で単一周波数動作を得ることができるのです。DFBレーザにはモード選択の補助や歩留り向上のためによく位相シフト部分がレーザ構造内に用いられています。
DFBのレーザ波長は、ブラッグ波長とほぼ等しくなっております。
ここで、λは波長、neffは有効屈折率、Λは回折格子の周期です。レーザ波長は、有効屈折率を変えることによってチューニングができます。有効屈折率の変化はDFBレーザの温度ならびに駆動電流のチューニングによって得られます。
DFBレーザは、850 nmでは約2 nm、1550 nmでは約4 nm、中赤外域(4.00~11.00 µm)では少なくとも1 cm-1の比較的狭いチューニングレンジとなります。しかし、このチューニングレンジにわたり単一周波数動作が得られています。つまりこれがモードホップ無しの連続したチューニングレンジであることを意味します。この特長により、DFBは光ファイバ通信やセンサなど、様々な用途で広く使用されています。DFBの共振器長は比較的短いため、線幅の典型値は1 MHz~10 MHzの範囲内となります。また、回折格子の構造とアクティブ領域が同じ領域にあるため、DFBの最大光出力は、ECLやDBRレーザに比べて低くなっております。

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Figure 8.3 VHGレーザの体積型ホログラフィック回折格子は、アクティブゲイン媒体の外側にあります。
体積型ホログラフィック回折格子型安定化レーザ
体積型ホログラフィック回折格子型(VHG)安定化レーザもブラッグ反射鏡を使用しますが、この場合は、透過型回折格子は半導体レーザ出力の前に置かれます(Figure 8.3参照)。この回折格子は半導体レーザの一部ではないため、半導体レーザからは熱的に分離することが可能で、デバイスの波長安定性が向上します。回折格子は、通常は複数種類の屈折率の光学材料(通常はガラス)を周期的に積層する構成です。ブラッグの条件を満たす波長の光だけが反射してレーザ共振器に戻り、それにより非常に高い波長安定性を有するレーザになります。VHG安定化レーザは、高パワーにおいて、DFBレーザと同様の線幅で出力可能で、広い範囲の電流および温度にわたって波長がロックされます。

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Figure 8.4 DBRレーザのブラッグ反射鏡はアクティブゲイン媒体の外側にあります。
分布反射型レーザ
分布反射型(DBR)レーザは、DFBレーザと同様、回折格子が内部に組み込まれています。しかしDFBレーザの回折格子はアクティブ(利得)領域に沿っているのに対し、DBRレーザの回折格子は、アクティブ領域の外側に位置しています(Figure 8.4参照)。一般的にDBRレーザは典型的なDFBレーザにはない様々な領域を組み込むことが可能なので制御範囲とチューニングレンジがより広くなります。例えばマルチ電極DBRレーザには位相制御領域があり、回折格子周期や半導体レーザ駆動電流制御とは独立して、位相のみを制御することが可能です。この制御を共に使用することによってDBRレーザは幅広いチューニングレンジで単一周波数動作が可能となります。例えば高性能なサンプルグレーティングDBRレーザのチューニングレンジは最大30~40 nmになりえます。DFBレーザと異なりモードホップフリーではないため、入射ならびに温度を維持できるよう慎重な制御が必要です。
制御構造が複雑なマルチ電極DBRレーザに対し、構造をよりシンプルにした単電極のみで設計されたDBRレーザもあります。単電極DBRレーザには、回折格子ならびに位相制御の複雑構造はありませんが、チューニングレンジはマルチ電極に比べて狭くなります。チューニングレンジはDFBレーザと同程度になり、駆動電流や温度によってモードホップも生じます。モードホップのデメリットはありますが、回折格子がデバイスの長さと同じでなければいけない制限はないため、DFBレーザと比べて光出力が大きいなどのメリットもあります。DBRならびにDFBのレーザの線幅は同程度です。当社では現在単電極DBRレーザのみをご提供しております。
超低ノイズハイブリッドレーザ
当社の超低ノイズ(ULN)ハイブリッドレーザは、SAF利得チップが通常より長さのあるファイバーブラッググレーティング(FBG)に結合されています。こちらのレーザは外部共振型(ECL)に似たレーザ共振器をファイバの長さ方向に沿って作るよう設計されています。この共振器によりULNシリーズハイブリッドレーザの線幅は約100 Hzと非常に狭く、また相対強度ノイズも-165 dBc/Hz(典型値)と低くなります。ファイバーブラッググレーティング(FBG)の熱的分離を保つ構造を取り、そこで利得媒質から放出される光を部分的に反射させます。格子周期はFBGに熱(その結果かかる熱応力)を加えることで変動させることができます。利得媒質とFBGを独立に温度調整できる構成から、温利得媒質の温度を安定させながら、独立してレーザ出力波長を温度でチューニングします。レーザの構成が優れた低ノイズ性能を発揮するため、レーザ本体がノイズの制限要因になることはないでしょう。レーザの環境をモニタし、振動や音響振動などノイズに寄与する要因を制限し、レーザを低ノイズ電流源で駆動して使用することが重要です。

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Figure 8.5 当社のハイブリッドレーザは、ファイバーブラッググレーティング(FBG)が利得媒質に結合しています。
結論
ECL、DFB、VHG、DBRならびにハイブリッドレーザは、設計されたチューニングレンジで単一周波数を発振します。ECLは、DFBやDBRレーザよりも幅広い波長の選択が可能となります。モードホップする傾向がありますが、狭い線幅(< 1 MHz)をもたらします。適切に設計された機器では、ECLによって超広帯域幅(100 nm以上)をもたらすことも可能です。
DFBレーザは最も安定した単一周波数レーザです。DFBのレーザーチューニングレンジ(5 nm以下)内ではモードホップフリーの性能を発揮するため、単一周波数レーザとして最もご要望の多いレーザです。DFBレーザ特有の連続グレーティングフィードバック構造のため、光出力は最も低くなっております。
VHGレーザは、広い範囲の温度および電流にわたって、波長性能が安定しているため、DFBレーザの典型値よりも高いパワーが可能です。この安定性によりOEM用途(組み込み用途)での使用にも適しています。
単電極DBRレーザもDFBレーザ(チューニングレンジ5 nm以下)に似た線幅とチューニングレンジです。出力が大きくできる一方で、単電極DBRレーザはチューニング曲線で周期的なモードホップを発生します。
ハイブリッドレーザでは、けた外れの狭線幅と、ノイズが非常に低い信号を得ることができます。この利点を利用するためには、振動ならびに音響振動など不要なノイズ源からレーザを隔離し、低ノイズ電流源で駆動することが必要です。
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Figure G1.1 グラフではファイバーブラッググレーティングの温度(TFBG)を30 °Cで駆動したレーザーシステムULN13TKの典型的なシングルモード動作領域を示しています。マルチモード領域は除外されています。
- 150 Hzローレンツ線幅(典型値)
- 相対強度ノイズ(RIN): -160 dBc/Hz(典型値)
- 70 dB SMSR(典型値)
- 出力パワー: 120 mW(典型値)
当社のターンキー式超低ノイズ(ULN)レーザーシステムULN13TKは、到着後すぐにお使いいただけます。特許取得済みのファイバーブラッググレーティング(FBG)をベースに設計されており、ベンチトップ型の筐体内には低ノイズドライバと温度安定化システムが内蔵されています。レーザーのケース温度は第3の温度安定化回路によって安定化されているため、システムが標準的な実験室環境で使用される場合、長期的な出力と波長の安定性をもたらします。典型的な性能仕様についてはTable G1.2の青いInfoアイコン()をご覧ください。中心波長範囲内の特定波長のシステムについてのご要望も承ります。
レーザーシステムULN13TKは、非常に狭いローレンツ線幅(典型値150 Hz)と低い相対強度ノイズ(典型値-160dBc/Hz)で、ノイズ性能が厳しい用途に対応します。ULNの設計は、レーザ共振器へのフィードバックにファイバーブラッググレーティング(FBG)を採用したハイブリッド外部共振器半導体レーザをベースにしています。その結果、レーザ電流を調整する際に、ULNレーザのモードホップのない単一周波数領域は連続的になりません。各モードホップのない単一周波数領域は、通常、20 mA~50 mAの駆動電流に制限されます(Figure G1.1参照)。ULNシステムの波長は、チップの電流調整とFBGの温度調整の両方で調整できます。温度が広い範囲で調整されても単一周波数動作を維持するためには、レーザ電流を同時に調整する必要があります。
システムには、2つのアナログ電流変調ポート(ACおよびDC結合)とアナログ温度変調ポートが付いており、安定したレーザーシステムを構築するために、サーボエレクトロニクス使用してレーザ周波数を光共振器や参照光にロックするのに使用できます。レーザをPC(付属しません)に接続し、コマンドラインインターフェイスを使用することで、リモート操作も可能です。
このレーザはファイバ出力型で、出力部はFC/APCバルクヘッド(2.0 mmナローキー)コネクタとなっています。最良の性能を得るために、ファイバPM1300-XPを内蔵した偏波保持FC/APCファイバーパッチケーブルのご使用をお勧めいたします。各レーザには ACアダプタ電源DS12が付属しています。デバイスに含まれる製品のリストについては、「発送品リスト」タブをご覧ください。.
中心波長範囲内の特定波長のシステムについてのご要望も承ります。詳細は当社までお問い合わせください。


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Figure G2.1 レーザーシステムDFB13TK を工場出荷時の設定条件で動作させた場合の温度と電流による波長チューニング例
- 100 kHzローレンツ線幅(典型値)
- 相対強度ノイズ(RIN): -150 dBc/Hz(典型値)
- 連続モードホップフリーの単一周波数動作
- 温度による波長調整範囲: 1.6 nm
ターンキー式低ノイズのDFBレーザーシステムDFB13TKは、1310 nmDFBレーザと低ノイズドライバがベンチトップ型筐体に内蔵されたすぐにお使いいただけるレーザー装置です。典型的な性能仕様についてはTable G2.2の青いInfoアイコン()をご覧ください。各DFBレーザーシステムにはシリアル番号が付いており、個別のデータシートとともに発送いたします。サンプルデータシートについてはこちらをご覧ください。データシートは、下の型番横の赤いアイコン(
)をクリックし、「Download Serial Item Data」下にお持ちの製品のシリアル番号を入力するとダウンロードも可能です。
DFBシステムの設計は、100 kHzのローレンツ狭線幅と-150 dBc/Hzの典型的な相対強度ノイズ(典型値)を維持しながら、モードホップのない広い単一周波数動作領域(50 mA~500 mA)を可能にしています。波長チューニングは、電流またはレーザーチップの温度を調整することで可能で、典型的な温度による波長チューニングレンジは最大1.6 nm(チップ温度を20℃調整した場合)です。DFB13TKは温度を調整しても、電流を同時に調整する必要なく単一周波数モードを維持します。
システムには、2つのアナログ電流変調ポート(ACおよびDC結合)とアナログ温度変調ポートが付いており、安定したレーザーシステムを構築するために、サーボエレクトロニクス使用してレーザ周波数を光共振器や参照光にロックするのに使用できます。レーザをPC(付属しません)に接続し、コマンドラインインターフェイスを使用することで、リモート操作も可能です。
このレーザは、FC/APCバルクヘッド(2.0 mmナローキー)出力コネクタ付きのファイバ出力型です。最良の性能を得るために、ファイバPM1300-XPを内蔵した偏波保持FC/APCファイバーパッチケーブルのご使用をお勧めいたします。各レーザには 電源DS12が付属しています。デバイスに含まれる製品のリストについては、「発送品リスト」タブをご覧ください。